神戸：ファルコンの散歩メモ

『へレディタリー／継承』・『ミッドサマー』そして、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』では「第９５回アカデミー賞」７部門受賞を果たし、映画界の勢力図を変えたスタジオ「A２４」の新作『Pearl』が『Pearl パール』の邦題で、２０２３年７月７日より公開されます。

 新作『Pearl』は、『X エックス』（２０２２年）の前日譚であり、現在製作中の完結編『MaXXXine（原題）』とあわせ、「A２４」初の３部作として、世界の国際映画祭を席巻してきた本作です。

ダンサーを志ざし、スターの華やかな世界に憧れる「パール」でした。人里離れた農場で、厳格な母と体が不自由な父に育てられた彼女の愛への渇望が、スターへの夢を育み、両親からの異常な愛が、その夢を腐らせていきます。籠の中の無垢なる少女が抑圧から解き放たれたとき、比類なき無邪気さと残酷さをあわせもつシリアルキラーが誕生します。

予告編では、１９２８年のミュージカル作品『Good Boy』のために書かれ、＜マリリン・モンロー＞が歌ったことで有名になりました楽曲『I Wanna Be Loved By You（愛されたいのに）』をアレンジした曲が印象的に使われ、ミュージカルスターを夢見る無邪気な「パール」の夢が閉ざされ、残虐な「パール」へと変遷していく様を見せていきます。彼女の狂気に圧倒されながらも、最後には、彼女の笑顔の虜になってしまいそうな作品です。

 監督・脚本は『X エックス』に続けて＜タイ・ウエスト＞が務め、『X エックス』で主人公の「マキシーン」と、最高齢の「サイコキラー・パール」を演じた＜ミア・ゴス＞（２９）が主演として、本作でも若かりし頃の「パール」を演じています。また、＜ミア・ゴス＞は、脚本とエグゼクティブ・プロデューサーとしてもクレジットされています。