《襍木・/・古往今来38》赤い実「百両」

《襍木・/・古往今来38》赤い...

カラタチバナ(唐橘)  サクラソウ科(Primulaceae)
学名:Ardisia crispa (Thunb.) A. DC.
別名: ヒャクリョウ(百両)
自然分布;本州(茨木・新潟)~沖縄、台湾、中国
暖地の日陰・林床に生育、ほぼ直立で余り分枝せず高さ20cm~70cm。
樹皮は茶褐色。葉は互生し、長さ8~20cmの狭卵形~披針形。
先はとがり、ふちには不明瞭な波状の鋸歯がある。鋸歯の間に腺点がある。
表面は鮮緑色で光沢があり葉腋に直径7~8mmの白い花を散形状に10個ほどつける。
花序の柄は長さ4~7cmで斜上する。花冠は5深裂し、萼片はそり返る。
果実は核果で、直径6~7mmの球形。赤く熟す。
冬~春に実を持ち、晩春(初夏)に花を付ける。
大和市周辺では余り見かけない。

古い時代、「タチバナ」や「コウジ」は柑橘類の総称で用いらた。
区別するために「カラタチバナ」となったらしいが、よく分からない。
江戸時代に園芸的価値が高まって金を生む植物(金生樹)と云われた。
同属のヤブコウジは万葉集にも詠まれている。
「あしひきの 山橘の 色に出(い)でて わが恋ひなむを ひとめかたみすな」
源氏物語にも「ヤマタチバナ」の名で現れ。さらに、古今集にも2首ほどで詠われている。
古来は、ヤブコウジ、カラタチバナやマンリョウは明確に区別されておらなかったか??
和名は、楽しく、使われ方も面白い。
冬に赤い果実をつける千両、万両、百両!!
お正月に「千両、万両、有り通し」として金運に恵まれるという縁起物として飾りつけられる。
千両は、センリョウ科センリョウ属のセンリョウ、
万両はヤブコウジ科ヤブコウジ属のマンリョウ、
有り通しは、アカネ科アリドオシ属のアリドオシ(蟻通し)のこと。
アリドオシには一両の別名もある。
ヤブコウジを十両、カラタチバナを百両として、縁起物とされた。
「難を転じる」という意味合いからナンテン(メギ科)も同じように使用されてきた。
江戸期に園芸が盛んであった証だろうが、愉しい。
これ等の熟した果実は生食でき、また、果実酒にもする。

何を以って万両・千両・百両・十両・一両とランクを付けたか・・・興味深い。

  
5月08日誌「大和市泉の森5/04」
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《襍草・/・古往今来37》再会の花!

《襍草・/・古往今来37》再会...

ずいぶんと昔、宮ヶ瀬湖が建設開始された頃、
幸運にも自生の熊谷草を移植出来る機会を持った。
建設する人造湖の湖底になってしまう群落地。
関係官庁に許可をもらい、土壌と共に持ち帰った。
当時、僕は、異国と往復してたことから・・・親に託した。
数年後、狭い庭に沢山増えていき、
友達に株分けしたと聞いていた。あれから数十年も立つ。
母が他界した時、かつての同好の士にさし上げて、
今やわが家には残っていない。
そんな両親の花仲間が、花共々健在な事を知る。
驚くことによく訪れる「農家食堂ご夫妻!!」の知り合いだった。
訪ねて初めてわかったのだが。。。
昔話、両親の思い出話を沢山してくださった。
目の前の花達、ルーツは丹沢山地・煤ヶ谷である。

クマガイソウ(熊谷草) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cypripedium japonicum Thunb. ex Murray
英名:Japanese lady's slipper
別名:ホロカケソウ(母衣掛け草)
自然分布:北海道・本州・四国・九州(大隈半島まで)
絶滅危惧?類 (VU)

