“季節の花・寒木瓜”《襍感・/・点描‘17-07》

カンボケ(寒木瓜) バラ科(Rosaceae)
学名:Chaenomeles speciosa
別名:ヒボケ(緋木瓜)
白花木瓜も見応えがある。
美しい物には、棘がある!?!

花の少ないこの季節、生け垣に見る赤・白の花は、通行人に安らぎを与えてくれる。
ボケは、沢山の園芸品種があるし秋には香りのいい実をつけ、楽しませてもくれる。
椿や早咲桜の影に隠れがちだが、バラ属の特徴を持った可愛い花である。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
カンボケ(寒木瓜)
花が秋から冬に咲くことから「寒木瓜」の名が付くが、
春になるとさらに咲く花が増え、葉も出揃う。
新宿御苑ではヒボケ(緋木瓜)の名前が用いられている。
緋色とは「炎のような色」という意味で、英語ではスカーレットか。
ツバキ程ではないが、2~30本の雄蕊が束になるし、花もツバキより小さい。
黄色く熟したボケの実は、ジャムや果実酒になるらしい。
江戸時代より多くの園芸種が作り出され、現在では200種を超えるという。
漢字で「木瓜」と書く様に実が瓜に似てる。それ故に木瓜(もっけ)が訛って「ぼけ」。
ボケ(木瓜)の花言葉に『妖精の輝き』とあるが由來は不明。
日当たり・水はけ・水もちのよい場所を好むといわれるが、日陰でもしっかりと花をつける。
育てるに容易だが、病害虫の被害にあうことが多いが、葉が枯れても株自体は枯れない。
我が家では、樹形が暴れやすい・トゲが鋭い等で、裏庭の垣根として鎮座している。
薔薇に比べ和風な雰囲気があって好きな花だ。
※  ※  ※  ※

国際情勢を傍観していると、自国ファースト、自分ファーストが目につく。
「和」の精神。日本のあるべき姿と言えようか。
我が国の立ち位置として相手を思い遣った対応・対処は何かを模索したい。
だが、余りにも「自国ファースト、自分ファースト」が強く議論が咬み合わない。
妥協ではなく、真摯な議論の積み重ねが必要と痛感する。
ここ数週間に出会った異国人との個人レベルでもこうだ。
ましてや国と国、国際複数国家間での議論は、複雑と推察する。
一庶民・国民として時の動向を冷静に観ている必要は、あるだろう。
今の時代、報道機関のあり方は、各社の主張であって、客観的事実報道ではない。
幸い、全世界の様々な報道が、ネットを介して見ることができる。
それを見て、分析・判断するのは、個々人だ。表層面だけ見ての右往左往は、やめよう。
世界情勢は、刻一刻と変化している。それをしっかりと見極めねば、、大変な時代って思う。

「2月15日/鎌倉材木座」

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“節分・立春”《襍感・/・点描‘17-06》

サクラソウ(桜草) サクラソウ科(Primulaceae)
学名:Primura sieboldii E.Morr.
別名: ニホンサクラソウ(日本桜草)
紅白しぼり??(園芸種)

