※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ クサギ(臭木); クサギの花は、前に掲載したと思うが、白くて清楚な花をつける。 臭木と言うだけあって葉を揉んだりするとちょっと臭いがする。 悪臭と言うほどのものではない。以前はクマツヅラ科、今はシソ科とされる。 黒っぽい青紫の実や周りの赤い花弁に見えるガク(萼)、秋模様で綺麗。 ※ ※ ※ ※ ※ 「横浜市新治市民の森2016/11/13」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 此処の所、机に向かうことが多く中々散歩散策に出れない。 せめて週末ぐらいは!?!と海・里山へ・・・。 潮騒の趣、森を通る風に香りを感じる。 近間の場所では紅・黄葉には少し早かったが、週末散歩を。 散策路を行くと、家族連れが何やら楽しそうに遊んでいた。 自然は、いいッて感じた一瞬。早く濃い紅・黄葉になって欲しい。 「緑気浴」&小春日和(balmy autumn weather)の里山。 ※ ※ ※ ※ ※ 「横浜市新治市民の森2016/11/13」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ヤマブドウやエビズルと同じくブドウ科のつる性植物。 木性の蔓植物。葉の縁には粗い鋸歯があり無毛(野葡萄は有毛)。 春~夏に集散花序の小さく緑黄色を帯びた花を咲かせる。液果は球形。 ハエ等の幼虫が寄生し虫えいを作る。それ故、色々な色を見せる。 海岸近くに自生している。 ※ ※ ※ ※ ※ 小春日和(balmy autumn weather, Indian summer, St. Martin's summer) ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より 小春日和(こはるびより) 晩秋から初冬にかけて現れる穏やかな暖かい晴天。 小春とは旧暦 10月のことで,太陽歴では 11月から 12月上旬にあたる。 厳しい冬を前に現れる温和な天気を喜んだことばで, アメリカや西欧にも冬を前にしたこの時期の穏やかな晴天をインディアン・サマー, 老婦人の夏などと呼ぶことばがある。 * * * * * 少し前の穏やかな天候の週末、レディースサラダ(大根の一種類)を探しに出かけた。 そこは、横須賀市と葉山町の境目の所。今年は、未だだった(遅い)。 仕方なくお気に入りの食堂に寄った。 若いご夫婦が、数種類のみを提供しているこだわり在る食堂。 大根に出会えなかったが、旨い・美味なる昼食で至福のひとときを貰った。 この食堂、最近人気で予約をしないと☓。1時間以上も待った。 其の待ち時間を三ツ石で、、、のんびりとした良い雰囲気、お気に入りである。 「横須賀市秋谷(三ツ石)2016/11/07」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ナンテン(南天) 高さ1-3mの落葉低木。茎は肥大成長せず、あまり太くならない。 葉は3回3出葉でやや密生し、小葉は長さ3・5cmの披針形。 ちょっと革質で光沢がある。 ナンテンが白い可愛い花を付けるのは梅雨の頃。 雨で花粉が流れ易く実が付くよう軒下等に植えるようである。 それ故か野生化した南天は実がまばらだ。 又、常緑なのに一部のナンテンは秋から冬にかけて紅葉する。 山野に自生し天然記念物となっているところもある。 花は白色で直径6~7mm程度。萼片は、輪状に多数つき、 内側の2輪が6個の花弁状になり開花すると外側の萼片は先に落ちる。 外側の萼片ほど小さい。雄しべは6個。雌しべの花柱は短く子房は大きい。 花が終わると萼片と雄しべは全て落ち、柱頭が赤くなることもある。 画像のように果実は直径6~7mmの球形の液果で、赤く熟す。 