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2021年3月、Natureという信頼度の非常に高い医学誌に、「胎盤には胎児に存在しない染色体異常(モザイク現象)がある」ことが報告されました。(Nature 592, 80-85, 2021)2020年1月より日本でも臨床研究として行われている#PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)、以前は、#着...
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移植前の胚の23対ある染色体の数をすべて調べるPGT-A検査が始まっています。高額な検査ですが、胚の異常の有無について染色体レベルで検査できます。5日目胚盤胞の総数約100個強の細胞の中の胎盤になる外側の細胞約5個の染色体の数をすべて調べる検査です。注意点としては、30%ぐらいの胚にモザイクがあるら...
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着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の検査を受ける利点がありそうな方は、35歳以上であり、経済的余裕があり、(一つの受精卵の検査費用が約5~8万円)5日目の胚盤胞まで数多く容易に育つ方(一つの受精卵の染色体異常率が約70%ですから)と、思われます。その出産成功率は子宮内環境を正常に整えた場合でも約...
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2018年の12月に先行研究(対象は約80人)の途中結果が報告されましたが、2020年1月から、日本産婦人科学会に体外受精施設として登録されている約610の施設のうち、参加希望により認可される予定の数十か所の施設による臨床研究(対象は少なくとも3500人)が開始されるようです。移植前(着床前)の受精...
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着床前スクリーニングの有益性が高いと考えられる対象は、偶然的な胚の染色体異常が起こりやすい40歳前後以上の方ですが、40歳前後であるために、容易に胚盤胞まで育てられず、結局、採卵から出産までの時間で考えると、40歳前後の方にとって着床前スクリーニングにそれほどの有益性はないという報告もあります。着床...
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日本でも先月、日産婦学会により、PGSの臨床研究が開始されたことが報告されました。ヨーロッパの多くの国とアメリカでは数年前より実際の臨床で行われています。実際の臨床現場では、できるだけ多くの卵子を採取して、授精後、5日目の胚盤胞まで培養できなければなりません。約100~200個の細胞(胚盤胞)のうち...
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私が不育症の研究を始めた約35年前は、「流産は自然淘汰であり、、流産の原因のほとんどは悪い卵のせいですよ。」と、臨床現場では説明されていました。同じことが、今、体外受精・胚移植の臨床現場で、よく言われています。「移植して育たないのは悪い卵のせいですよ。」 と。流産の場合、流産内容物の染色体検査ができ...