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
 節分(せつぶん)二月三日は、立春の前の日を表す言葉。
立春・立夏・立秋・立冬の前の日のことを指す。
旧暦では立春の頃が一年の始めとされ、最も重要視されていた。
(旧暦の元日は立春の頃で、立春の日とは限らない。)
立春を新年とすると、節分は大晦日にあたる。
それ故か、節分のことを「年越し」という地方が在る由。
又、節分に行われる豆まきは、宮中行事の追儺(ついな)と
寺社が邪気を祓うために節分に行う豆打ちの儀式が合わさったものらしい。
豆まきの時「鬼は外。福は内」と唱えるのが一般的か!!
観音様の前に鬼はいないということから「千秋万歳福は内(せんしゅうばんざいふくはうち)」、
とか、「鬼は外」と唱えない寺・神社・地域がある。
豆まき、炒った豆を神棚にお供えした後、その豆を年男が「鬼は外、福は内」と大声で唱え撒く。
家庭では、一家の主がまき、災いを追い払う。
蒔き終わったら、そのまいた豆を年の数(または年の数+1)だけ食べ、1年の無病息災を願う。
追儺(ついな);
文武天皇の頃に中国から伝えられたといわれている宮中行事。
弓矢などで悪鬼・疫癘(えきれい)などを追い払う行事のことで、
平安時代は、陰陽師たちにより宮中において大晦日に行われていた。
江戸時代になって「豆まき」として庶民に広まった。
そして、立春(りっしゅん)・・・はるの気たつをもってなり
立春は、2月4日頃。および雨水までの期間。
旧暦ではこの日が、1年の始めとされており、決まり事や季節の節目はこの日が起点となる。
八十八夜、二百十日、二百二十日も立春から数える。
冬至と春分の真ん中で、まだまだ寒いが、暦の上では旧冬と新春の境い目でこの日から春になる。
梅の花が咲き始め、徐々に暖かくなり、春の始まりとなる。
立春の早朝、禅寺では、入口に「立春大吉」と書いた紙札を貼る習慣がある。
厄除けとして、家の鬼門にこの紙札を貼ることもあった。
「寒中見舞い」は立春の前日まで。以降は「余寒見舞い」(2月下旬頃まで)と称している。
「立春大吉」の文字が左右対称で縁起が良く、一年間災難にあわないといわれている。
年によっては、旧暦の正月の前に立春を迎えることがあり、これを年内立春といい、
立春が旧暦の正月(旧正月)以降に来る場合は新年立春という。
旧暦の元日=立春の日ではない。

こんな季節、節目の頃に顔を見せる花、サクラソウ(桜草)。
別名をニホンサクラソウ(日本桜草)という。
花弁5枚が一般的、花の色、形がサクラに似る多年草。
家庭で良く見るのは、プリムラという園芸種のセイヨウサクラソウ。
サクラソウは、日本各地に自生していた野草。
だが園芸品種が多く、日本固有の園芸品種もある。
全体に白色の軟毛が多い。葉は根生し、惰円形でしわが多い。
葉縁は浅く切れ込み、長い葉柄がある。
花は淡紅色、花冠は基部が細い筒形、先が深く5裂して平開しさらに先が2裂する。
雄しべが長いもの、短いものの2タイプある。
花期は、4~5月が一般的だが野草は2がつころから咲き始める。
日本では四国を除く各地に自生が見られるようだ。
土地開発等で絶滅危惧Ⅱ類(VU)、東京では絶滅、埼玉県では絶滅危惧ⅠA類(CR)。
埼玉県ないの荒川河川敷(田島が原)の大群落は、国の天然記念物に指定されている。
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“梅~写真展”《襍感・/・点描‘17-05》

植物名:ウメ(梅)  バラ科(Rosaceae)
学名:Prunus mume Sieb. & Zucc.
[[]]

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
身辺を歩いていてあちこちで見かけるようになった梅の花。
ウメ(梅)は、落葉小高木だが高さ10mにもなるものもある。
幹は黒っぽく裂け目があり樹皮は硬い。野生品種が九州にあるとか。
奈良時代以前に中国文化渡来とともにやってきた樹とされている。
1214(健保2)年、栄西禅師が『喫茶養生記』で茶の効能を説いている。
梅を用いた表現にも趣ある言葉が!!