種子は直径約5mmの中が窪んだ半球形、淡褐色。 昔から「難いを転じる」という言葉に解釈され、 鬼門を封じる厄除けの意味から裏玄関などに植えられた。 芽吹きの時期や秋から冬にかけて葉が赤くなる。 葉にはタンニンが含まれ防腐作用があるため、赤飯などの食べ物に添える。 また果実は、咳止めの薬や飴に今でも用いられている。 ※ ※ ※ ※ ※ 上段の画像、何とも言えぬ色合いの葉っぱ。 どことなく不思議な、而して場所等で色合いが違う。 第45代米大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれた。 大方の予想と異なり、色々と物議を醸している。 だが米国人民の感覚が変化し始めているのではないか!?! 歴史をみると、なんとなくわかる様に思うのだ。 21世紀になって、世界的に“潮流”の変化が始まった。 こじつけかも知れないが、アノミー的流れにある気がする。 「世紀初めに変化が始まり中庸で落ち着き世紀末に再度変動し始める」 こんな繰り返しを思うのだ。 選挙も・思想もパフォーマンス!! 主義主張道理にはいくまい。 「民主主義」・・・論議の上に立って徐々に進むのだろう。 誹謗中傷合戦に終わった感があるが、“潮流変化”が始まったのは確かだ。 ある種、楽しみな・・期待感を持つ。日本が完璧自立に向かう時が来た。 「大和市・鶴間2016/11/01~13」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ イソギク(磯菊) 関東地方南部(房総半島)~伊豆半島(東海地方)、伊豆諸島に自生。 自生範囲は限られているようだ(確認されてる地域)。 海岸の砂浜などに生え、高さは20~40cm程度。 葉は倒披針形で、裏面は白い毛に被われ、表面は白い縁取りのように見える。 10月から11月ごろに、黄色い頭花を管状花だけで咲き魅せる。 が、頭花の外周に舌状花が並ぶものをハナイソギク f. radiatum と呼ぶ。 キク属 Dendranthema で舌状花の無いものをアヤニア属 Ajania(亞菊屬)とする。 キクとの自然雑種、黄花のものはウラジロギク・サトイソギクなどの名で、 そして白花のものはハナイソギクの名で呼び、栽培もされているものもある。 海岸のハマギクやアシズリノジギクは普通の花弁だが、こちらは非常に小さい花弁。 これらの植物は強風の吹き荒れる海岸の断崖や砂地で丈夫に育って花を咲かせる。 このような環境で育っているイソギク等の花々、実にたくましい。 ※ ※ ※ ※ ※ このイソギク、以前は三浦半島の海岸ではどこでも観られた。 しかし宅地開発、海岸線の道路整備等で生育環境の変化でめっきり減ってしまった。 反面、立ち入り禁止状態の海岸線では、群生している。何とも皮肉なことだ。 「鎌倉市・稲村ヶ崎2016/11/05」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 《新分類(APG)ではアカザ科はヒユ科に含まれるようになった》 海水の影響する砂地に生える塩湿地植物。 葉は互生し線形で長さ1~4cm、幅約1cm、先は刺状程に尖らない。 花は緑色、茎の上部の葉腋に数個、固まってつく。 花被片5個、雄しべは花被片と対生。 果実(胞果)は直径約2cmの扁平な球形、1種子をもつ。 種子は長さ約1.4cm位で暗褐色、光沢がある。 ※ ※ ※ ※ ※ 晩秋には全草が赤くなって目立つ、と解説書にあったが、今回は未だった。 若い頃秋から冬に葉山~秋谷あたりに夕陽を撮りに歩き回っていた。 友達の家が森戸にあったのでよく訪れていた。 当時、海岸でこの「浜松菜」をよく見かけたが、名前など気にならなかった。 今頃の時期、この植物は真っ赤に“紅葉”!?!してたのを覚えている。 そんな昔を思い出しながら、浜の岩場を観るとまとまって茎が立っていた。 気候の変化か?? 