ロシアがドイツへの天然ガスの供給を停止し、ヨーロッパの景気が後退するとの懸念から、ヨーロッパの通貨ユーロがドルに対して急速に下落しています。「1ユーロが、一時1ドルを割り込み、20年ぶりのユーロ安となりました。
12日の外国為替市場では、ドルに対してユーロ安が急速に進み、一時、「1ユーロ=1ドル」を割り込みました。
1ユーロが1ドルちょうどとなった場合には、価値が等しいことを表す「パリティ」と呼ばれますが、ドルとユーロの取引で、「パリティ割れ」の状態になるのは2002年12月「1ユーロ=1.0005ドル近辺」まで下げた以来、およそ20年ぶりです。
ヨーロッパでは、ロシアからドイツに向けた天然ガスの主要パイプライン「ノルドストリーム」が定期検査に入り、検査の終了後もガスの供給が回復しない可能性が警戒されています。そのため、ヨーロッパの景気悪化が急速に懸念されていて、ユーロを売る動きが広がりました。
また、12日に発表されましたドイツの景況感指数の7月の期待指数は(マイナス53.8)と市場予想を大幅に下回ったこともユーロ安を加速させています。
一方、アメリカは金利の引き上げがさらに加速するとの見方から、運用などで有利なドルを買う動きが加速しています。日本円もおよそ24年ぶりの安値を更新し続けています。
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