クマガイソウ;かつては、身近な都市緑地に普通に見られた。
が、乱獲等でめったにお目に掛かれない。
山地にあっても山野草ブームで次々と自生地から姿を消している(乱獲盗掘)。
環境省版レッドデータリストでは、100年後に絶滅する確率が10%以上あるとされている。

源平合戦の勇者、熊谷次郎直実が背負った母衣(ほろ)が袋状の唇弁に似ているのが名の由来。
同属仲間の アツモリソウは、平家方の平敦盛にちなむ。
大群落、整然としてるやに見える。
花が、何故か同じ方向を向いているは何故??
「らん」のなかでは最も大きな花を咲かせる。

5月07日誌「筑波市5/07」
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《襍草・/・古往今来36》夕化粧

《襍草・/・古往今来36》夕化...


アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧) アカバナ科(Onagraceae)
学名:Oenothera rosea Oenothera

アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。ユウゲショウ(夕化粧)
オシロイバナの通称と混同、区別の為アカバナユウゲショウと呼ぶ。
原産地は、南米から北米南部。温暖な地、世界各国で見られる。
観賞用として明治時代に到来、関東から西で野生化、道端等で見かける。
午後遅くに開花して、艶っぽい花色を持つことが、名の由来とか。
だが、実際に午前中から開花してる。
全体に白色の毛があり、茎は基部でよく分枝する。
根生葉は倒披針形で不規則に浅~中裂。
茎葉は短い柄があり、互生、披針形で波状の鋸歯がある。
茎の上部の葉腋に直径約1.5cmの淡紅色で中心部が黄緑色の4弁花を一つつける。
雌しべの先端は紅色で4裂する。雄しべは8個。
果実はさく果。先の方が太く断面は八角形、熟すと先が4裂する。
種子は淡褐色、無毛、平滑。

アカバナユウゲショウに白花が在ると云われてる。
名前はシロバナユウゲショウ!!とおもいきやアカバナユウゲショウのまま??
探し求めて散策するも、未だ出会えない。突然変移なのか??


5月06日誌「大和市泉の森5/06」
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《襍草・/・古往今来35》踊り子草。

《襍草・/・古往今来35》踊り...


森の林床を観ていると草花が色々な表情を見せてくれる。
前にヒメオドリコソウを見た時、小人の行進のように映ったが、
この踊り子草たちは、其々の家の中でダンスをしてるのか!!
1階・2階・・3階と^^)。
今年は、子供の日(休)が2日続いた!?! 
昨今の子供達は、如何に過ごしているのか「こどもの日」??
「菖蒲湯」に・・・遊び疲れて夕飯前に湯に浸かり・・・。
身体を清めて夕飯を頂いたこどもの頃。
裏山の踊り子草の葉を取ってきて食卓を彩って居たのを思い出す。

オドリコソウ(踊り子草) シソ科(Lamiaceae/Labiatae)
学名:Lamium album var. barbatum
自然植生:北海道~九州の山野・道端。

茎は根もとから群がって直立し、30~50cm。
茎はやわらかく、節に長い毛がある。
葉は対生し葉柄があり、長さ5~10cmの卵状三角形~広卵形で先端はとがる。
葉の表面及び裏面の脈上にまばらに毛があり、縁にあらい鋸歯がある。
網目状の脈が目立つ。花は白色~淡紅紫色の唇形花で、上部の葉腋に密に輪生する。
花冠は長さ3~4cmあり、上唇はかぶと状、ふちに長い毛がある。
下唇は3裂し、中央の裂片は大きく前方に突き出し、2浅裂する。側裂片は小さい。

5月05日誌「大和市泉の森5/03」
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《襍草・/・古往今来34》遊水池の春。

《襍草・/・古往今来34》遊水...