未だ“紅葉”しておらず残念!?! 「横須賀市・秋谷三ツ石海岸2016/10/23」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ マヤラン(摩耶蘭) 今年も初夏に1回め、そして二回目の花茎が林床に観えた。 定点觀察している場所からかなり広がりも見せはじめている。 腐生植物を探し求め追いかけあたりを注意深く探してみると!! 生態(形態)観察すると、湿度高い林床に生え、菌に依存してるとわかる。 (菌従属栄養植物=光合成能力を失い、菌根菌や腐朽菌から養分を取る植物) 植物の多様性に関しての研究(筑波実験植物園遊川知久博士) §共生菌からみたマヤランの不思議な暮らし§ 以下博士の論考紹介文;ランと共生する菌の研究から。 植物は葉で光合成を行ってデンプンを作り、それによって生きるためのエネル ギーを得ています。けれども葉のないマヤランは、光合成できません。どうやっ て生きているのでしょうか?マヤランの地下茎を切って見ると、写真3のように 細胞の中にたくさんの菌がいることが分かります。自力でデンプンを作り、水を 吸収する代わりに、共生する菌から栄養と水をもらって大きくなります。 根も葉もなくてどうやって生きているのだろう マヤランの共生菌は一体どんな菌なのか気になります。 あちこちのマヤランの自生地から地下茎を採集し、共生菌の DNA を調べました。 その結果、マヤランの共生菌は、担子菌のベニタケ科(Russulaceae)、 イボタケ科(Thelephoraceae)、シロキクラゲ科(Sebacinaceae) であることがわかりました。平たく言えばキノコの仲間です。 これらのキノコは特定の種類の樹木の根としか共生しないため、共生関係にある 木の種類が生えていなければ死んでしまいます。3者の関係を整理すると、 「マヤランは、ベニタケ科などのキノコなしでは生きていけない」、 「ベニタケ科などのキノコは、特定の種類の木なしでは生きていけない」 ということです。つまり「マヤランは、特定の種類の木なしでは生きていけない」 ということでもあります。では、マヤランの命を支えている木はどんな種類でしょう? これは今から調べるテーマです。 マヤランは絶滅のおそれのある種です。マヤランを絶滅から救うためにも、マヤランと共生菌、 さらには周囲の樹木の関係を詳しく理解する必要があるのです。 詳しい内容にご興味のある方は、『国立科学博物館ニュース』第 458 号の 26~29 ページを。 ※ ※ ※ ※ ※ いつもさらっと通っていた場所だが、何か気になって奥に踏み入った。 奥に入る前に路の側面に幾本もの枯れ・・しおれたマヤランの茎をみて想像した。 此の周辺の環境からすると、風による種の飛散はむずかしい様におもえる、種の運搬者は?と。 昨年、以下の記事を拝したことを思い出して。 ※ ※ ※ 光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布 -動物に種子散布を託す初めてのラン科植物の発見- 2015年05月12日 末次健司 白眉センター特定助教、川北篤 生態学研究センター准教授、 加藤真 人間・環境学研究科教授による研究グループは、 埃種子とよばれる非常に微細な種子を持ち、 風による種子の散布を行うと考えられてきたラン科植物において、 初めて動物による種子散布を発見しました。 本研究成果は、日本時間2015年5月5日午後7時(英国時間2015年5月5日午前11時)、 英国科学誌「Nature Plants」に掲載されました。 研究者からのコメント;末次特定助教 植物といえば光合成を行い、自ら炭素化合物を生産する独立栄養生物として知られていますが、 中には光合成をやめて地中の菌類から全養分を略奪するという特異な進化を遂げた、 菌従属栄養植物と呼ばれるものが存在します。 