今年もあとわずか。
あっという間でした。
時の流れの速さに
自分を見失いそうです。
以前TVを見ていたら、
「かげろう」の特集をしていました。
「かげろう」は子孫を残すことが
授かった命の目標であり、
生殖の後、絶命します。
一般的に
生物の最大の目標は、
子孫を残すことです。
人間についてはどうでしょうか。
人間には高い知性があり、
それゆえに、
毎日、悩み、苦しみます。
子孫繁栄のためだけではなく、
自分の「生きがい」を求めて
生きる能力があります。
ここで、
生きる意味を考えてみると、
つまり、
人間として生まれた意味
として考えてみると、
人間には、幸せを追求する
能力がありますから、
生きている限り、
「幸せになろうとする」
そのことが
「生きる意味」
と、思います。
楽しかった思い出はあるはずです。
苦しいときでも、
その記憶があるかぎり、
これから
何か楽しいことを見つける
ことができるはずです。
2008年5月より2019年4月までの
11年間の当院での治療実績が
判明しました。
2019年8月時点で集計しました。
1年ごとの厳粛な作業ですが、
毎年、約3か月間の時間を要します。
当院での検査で原因が判明し、
当院で治療した
1869人の不育症患者さんの
1回の妊娠についての成功率は、
78%でした。
同じく、
1332人の着床障害
(過去に5回以上の胚移植不成功)の
患者さんの
1回の治療についての成功率は、
24%でした。
詳しくは、当院のホームページの
治療実績をチェックしてみてください。
年々、
着床も難しく、
妊娠しても継続しない方が
増えてきています。
体外受精により、
やっとの思いで妊娠できたのに、
もう大丈夫と思ったのに、
さらに、
流産に終わったのなら、
どれほどの苦しみを背負うことでしょう。
今までの治療実績についてのブログは、
下記の #(ハッシュタグ) を
クリックすると、検索できます。
2018年の12月に先行研究
(対象は約80人)
の途中結果が報告されましたが、
2020年1月から、
日本産婦人科学会に
体外受精施設として登録されている
約610の施設のうち、
参加希望により認可される予定の
数十か所の施設による臨床研究
(対象は少なくとも3500人)
が開始されるようです。
移植前(着床前)の受精卵の
すべての染色体に異常がないかどうかを
スクリーニング(ふるい分け)する検査です。
以前、
「着床前スクリーニング」と言われていた
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)が、
妊娠率、流産率の向上に有益な検査
であるかどうかを調べる臨床研究です。
対象となる患者様の選択の問題や、
モザイク胚などの問題もあるため、
本当に有効な検査かどうかは
不明ですが、
理論的には期待できる検査です。
今後、
着床前の胚(受精卵)の
全染色体(遺伝子の塊)検査である
「PGT-A」の結果が正常な
正常胚を移植しても、
不成功ならば、
その原因は、益々、
子宮(子宮内環境)側の問題
である可能性が考えられます。
子宮内環境としては、
ストレスによる
子宮血管収縮の問題や、
胚を攻撃する
同種免疫の問題、
子宮血流に関係する
ホルモンや凝固の問題
などがあります。
ヨーロッパの一部の国では、
子宮内膜の末梢血管の収縮を
防ぐ治療として、
精神薬の服用も勧められています。
子宮の細動脈は、約120本の
らせん動脈が渦を巻いて密集しており、
その血管壁には神経線維が入っているのです。
移植したとき、
妊娠したとき、
必ず何らかのストレスを感じている
と思います。
そのストレスの種類と程度、
そして、
あなたの性格からくる不安の種類と程度
を、
知ることができれば、
和らげる方法を見つけられます。
ストレスの種類としては、
物理的なストレス(騒音、寒さ等)
化学的なストレス(過剰な薬物・サプリ等)
生物学的なストレス(感染症、アレルギー等)
社会的なストレス(生活上の負担等)