塩梅(あんばい)、酸味と塩味で料理の味を引き立てるという意味合い。
料理用語で使われていたのが、最近は政治用語等で使われてもいる。
とても具合のよいことを「いい塩梅」と言っている。

梅木学問!! 梅の木は、成長は早いが、大木にはならない。
にわか仕込みで不確実な学問のことを指す表現だ。

梅は百花の魁(さきがけ);
年の初め梅があらゆる花の先頭を切って咲き、春を告げること。

梅田椎麦(うめだしいむぎ);
ウメの実の多い年はイネが豊作で、シイの実の多い年はムギが豊作。
梅田枇杷麦(うめだびわむぎ)
ウメの実の多い年はイネが豊作で、ビワの実の多い年はムギが豊作。
*  *  *  *  *
こんな事を思い浮かべて公園で梅の花を眺めていた。
昨今、公園等で三脚に超望遠レンズを付けた方々を良く見かける。
鳥を狙っているようだが、この光景、スポーツ写真現場に似ている。
デジカメ技術の進歩は、目覚ましい。お陰でこんな光景も見れるのか??
公園のベンチでお弁当を広げ少し先のカメラマン集団を眺めていると、
被写体を待っているのだろう、雑談に花がさいているように観えた。

昔、花の写真(野や山岳)を撮っておられたプロに同行させて頂けた。
更には、社寺、とりわけ仏像写真を撮っておられた方の撮影現場も見た。
お二方ともに、構図を決めると、一瞬を待っている。
微動だにせず、凝視していた。その形相たるや!!
あまりの凄さ・迫力に後ずさりしたのを覚えている。

先般、箱根の彫刻の森美術館で彫刻群を撮った“篠山紀信”さん。
そのインタビュー記事を読んだ。
『昔、土門拳さんに「篠山君、仏像は走っているんだよ!」と言われたことがある。
「パァーッと追いかけてつかまえるんだよ」と。
何なのかなぁと初めは思ったけど、確かにそうなんですよ。
仏像が・・・お堂の前に敷き詰めた白石に光が反射して仏像の顔に当たる。
雲がふっと陰れば仏像の顔も陰る。一瞬一瞬よく見たら止まっているものなんてないんです。』

箱根かぁ~~~!見てみたいって思った。土門拳師のお姿が眼前に迫ってくる。
記事を読んでいて、エロチシズムを追求していた“鬼才・篠山紀信”の展覧会がみたくなった。
箱根・・・一寸遠い、って思ったら横浜で展覧会が開催中、観に出かけた。
先のインタビュー記事に、こんな文面も!!
「美術館の敷地内にはたくさんの彫刻があるけれど、
今回は自分がエロスを感じた作品のみを撮り下ろした。
それにしても、彫刻ならオッパイや性器が見えていてもいいわけでしょ。
芸術だから。怪しいよね、芸術って。」
こんな言葉を頭に入れて、横浜の展覧会を訪れてみると。。。!
迫力は、あった。華麗でもあったが、全くエロさ!?!がなかった。
集大成なんだろうが、鬼才的なものも展示して欲しかった。
やっぱり、箱根に行かねば・・・!

昭和時代の代表的写真家、木村伊兵衛・土門拳。未だに斬新に映る。
そして、世界に冠たる米国の写真家“ウィリアム・ユージン・スミス”。
木村伊兵衛は浅い被写界深度でソフトに撮る。ポートレートの名手。
愛用の「ライカ」、「ライカの神様」と謳われていた。
一方の土門拳は、深い被写界深度で鮮明に映し出す手法を得意とした。
作品集「古寺巡礼」は、その極地。
木村伊兵衛の人物写真、静物を躍動感あふれる姿で魅せた土門拳。
そしてもう一方、フォトエッセイ的に、更には報道写真的に!!
水俣病を撮り続け世に知らしめた凄い写真家、W・ユージン・スミス。
(以上敬称略)
これらお三方、皆、報道写真家でもあった。

没個性的で、今の写真家の写真展を見なくなったが、箱根には行かねば!!
写真展を拝し、隠れ家的山のコーヒー屋さんでお茶しに行くか^^)。
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“豪快に映る花・藪椿”《襍観・/・点描‘17-04》

ヤブツバキ(藪椿) ツバキ科(Theaceae)
学名:Camellia japonica L. var. japonica
別名:ヤマツバキ(山椿)、ツバキ(椿)