光合成をやめることにより、 これらの植物は、植物が通常生育できないような暗い林床でも生育できるようになりましが、 暗く風通しの悪い林床は、風による種子散布に適していないと考えられます。 そのような環境で確実に種子散布を行うため、ツチアケビは液果をつけ、 鳥に種子散布を託すという進化を遂げたと考えられます。 ラン科植物は一般に、葉を展開するまでの間、 菌根菌とよばれる地中の菌からの養分供給がなければ成長することができないため、 無数の微細な種子を風に飛ばすことで菌根菌と遭遇できる確率を高めているというのが定説でした。 しかしツチアケビは、菌根菌への寄生を一生涯に延長し、風通しの悪い林床に進出することで、 逆に風散布を喪失し、動物散布を再獲得したと考えられます。 このように、植物が光合成をやめるという進化は、単なる機能の喪失ではなく、 一見関係ないと思われる種子散布様式の変化まで促す可能性が示唆されました。 今後も菌従属栄養植物の分類学的、生態学的研究を行うことで、 植物が「光合成をやめる」という究極の選択をした過程で起こった変化を、 一つでも多く明らかにしたいと考えています。 概要 ラン科植物は、そのすべての種が、葉を展開するまでの間、 菌根菌とよばれる菌類からの養分供給に依存して生育しています。 発芽直後に菌に寄生するという特徴のため、ラン科植物の種子は胚乳などの養分を保持しておらず、 その微細さから埃種子とも呼ばれます。 ラン科植物は埃種子を大量に生産し、それらを風に乗せて散布させることで、 生存に必要な菌根菌と出会う確率を高めていると考えられてきました。 一方ラン科では、実生が菌に寄生するという特徴が前適応となり、およそ200種が一生涯に渡り、 菌から得て生育することで、完全に光合成をやめるという進化を遂げています。 完全に光合成をやめてしまったツチアケビのようなラン科植物は、光合成を行う必要がないため、 競争相手となる光合成を行う植物が生育できない非常に暗い林床に生育していますが、 暗く風通しの悪い林床は、風による種子散布に適していないと考えられます。 例えばラン科以外の単子葉植物では、液果をつけて動物に種子散布を託す進化が21回起こっていますが、 そのうち19回が林床への進出と関係があることがわかっています。 また動物による種子散布様式を獲得した単子葉植物のうち、 11回は再び風など動物によらない種子散布様式を再獲得していますが、 このうち8回は林床から日向への進出と関連があることがわかっています。 事実、葉緑素を持たないラン科植物の中には、液果をつけるものが存在し、 被食動物散布の可能性が指摘されていましたが、これまで証明された例は皆無でした。 そこで本研究グループは、暗い森林に生育し、鮮やかな赤色の液果をつけるツチアケビに注目し、 その種子散布様式を明らかにしました。 その結果、ツチアケビの果実は、ヒヨドリ、シロハラなど 4種の鳥によって消費されていることがわかりました。 さらに、このうち最も主要な摂食者であったヒヨドリの糞を調べたところ、 ツチアケビの種子は鳥の消化管内で損傷を受けず発芽能力を保っていることがわかりました。 これらの結果より、ツチアケビは、鳥に種子散布を託していることが明らかとなりました。 ラン科は被子植物において最も種数の多い科ですが、 今回の発見は、世界でも初めてのラン科植物における動物による種子散布の報告となります。 (上、2番目の画像参照) 詳しい研究内容について; 光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布 -動物に種子散布を託す初めてのラン科植物の発見- 書誌情報 [DOI] http://dx.doi.org/10.1038/nplants.2015.52 [KURENAIアクセスURL] http://hdl.handle.net/2433/197830 Kenji Suetsugu, Atsushi Kawakita & Makoto Kato "Avian seed dispersal in a mycoheterotrophic orchid Cyrtosia septentrionalis" Nature Plants 1, Article number: 15052 Published online 05 May 2015 <用語解説> 菌従属栄養植物; 光合成能力を失い、菌根菌や腐朽菌から養分を奪うようになった植物のこと。ツツジ科、 ヒメハギ科、リンドウ科、ヒナノシャクジョウ科、コルシア科、ユリ科、ラン科、サクラ イソウ科、ホンゴウソウ科などが該当し、これまで日本からは約 50 種が報告されている。 ツチアケビ ラン科ツチアケビ属に属し、暗い林床に生息する菌従属栄養植物の一種。 葉はなく、秋に赤いウインナーソーセージのような液果をつける。 液果 多肉果、湿果ともいい、多肉化した果皮が成熟後も水分を多く持つ果実。トマト、モモ、 ミカンなどがこれに相当する。 被食動物散布; 動物が食べることによって種子が運ばれ、糞と共に排出される散布方式。 動物に対する報酬として、液果をつけるものが多い。 ※ ※ ※ 「大和市泉の森2016/10/10」
襟巻土栗は円形で直径が3~4cm、幼菌時、外皮包頂部に角状の尖った部分がある。 その後、成長するに伴って頂部が5~7つに分かれながら外皮が裂けていき、 内皮に包まれた“グレバ”が姿をあらわす。 また、内皮の頂上部分もやや角状に突き出ており、 その頂部が星状の小孔を開いてそこから胞子が噴出する。 最新の研究結果によると襟巻土栗は系統の異なる9種に分かれる事が判明した。 胞子を蓄えたグレバを包む内皮は乾燥して白っぽいので結構目立つ。 子実体はかなり乾燥気味なので、内皮は茶色い。 外皮は褐色で、ツチグリのようなひび割れ模様は無く単色。 また名前にも有るように、外皮に一段、襟巻き状の境界ができる。 “※基本体(グレバ:gleba)の解説ーウキペデイアキノコの部位より※” 子実体の内部に胞子を形成するようなキノコの場合、 その胞子形成部分を基本体(またはグレバ、gleba)という。 典型的には、出口のない袋状の組織の中に、 不規則に(あるいは多少とも規則的に)担子器や子嚢などの胞子形成細胞が形成される場合、 その組織全体を指す。担子菌類の腹菌類、およびセイヨウショウロ(トリュフ)などに見られる。 腹菌類では子実体の内側に多数の担子器が形成されるが、 胞子が成熟すると担子器は崩壊・消失する。胞子の外界への放出の方式はさまざまで、 袋の先端に出口を生じて吹き出すように出るもの(ツチグリ・ホコリタケなど)、 子実体の結実部を包む組織(殻皮、かくひ)が不規則に崩れて散布されるもの(ノウタケなど)、 生長の後期に柄(偽柄)が伸びて基本体が押し上げられ、粘液化するとともに異臭を放ち、 ハエなどの昆虫やナメクジなどの小動物によって胞子が伝播されるもの(スッポンタケ等)等がある。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ツチグリに似て外皮がミカンの皮をむいたようになり、 内皮を襟巻状に囲むことから名前が付いたとあった。 丸い袋の中には胞子が詰まっており毒はないが、食用には不向き。 エリマキツチグリは林内の落ち葉の重なった場所などに発生する。 夏~秋に表れるとされている。 図鑑等専門書に解説されるように本種は落葉の多い地上を好むようだ。 スギ林内の落葉が溜まった場所で見つけた。 観察すると頂孔の周辺にリングが有る。これは円座と呼ばれている。 この有無で種を特定した(10月4日に確認)。 ツチグリの仲間にはいくつか種類があり、 エリマキツチグリは、老成するにつれ「実」の周りにえりまきが出来る。 後日、10日に見に行ったが周辺は、落ち葉しかなく全部が持ち去られたか?? 