泉の森が公園として整備され、と同時に大雨に対する防備も兼備えた。
泉の森からいづる引地川、其の源泉で第一の治水を行っている。
公園的にある池は、大雨対策の遊水池でも在る。
春らしいのどかな風景。そんな中で小さな花々が水辺を彩っている。

タガラシ(田芥子・田枯らし)  キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名: Ranunculus sceleratus 

タガラシは北半球に広く分布する一年生の草。
ムギ類の栽培にともなって伝来した史前帰化植物。
北海道~九州の水田や溝などに生え、茎は高さ30~60cm。
觀察仔細は、略。
以前は、水はけの悪い山間の湿田などでよく見られた。
が、基盤整備が進み乾田化、又、放棄されたりで、
タガラシが生育する水田はほとんど見られなくなった。
森の遊水池は、富栄養で勢い良く育っている。
かつて、タガラシは収量の少ない水田を指標する植物とされていた。
しかし、タガラシそのものは富栄養から中栄養の環境に適応できる種。
毎年耕される水田において、秋に芽生え春に開花する植物。
「田枯らし」の意味するところは名付けられた時代背景を知る必用がありそうだ。
別漢字の「田芥子(辛子)」は噛むと辛いことが由来??
だが、有毒な植物、古くは、体感しながら調べたのかもしれない!?!
字義からすると「芥子」を「ケシ」ではなく「カラシ」と読むときはカラシナを指す。
ケシはケシ科でカラシナはアブラナ科。何ともややこしい。
植物は、何とも不可思議ないきもの。調べだすと限がないので簡略。


5月04日誌「大和市泉の森5/03」
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《襍草・/・古往今来33》金蘭

《襍草・/・古往今来33》金蘭

今春の森・里山に嬉しい光景が、繰り広げられている。
人の余り通らない、ある場所には驚いた。
がしかし、皆さんが通る小道脇にもとっても多く見受けられた。
日差しの具合を見計らって目的の花園を目指すと、、、!!
そこは、何とも幽玄な世界に思えた。
「きんらん・キンラン・金蘭」
かつては、里山雑木林で極普通に見られたこの可愛い花。
昨今の乱開発で野生自生地が激減している。
そんな不安の中で、今年は驚くほどにあちこちで。
近寄って見ると、全きラン科の形を見せる。
何とも愛らしい。
林の全体像をお見せしたいが、場所を特定できてしまうので!!
アップ画像にする。撮り手が未熟で最良画像をお見せ出来ない。

キンラン(金蘭)   ラン科(Orchidaceae)
学名:Cephalanthera falcata (Thunb. ex Murray) Blume

山や丘陵地の疎林下(日陰)に自生する。花期は5月。
高さは30-70cm。葉は5-8個で互生し、広披針形、長さ8-15cm、幅2-4cm。
葉縁は全縁で基部は茎を抱く。
側花弁は短く、卵形。唇弁の基部は筒状で距となる。
葯室は長く、2個の長楕円形の花粉塊を入れる。
花は晴天の時に開き、曇りや雨の日は閉じてしまうらしい。
自然分布;本州・四国・九州/朝鮮・中国に分布。
絶滅危惧ランク:絶滅危惧Ⅱ類 (VU)

5月03日誌「大和市泉の森5/03」
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《襍木・/・古往今来32》半鐘蔓。

《襍木・/・古往今来32》半鐘...

ハンショウヅル(半鐘蔓) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Clematis japonica Thunb
つる性低木;本州~九州の山地に生える。茎は暗紫色を帯、葉は3出複葉で対生。
小葉は倒卵形で長さ4~9cmで3~5脈がはっきりし、上部にあらい鋸歯がある。
両面に短毛が生え葉腋から6~12cmの長い柄をだし下向きに暗紅紫色の鐘形の花を1個開く。
花柄の中間に小苞が1対ある。花弁はなく萼片は4個で長さ約3cm、
外側に短毛が多く縁に白毛が密生する。花柱は花後伸長し長毛が密生する。
そう果は狭卵形で、羽毛状の花柱が尾状につく。花期は5~6月。