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ヤブツバキは、花芽がいい。この花芽は、「かが」とも呼ばれ蕾になる前の状態。
野生種をヤブツバキと呼び、これから改良された園芸種をツバキと呼び区別する。
海岸近くに多いが内陸でも見かける。又、数は少ないが白花も在り白藪椿と呼ばれる。
日本海側に育つユキツバキも、日本のツバキの原種の一つ。
ツバキ名の由來は、葉が厚いとか艶があることで「厚葉木」「艶葉木」が訛ったとある。
高さ約5m程の常緑高木で離弁花、赤色の花をつける。
花に鳥達が蜜を求めてやって来る。葉は厚く光沢があり、縁に小さな鋸歯がある。
花は一番乾燥した頃に開くため、葉が厚くツヤツヤしている。
果実が厚い皮に覆われ固い、種子も固い種皮で覆われていること等は、乾燥に耐える工夫。
日本固有種で野生種は、本州・四国・九州・沖縄、冬に乾燥する地域でよく見られる。
種子を絞ってツバキ油を採ったり、観賞木とされてきた。
藪に生え、葉につやがあることから「艶葉木」に由来するとか。
花は11月末頃から見られるが、開花が盛んになるのは1月末頃から。
花は直径5~7cmの5弁花。雄しべは多数で花糸が中間部で合着して筒状になる。
雄しべの基部は花弁と合着、花も筒状で離弁花であっても合弁花のように咲いたままの形で落ちる。
花の蜜が多く花筒の底に蜜がたまる。子供の頃、花を取って吸った思い出がある。
サザンカの花は花弁が平開し、雄しべの基部だけが合着し、筒状にならない。
それ故、花後に花弁がバラバラに落ち、雄しべがあとから落ちる。
日本では、縄文時代から生活材として用いられており鳥浜貝塚で石斧の柄や櫛が出土している。
『万葉集』巻12/3101には、
紫は 灰指す物ぞ 海石榴市(つばいち)の 八十(やそ)の街(ちまた)に あひし児(こ)や誰(たれ)
とあり、当時ツバキの灰をムラサキの根で紫色を染めるときの媒染材として用いたことが知られる。 
またツバキは庭にも植えられた。
あしひきの やつお(八峰)のつばき(都婆吉) つらつらに み(見)ともあ(飽)かめや う(植)ゑてけるきみ
(20/4481,大伴家持が大原真人今城の宅に宴して「植えたる椿に属(つ)けて作れり」)
江戸時代には、一般にヤブツバキの栽培が広がり、多くの観賞用品種が作られた。
安楽庵策伝『百椿集』(1630)には100、伊藤伊兵衛『花壇地錦抄』(1695)には229、
『椿花図譜』(元禄(1688-1704)年間)には600以上の、品種が載る。
 
*  *  *  *  * 
「大寒」の頃、落ちたやぶ椿の花弁を縁側にかざって、お汁粉を食べるのが楽しみだった。
昭和30年代、火鉢や堀炬燵で暖を取るのが普通のことだった。
炭火を遊ばせる事なく、時間をかけてコトコト煮物をする。それが晩ご飯のご馳走に。
又、小豆を煮て、鏡割りの残り餅を焼いて作った汁粉がおやつでもあった。
親子の会話;
乾燥豆は種類によって煮方が違うと教えられた。
白餡の原料白インゲンや大豆、えんどう豆は水につけ十分に吸水させてから本格的に煮る。
が、小豆や大角豆、大正金時やとら豆、うずら豆は、下煮するだけで柔らかくなる、と。
でも小豆が柔らかく煮えるまでは30~40分はかかる。火鉢を囲んでの会話を持ったものだ。
我が母の郷里は北海道(函館)、戦後の昭和20年代から豆類・芋類が、親戚より届いた。
母の話によれば、自家の畑で採れた豆の中から種子用豆を選ぶのが冬の間の大切な仕事だったとか。
豆類の栽培歴史は古く永禄5年(1562)頃には函館・旧渡島国で五穀栽培の記録がある由。
渡島国の松前藩は、その頃すでにアイヌ交易を行なっていた由。
アイヌの人達にとっては迷惑なことだったとも聞いたことがある(伯父は郷土史家)。
開拓とは、原住民との間で軋轢もあった、と感慨をもつ。
アイヌの人たちが守り伝えてきた豊かな大地をもっと大切にすべきと、脳裏をよぎる。

