ファルコン植物記(2032)苺の白い花【さちのか】
4月
11日
「さちのか」は旧野菜・茶業試験場久留米支場(現農研機構九州沖縄農業研究センター野菜花き研究施設)において「とよのか」に「アイベリー」を交配して育成された促成栽培向きの品種で、2000年2月に品種登録されています。
「さちのか」は長崎県や佐賀県などを中心に現在も多くの生産者がおり、市場でもよく目にする品種の一つです。
「さちのか」の果皮の色は濃い鮮赤で、果形は長円錘、果実の大きさはやや大きめです。果肉の色は淡紅色で、果心も淡赤色をしているの出、ジャムやピューレにすると綺麗な濃い色のものが作れます。その分、熟しすぎると黒ずんだ赤になりやすいようです。これはさちのかの特徴でもある酸化による黒化で、熟したものは収穫後時間と共に黒ずんだ濃い赤に変色してきます。
また、果肉はかなり硬く、輸送性、日持ち性に優れています。香りはやや強く、味は酸味が穏やかで、甘みとのバランスが丁度良い感じ。もちろん好みや栽培環境によって違いはあります。他のイチゴに比べ、ビタミンCが多く含まれているとされています。