中国、九州地方には、萼の外側に淡褐色の毛が密生する「ケハンショウヅル」
(Clematis japonica var. villosula)が分布する。
同じ仲間のトリガタハンショウヅルは花が黄白色で、花柄が葉柄より短い。
場所(県単位)によっては、レッドリストに指定されてる。

絶滅危惧I類(CRまたはEN) 鹿児島県
重要希少野生生物(Bランク)青森県
準絶滅危惧(NT)  石川県
希少種 奈良県

晩夏のころ、ハンショウズルの果実が見られるが、到底花からは想像もできない姿。
觀察しながら、又、報告したい。

5月02日誌「大和市泉の森4/27」
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《襍樹・/・古往今来31》共存共栄・八手。

《襍樹・/・古往今来31》共存...

森(里山)の中を散策する時、花を見つけるために下ばかり見ている。
欅の大木があっても見上げることなどない。
3月の終わり、春蘭を撮っていた時、声をかけられた。
近所に住まいいる方に由。しばしおしゃべりをしていると・・・!
愉しい樹を教えてくださった。上を見上げると!!!
欅の幹別れしている所に、ヤツデの葉が見えた。
鳥が種を運んだのだろうか!!
この欅が、お天狗さん自体なのかもしれない!?!

自然の営み、植物の健気さ。これ等から元気・活力を頂く(Ⅱ)。
「共存共栄」!!初冬の八手の花は見れるのだろうか。。。!


5月01日誌「大和市泉の森3/29」
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《襍草・/・古往今来30》甘野老。

《襍草・/・古往今来30》甘野...

森(里山)を散策してるとあちこちに地味に咲いてる。
自然の営み、植物の健気さ。これ等から元気・活力を頂く。
アマドコロ(甘野老) クサスギカズラ科(Asparagaceae)
学名:Polygonatum odoratum (Mill.) Druce var. pluriflorum (Miq.) Ohwi
(以前は、ユリ科にぞくしていたが、クサスギカズラ科に変更された)
別名: イズイ(萎ずい)

良く似た花にホウチャクソウ、マルバオウセイ、葉に斑が入るフイリアマドコロ、
花の大きいオオアマドコロ、ワニグチソウ がある。
ナルコユリやオオナルコユリもよく似ている。
ナルコユリは茎が丸いが、アマドコロは、茎が稜角(四角っぽい)。
茎高30-80cm位までなる。葉は互生、長楕円状披針形で長さ5-15cm、幅2~5cm。
両面毛はなく裏面は粉白を帯びる。花は葉脇に1-2個つく。
花筒は白色で長さ15-20mm、先は緑色を帯び、裂片の先端に突起がある。
花糸に細突起がある。液果は径10mmほどの球形で黒紫色に熟す。
自然分布;北海道・本州・四国・九州 (日本固有種)

若い茎はゆででおひたしやマヨネーズ和えとして料理する。根茎に甘味がある。
似た種にホウチャクソウやヒメイズイなどの有毒植物があるので注意を要する。
名前の由来、和名は根茎がトコロ(ヤマノイモ科)に似て、甘味があることから。

4月30日誌「大和市泉の森4/27」
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《襍草・/・古往今来29》笹葉銀蘭!?!

銀蘭に間違いなさそうだが! ひ... 銀蘭に間違いなさそうだが! ひょっとして細葉の笹葉銀蘭??

定点觀察している泉の森に出向いた(4/27)。
目的は、銀蘭を探すこと。
前年、目印を何方かが作っておいてくれたお陰で直ぐに見つかる。
昨年は、枯れかけた茎しか見れなかった。時期が遅かった。
今年は時間的に余裕もあり早くから見に出かけられた。
スッキリと立つ姿、開花には少し早いが確認出来た。
凛々しい姿にちょっと感動!!
開花を予測して数日後に又来ようと、帰宅した。


4月29日誌「大和市泉の森4/27」

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