「鎌倉市稲村ヶ崎2017/1/19」
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“野の小花・蚤の衾”《襍観・/・点描‘17-03》

ノミノフスマ(蚤の衾) ナデシコ科(Caryophyllaceae)
学名:Stellaria alsine Grimm var. undulata (Thunb.) Ohwi
英名:bog chickweed, bog st

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
この時期、野山で花と出会えない。が小さな花が咲き始めてきた。
ノミノフスマ(蚤の衾);
ハコベと同属の野草でそっくりだが花も葉もずっと小さい。
公園等に極普通に観られるが小さいこともあり、目に留まらない。
フスマ(衾)とは布団のことで、この小さな葉を蚤の掛け布団に見立てた名前。
ノミノツヅリと名前も花も似るが、ノミノフスマの花びらは2つに分かれない。
茎は細く、無毛、紫色を帯び、株立ちする。全体に無毛。
葉は対生、粉白色を帯び無毛、無柄。花序の苞は葉より小さく、膜質。
花は直径5~12mm(実測の花)。花弁は白色、5個の花弁が基部まで裂け10個の花弁に見える。
雄しべ5~7個。萼片は縁が狭い膜状で先が鋭く尖る。
普通、花弁より明らかに短く、特に花が大きい場合は差が大きくなる。
花が小さい場合は萼片の長さが花弁よりやや長くなることもある。
ミドリハコベ、コハコベ、ウシハコベは茎や萼片などに毛があり、下部の葉に柄がある。
小さくてよく似たノミノツヅリは短毛が生え、花弁が5個で裂けない。

今年は、早々と花を見せてくれた。例年2月に入って花を見せるのだが!!

「神奈川県大和市・泉の森2017/1/15」
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“温室の花”《襍観・/・点描‘17-02》

ウナヅキヒメフヨウ(頷き姫芙蓉) アオイ科(Malvaceae)
学名:Malvaviscus arboreus var. mexicanus Schlechtend.
別名:タイリンヒメフヨウ、タイワンヒメフヨウ、スリーピングハイビスカス
ウナヅキヒメフヨウ(頷き姫芙蓉)・・拡大画像。


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ウナヅキヒメフヨウ(頷き姫芙蓉);
熱帯アメリカ原産で日本では九州南部~沖縄に自然植生している低木。
この季節野外では中々花に出会わないが、温室ではいろいろな花が顔をみせる。
花弁は、5枚だがこれ以上花びらは開かず閉じたままである。
外に突き出した雄蕊、花弁に隠れて見えない雌しべは、雄しべのすぐ下にある。
同属のヒメフヨウ は、花が上向きに咲くが、
この花は、蕾の時は上向き、徐々に下向きになることからウナヅキ(頷き)と名付けられた。

「神奈川県立フラワーセンター大船植物園」
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“枯れ葉!?! 寒期に見せる黄色い花”《襍観・/・点描‘16-83》

ハウチワカエデ(葉団扇楓) カエデ科(Aceraceae)
学名:Acer japonicum
別名:メイゲツカエデ

「藤沢市長久保公園2016・12・04」
イソギク(磯菊) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Chrysanthemum pacificum Nakai
Dendranthema pacificum (Nakai) Kitam.
英名:pacific chrysanthemum , gold-and-silver chrysanthemum

「大磯町城山公園2016/12/24]


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ハウチワカエデ(葉団扇楓)
若葉が開くと、葉の形、大きさからハウチワカエデの花であることがわかる
緑から黄色、黄色から赤へと変わるカエデ類の最も美しい時期。
モミジとカエデの仲間の中では最も葉が大きい。
同じ種類でも気候条件、地理的条件などにより、紅葉になったり黄葉になったりする。
葉の形が、天狗の羽団扇に似ているためについた木名。
丹沢には、各所で自生している。
葉は対生し径7~12cmで掌状に9~11裂。裂片は卵形で尖鋭頭、縁には重鋸歯がある。