心理的なストレス(人間関係等)
があります。
当院では、
一般的な血液や組織、画像の検査以外に、
生殖ストレスの検査として、
生殖精神分析を行っており、
その治療も
支持的精神(薬物)療法として、
行っています。
難治性の患者様や、
他院で不成功が続いている患者様に、
「同種免疫異常と生殖ストレス」
による複合した原因が
多く見つかっています。
いつもは静かな田舎の地が、
秋の祭りで華やぎました。
見ていると、
ほっこりして、
何か懐かしくて
幸せな気分になってきました。
楽しいことはいいですね。
夕暮れの奈良公園
(90度回転して見てください)
11月13日から16日まで
奈良にて国際生殖免疫学会が
開催されました。
私も10演題の発表の司会を
してきました。
不育症と着床障害の
原因と、その検査法、治療法
についての内容です。
発表の半数以上が
同種免疫異常(NK細胞関係)
の内容でした。
アメリカ(シカゴ)からの発表では、
NK細胞活性を検査して、
その結果により、
免役調節治療として
タクロリムスではなく、
プレドニン(ステロイド)
の増量治療と、
免役グロブリン治療の成績が
発表されていました。
2000年のアメリカ生殖免疫医学誌
(Am J Reprod Immunol, 44: 253-255)
に、発表して以来、
少しずつ改良して
難治性の不育症と
難治性の着床障害の方に、
治療しています。
子宮内を直接、ステロイド液で
洗いますから、
少量で高い抗炎症作用が
得られます。
当院ではタクロリムス治療は
しません。
タクロリムスはステロイド以上の
強力な免疫抑制薬ですから
副作用も強く、
強力すぎて、
CSFファミリーのような
「子宮内の免疫学的な生着反応」
までも
抑制してしまう危険があるからです。
「ご相談と情報」のなかの
「よくあるご相談」(Q12)と、
「不育症と着床障害の
ポイント解説」(33)
を参照してみてください。
ストレスを感じていると、
すぐに甘いものに手が出てしまいます。
糖質は、脳に快感を与えるからです。
しかし、
「甘いものは体を冷やします。」
知らない方、意外と多いようです。
妊活中と妊娠中の方は、
本当に気をつけて、ほどほどに。
寒くなってきましたね。
朝一番に
白湯をまず飲むことを
お勧めします。
身体にも
子宮環境にも
卵巣環境にも
いいからです。
梅干し(適度な塩分)は
逆に身体を温めますよ。
参考にしてください。
卵は免疫学的に半分異物です。
ヒトは子宮内で卵を育てますから、
卵を攻撃しないように
「子宮内が寛容な環境」
になっています。
子宮内の免疫環境は、
ホルモンの助けを借りて、
卵を育てる物質も多量に放出しています。
たとえば、CSFファミリーと呼ばれる
G-CSF, GM-CSF, M-CSFです。
当院ホームページの
「ご相談と情報」のなかの
「よくあるご相談」の(Q12)と、
「不育症と着床障害の
ポイント解説」の(33)
を見てください。
最近注目されている
Th1/Th2細胞比という検査と、
タクロリムス治療について
書いてあります。
Th1/Th2細胞比は、
細菌、ウイルス感染後の
炎症状態で高くなり、
花粉等への
アレルギー状態で低くなり、
そのときの身体の状態によって
よく変動しています。
タクロリムスは
ステロイドより強力な
免疫抑制薬ですから、
副作用も強力です。
さらに、
たとえば、
CSF(細胞の増殖,分化に働く物質)
ファミリーと呼ばれる
妊娠維持に必要な物質まで
抑制してしまい、
かえって
子宮内環境を悪化させてしまう
例も少なからず、あるのです。
妊娠したら、まず感謝です。
新しい命を授かったのですから。
その生命の寿命は
数日かもしれませんが、
あなたの子宮に授かったのですから、
まずは、感謝です。
それは
それは
幸せなことですから。
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