観察者も居るって言いたい。せめて1株でもあったらと悔やまれる。 分類的にこのエリマキツチグリはツチグリ科ではなく、 フクロツチガキを含むヒメツチグリ科に属する。 ※ ※ ※ ※ ※ 「大和市泉の森2016/10/04」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ クロヤツシロラン(黒八代蘭) ラン科(Orchidaceaeオニノヤガラ属) 10月2日、泉の森を散策していて、クロヤツシロランの花を漸く見つけた。 林床と同色系で遠目だと地味なキノコの様に見える。 花・正面から撮るのは、足場が悪く骨が折れる。 菌従属栄養植物、いわゆる腐生ランでまったく葉緑素を待たない。 竹、杉、常緑広葉樹の純林やこれらの混成林の湿気ある場所を好む。 地上の茎は高さ3cm以下、上部に1~8個の花をロゼット状につけ花は平開する。 果実期になると花柄が急速に伸び、高さが40cm程になるものもある由。 花期は、 9~10月だが開花期間が短いと見え機会を逸しやすい。 ハルザキヤツシロラン,アキザキヤツシロラン及びクロヤツシロランと種類がある。 1981年に、澤完氏(高知大学)により新種として発表された。 それ以前は、アキザキヤツシロランと区別されていなかったようである。 1991年発行の「野生ラン」には、 「神奈川県と高知県のスギとモウソウチクの混生林下に生えているのが確かめられている」とあるが、 今は、九州、四国、本州の各所で自生が確認され、分布域はアキザキヤツシロランを超えた!! 昨年の11月に偶然、20cm近い柄の果実を数本見つけた(泉の森)。 今年の9月から花が地上に現れるのを度々探しに行ったが、漸く花を確認できた。 花は、地表すれすれ落ち葉にくっつくほど背丈であった。 タネを広く遠くへ運んでもらうべく、結実すると花柄の部分が伸びる。。。自然界の妙だ。 今年の泉の森探訪でかなりの広範囲に生育していることを検証できたこと、驚きであった。 アキザキヤツシロランとクロヤツシロランの見分け方; クロヤツシロランとアキザキヤツシロランは花の咲く時期は同じ。 アキザキヤツシロランは竹林以外ではあまり見られないらしい!! クロヤツシロランの自生地は常緑広葉樹林、杉林などのほか竹林にも生えて、 アキザキヤツシロランと隣り合わせに花を咲かせていることもあると聞く。 1980年に新種として黒八代蘭が発表される迄は、両者は同じ種として扱われていた。 しかし、咲いた花を見れば簡単に見分けができる由。 黒八代蘭は殆ど平開に近い状態になる、が秋咲き八代蘭は筒状のままで平開しない。 色は、ク黒八代蘭は赤みがあり、秋咲き八代蘭には緑が入っているように見える。 決め手は、クロヤツシロランの唇弁には毛があり、肉眼でもよくよく見ればわかる。 アキザキヤツシロランにはこの毛はない。ヤツシロラン類は全て背が低く花の色も地味、 地表の色に溶け込んで、見つけるのは大変である。 結実すると花柄(花茎ではない)がぐんぐん伸びる。それ故、昨年は見つけられた。 アキザキヤツシロランとクロヤツシロランは、果実期でも違いが在ると聞いた。 果実を付けている時期の両者の違いは、第一に果実の色。 クロヤツシロランの果実は、黒っぽく見える(赤黒い)か、栗色系。 アキザキヤツシロランの方はこれに比べると白っぽく、鼠色に近いように見える。 花茎部分にしてもクロヤツシロランは花柄の出る箇所の間隔が狭いが、 アキザキヤツシロランは、この間隔が広い。しかし、個体差があり中々見極められない。 四国には、このほかにハルザキヤツシロランがある由。これは春咲き(5月中旬)。 これらの八代蘭に来るポリネータ(送粉者)は、花色ではなく臭いに惹きつけられて来る。 受粉がうまくいって受精すると、花柄が急速に伸び始めるが、花被は溶けるようになくなる。 我が両親が、里山に移植した植物や資料を検証すべく歩いている。 