イソギク(磯菊)
イソギクは、黒潮の影響を受ける房総半島から御前崎の海岸に自生する。
海岸に育つハマギクやアシズリノジギクは、普通の花弁、対しこちらは非常に小さい花弁。
強風の吹き荒れる海岸の断崖や砂地でも丈夫に育ち、花を咲かせる。
拡大で見ると、小さな5枚の花弁のような管状花、花の集まりであることが分る。
愛知県でも渥美半島に少数自生する。
シオギク(シオカゼギク、マメシオギク) Chrysanthemum shiwogiku Kitam. はイソギク似。
四国の海岸の崖地に自生する日本固有種。やや大型、葉の切れこみが少なく頭花も少なく花柄が長い。
キノクニシオギク(Chrysanthemum kinokuniense) H.Ohashi et Yonek.は紀伊半島に分布。
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“赤い実&面白い木の葉”《襍観・/・点描‘16-82》

タラヨウ(多羅葉) モチノキ科(Aquifoliaceae)
学名:Ilex latifolia
別名:モンツキシバ、エカキシバ、ハガキノキ


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
タラヨウ(多羅葉)、静岡県以西の山地に自生している常緑樹。
特に葉の裏に文字を書くと痕が黒くなる。
紙が発明される前のインドでは、タラジュ(多羅樹)とかバイタラジュ(貝多羅樹)
と呼ばれるヤシの葉に経典を書いていた事に模して付いた名前なる説がある。
モチノキ科は、クロガネモチ、ウメモドキ、ヒイラギモチ、アメリカヒイラギ等、
冬に実を付けるものが多い。タラヨウは、雌雄異株なので実を付けるのは雌株のみ。
5月頃に目立たない花を付けるが、秋の実は、赤く美しい。
常緑高木で樹幹が立ち、樹形も綺麗。互生葉であり葉表は光沢がある。
この樹木、「はがきの木」と称される様に葉の裏に文字をなぞると字が浮かび上がる。
これは、外性酸化酵素によりタンニンが酸化して黒褐色になるのだとか。
又、寺境内に多く植栽されてるは、葉に経文を書いたとされる南方産のヤシ科植物、
「タラヨウ」多羅葉(ウチワヤシ・パルミラヤシ) Borassus flabellifer に擬えての事。
モンツキシバ・エカキシバ・ハガキノキの名も同じ理由か。
モチノキ属の大方の種から黐(もち)が採れるが、モチノキから採るものを本黐、
タラヨウ・イヌツゲから採るものを青黐と呼んで区別する。
タラヨウの葉は、木から取り外しても萎れたり腐ったりしないし乾燥しても形が崩れない。
つけられた紋様は、消えづ情報保存できる、故に色々な名称が付いている。
タラヨウのハガキノキという別名に因み、平成9年(1997)「郵便局の木」に指定された。
中央郵便局(東京駅丸の内南口前)の玄関脇に植えられている。
自然植生は、山地の林内で、本州(静岡県以西)、四国、九州に時世している。
高さ7-10m位が普通一般的だが大きいものは20mにもなる。
※  ※  ※  ※


「神奈川県立相模原公園2016/12/04」

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“初冬に咲く紫陽花”《襍観・/・点描‘16-80》

ヨウラクタマアジサイ(瓔珞玉紫陽花。ラセイタタマアジサイ系)
学名:Hydrangea involucrata v. multiplex(nakai)


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
定点観察をしているヨウラクタマアジサイ(瓔珞玉紫陽花)。
今年もひっそりと花を見せてくれた。
咲き始めは白っぽい花弁らしいが、其の状態にでく逢わせていない。
眺めていると、密穂状の花序、見事だ。
其れにもまして見事なのは、葉の大きさ、長さ30センチはある。
花弁が垂れ下がってくる花期の後半、其れを守っているような葉。
ライムグリーンの花弁と葉のバランスがとても良い。
※  ※  ※  ※  ※


「神奈川県立相模原公園2016/12/04」

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“WG-4路傍の花”《襍観・/・点描‘16-76》

カシワバハグマ(柏葉白熊) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Pertya robusta (Maxim.) Beauv.
ヒサカキ(姫榊) モッコク、又はサカキ科(Pentaphylacaceae)
学名:Eurya japonica Thunb
タムラソウ(田村草) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Serratula coronata L. subsp. insularis (Iljin) Kitam.
Serratula coronata L. var. insularis (Iljin) Kitam. ex Ohwi
ヤクシソウ(薬師草) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Youngia denticulata (Houtt.) Kitam.
ヤクシソウの綿毛。
終焉間近の状態だが、役目を果たしている強さを感じる。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
カシワバハグマ(柏葉白熊)
柏の葉に似てることで名前が付いた。
ハグマとは仏具の払子の先についている”白熊”(ヤクの尾の毛)のこと。
在来種(日本固有種)で山地の木陰等に自生、本州、四国、九州に見られる。
茎高30~70cm。茎は分枝せず、葉は卵状長楕円形で縁に粗い鋸歯がある。
10月前後、茎上部に白い10個程の筒状花を咲かせ花冠の先端が反り返る。

ヒサカキ(姫榊)
神事で使われるサカキの小型種でヒサカキ(姫榊)と呼ばれている。
晩秋に黒い実を付ける。在来種の常緑小高木。
壷型でクリーム色の花を下向きに沢山つける。
生垣や植え込みとして利用されるが、神前に供え用いられている。
名前の由来は、「姫さかき」が訛ったと言われている。

タムラソウ(田村草)
アザミの仲間は夏の花が多いが、タムラソウは秋の訪れを告げる花。
茎は直立し、綾(縦線)があり、有毛。アザミに似るが葉に棘がない。
葉は互生し、両面に細かな白毛があり、質はやや薄い。
頭花は紅紫色で上向きに咲き、剛毛状の冠毛をもち斜めに花床につく。
雌蕊の先が2裂しカールしている。総苞は、鐘形で総苞片は瓦状に並ぶ。
痩果は、円柱形で冠毛は淡褐色、ドライフラワーのように残る。
そして綿毛の付いた種が風で飛ばされていく。
(終焉から新たな息吹へと・・・子孫は、脈々と継なる)


ヤクシソウ(薬師草)
紅葉が始まるとめっきり花は少なくなるが、
ヤクシソウは、木々が葉を落とす頃になっても元気に花を咲かせている。
まとまって咲く風情は、野草ではなく造形美に映る。
野草の紅葉、ヤクシソウはまさに赤く紅葉するときくが出会えていない。
紅葉したヤクシソウ、花の咲く時期と紅葉が一緒になるは、更に稀らしい。
野菊と言えば、白や薄紫の花を連想するが薬師草は、黄金の野菊だ。
葉形が薬師如来の光背(後光)に似ているというのが命名の有力説。
日当たりの良い山地のやや乾いたところに多い、無毛の越年草。
茎はよく分枝し、根生葉は花時には普通ない。
葉は互生、倒披針形~倒卵形~バイオリン形で、浅い鋸歯がある。
基部は心形で茎を抱くが、開花時には枯れてしまう。花期は8-11月。
枝の先に多数の花をつけ、頭花は上向き、花後に花柄が曲がり下を向く。
総苞は、下部がはふくれて堅くなる。そう果は、黒褐色。冠毛は、純白色。
ハナヤクシソウ (form. pinnatipartitum)は、 葉が深裂する。
ウスイロヤクシソウ(form. pallescens)は、花が淡黄白色。
※  ※  ※  ※  ※

植物の生態を眺めながら、時世の怪、殺伐とした社会を想う。


「横浜市新治市民の森2016/11/13」

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