だが場所が移動したりして探すのが難しい。 おまけに今では、散策路が決められており目的地に行きづらい。 今年は、花を見つけることが出来た。更には周辺に広がっているのも確認できた。 クロヤツシロランは腐生植物、葉緑素をもたず、腐植質の豊富な場所に生きている。 どんな菌類とどの程度の共生あるいは寄生関係にあるかは分からないが、 葉緑素をもたない以上、菌類が分解した有機物に頼った生活をしているのは確かだ。 林の奥深いところには、色々な植物が生育してると確認できた至福の時であった。 ※ ※ ※ ※ ※ 「大和市泉の森2016/10/02&/4」
日陰の湿ったところに生え、高さ60cmほどになる多年草。 葉は互生、長さ10㎝前後。葉形が左右非相称(いびつ)で先尖り、基部は心形、縁に鋸歯がある。 茎頂の長い枝分かれした花茎の先に白色~淡紅色の花をやや垂れ下がってつける。雌雄同株。 花は幅が約2.5㎝。雄花は小花梗(小花柄)が長さ0.8~2.2㎝、花被片4個。 外花被片2個は大きく内花被片2個は小さい。黄色の雄蕊が多数、下部で合着し、球状につく。 雌花は小花梗が長さ2.5~5㎝、花被片3個。外花被片2個は長さ約1.2㎝、幅約1.2㎝。 内花被片は長さ約8㎜、幅約6㎜。花柱は下部で合着又は離生し下部に三角状の翼をつけた子房がある。 果実(蒴果)は下垂し惰円形で3翼がある。花後、葉腋にむかご(珠芽)をつけ茎が枯れる頃落ちる。 地下茎(球根)を持ち冬は地上部が枯れ、地下茎は毎年新たな塊茎をつくり、そこから茎を直立させる。 太く、多くの水分を含む茎は上方で分枝し、節は紅色をおびる。 ベゴニア属でベゴニアの中では、日本で屋外で生育する唯一の種。 繊細な雰囲気を漂わせ楚々とした姿が和風庭園に似合い、茶人や俳人に親しまれてきた。 古くには、泣きぬれた美女の形容に用いられていたが、かよわそうな花に似合わず丈夫。 一度植えると次々に株が殖え、ほとんど手がかからず耐寒性もあり半野生化している。 和名の由来は花がカイドウに似て、秋咲くことから。江戸時代に園芸用に中国から渡来した。 春に花が咲く庭木のカイドウ(ハナカイドウ)とは別種。 また花の垂れさがる様をヨウラク(仏像の首飾り)に例えて、別名「ヨウラクソウ(瓔珞草)」と呼ぶ。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ シュウカイドウ(秋海棠)が庭の片隅には咲いていたが、良い位置で撮れなかった。 単なるいい訳だが、足を置くだけで微妙に変化!!表土は大切だ。 この花は、江戸時代初期に日本に到来し、園芸用として栽培されてきた。 貝原益軒の大和本草に「寛永年中、中華より初て長崎に来る。花の色カイドウ(海棠)に似たり」とある。 葉柄のつけ根は赤みを帯び、妖艶な色合いだ。葉は左右が不均衡で卵状心臓形が面白い。 雌花と雄花が別々な雌雄異花で雄花は茎頂部につき、花弁が開き黄色い球状に集まる雄蕊が目立つ。 小さな花びらが2枚と大きな花弁のように見えるのは萼で2枚からできている。 雌花には花弁はなく大きな萼の2枚が僅かに開く。雌花は、栽培が難しいとある??も目立たない。 観察していると時間の立つのを忘れるほどに面白い花。 明治~昭和にかけての小説家、随筆家の永井荷風の日記「断腸亭日乗」 「断腸亭」とは、荷風37歳の時に牛込区余丁町の邸内に一室を新築し、秋海棠を植えた事による由。 「採蘭雑誌」(中国)に描かれている「断腸花」に由来してると思える(内容は略)。 俳句に、「秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり」 松尾 芭蕉が詠んでいる。 小さな花だが、群落を観ると圧巻である。目の前の花で、かつて歩いた山道を思い起こす。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「大和市・居所&筑波山麓」