記事検索

Forest Aesthetics 森林美学 聖水の紋様

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai




聖なる水をふとのぞきこんだとき気づいたのである
これは呑むためのものだけではない
観賞するためのものでもあるのだと
すべてをつなぐもの
その象徴なのだということを





ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 聖なる水

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai



精霊の森からこんこんと湧き出す水が集まり
やがて小さな池を作り,川となって流れ出す

それは聖(ひじり)の水である
この透明感が万物の原初である

拝むようにして両手ですくい,喉を潤すとき
わたしの心に森羅万象を崇める仏が生まれる




ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 精霊の森

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai




この森からわたしたちはいろんな恩恵をさずかっている
もちろん森そのものは決して人のためにあるのではない

だから怖ろしいものもあれば,あやういものもある
と同時に水や食糧,美しいもの,荘厳なものもある

それらをあたりまえのこととして
ただ漫然とたたずむ者の前に精霊は姿を見せない
というより,そういう者の目には絶対に映らない

聖なるものを自身のまなざしのもとに顕現させる
そのためにはそれを視ようとする心が必要である

「神様は信じるものの前だけに現れる」
信仰者たちのこういういいぐさが昔から気に入らなくて
へえ,そうですか,それならば見えなくたって結構です
ぎらぎらした目をしていったいなにをいっていやがると
ずっとそんなふうに思ってきたし,
ある種のものにはいまもそう思っている

だがしかし,この森の前に立ったとき
ここには確かに何かがいるのであると
わたしの心の奥底が,ぶるぶるぶると
小さな痙攣をおこしたのだ

見よう見ようと,来るか来るかと
そんなふうに待ち構えているときではなく
ふっと空白の時間にわれ知らず落ちたとき
精霊の森は,ゆらゆらと立ち上がってくる




ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 鴨の巣

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai



森の沼めぐり
水面から突き出した切株の上で
鴨が卵をじっとあたためていた

濃い青い霧のなかで微動だにせず
置物のようにただじっとしている

孤島に鳥が座っているとわかったとき
思わず息を呑み,手を口にあてていた




ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 巨樹を見上げる

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai



海霧が森に満ちた日の朝
苔むした巨木を見上げた

樹の根元ににじりより
小さなカメラを掲げる

こわい

ああ,この樹には確かに精霊が宿っている
それがわたしを妙に厳粛な気持ちにさせる

ひとは,時にはたったひとりきりで
こうして巨樹を見上げてみるといい

眼には見えない聖なるものへの畏敬
そんなものを体感してみるのもいい





ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 オナガバチの産卵

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai



ふと目を上げると
オナガバチというやつの姿が目に入ってきた
なんという美しいフォルムだろう
大きな朽木の上でアクロバットな格好をして
尾長蜂の名にたがわぬ長い産卵管を自在に曲げては
いくどとなく樹肌に差し込み,産卵している

昆虫にはさほどの関心はもたないのだけれど
じっと見つめていると
その所作がだんだん崇高な行為に思えてくる






ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 ピエロ

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai



森の底に坐っていたら
鼻の黄色いピエロにおどかされた
そういったら,あなたはなんと思うだろうか

林檎毒蛾―リンゴドクガの幼虫

いつみてもためいきの零れるデザインだ
しかも個体により,それぞれ微妙に配色や濃淡が異なるのだ

わたしはまだ,この個体を越える「作品」には出逢っていない

森の底に坐っていたら
鼻と手足の黄色い小さなピエロにおどかされちゃった
そういったら,あなたはなんと思うだろうか





ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 痕跡

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai



これは大きなヤマナメクジの這った痕である

森の底にじっと坐っていると
だんだんこういうものにも目が向くようになってくる

そんなもの,ふつう人はじっくり見たりはしない
丁寧にものを観る,というのはだいじなことである
それが案外できていない 案外とできない

そうでなければヤマナメクジが一流のアーティストなのだということが
かくも世間で理解を得られない,などということはないはずであるから

もっとも,当のナメクジにしてみれば
自分の這った痕が美的であるなどとは
露ほどにも思わぬにちがいあるまいが




ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 森の底の白い珊瑚

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai


森の底で白い珊瑚が蠢いている
粘菌だとか変形菌などと呼ばれている

菌類でもなく
植物でもない
不思議なもの

エダナシツノホコリという名称を持つ
枝の無い,角の埃 の意

わたしならば
モリノソコシロサンゴモドキと名付ける
森の底の白い珊瑚に模したもの、だ

森陰のあちこち
ふつうでは見えざるところで
無数の小さなものどもがひっそりと呼吸している

森は生命の坩堝であるということ
それは美しくもあり,おぞましくもある
崇高でもあり,荘重でもあり,不気味でもある

されどわたしはそのブキミさを愛する





ワオ!と言っているユーザー

Forest Aesthetics 森林美学 森の底の紅い珊瑚

スレッド
               ...                                           © Daisuke Kawai



森の底で紅い珊瑚のようなキノコを見つけた

樹間をぬって差し込んでくる
午後のかすかな斜光を浴びて
頬を紅く染める瞬間が素敵だ

いろいろなかたち,さまざまなありよう
それは途方もない歳月を噛み砕いてきた
進化というものの経過のひとつであるとは
シゼンカガクの説明するところではあるが

やはりこういうものを拵えるのがお好きな
造物主なるものの背中を想わないわけにはいかない

森の底は,奇天烈な美の宝庫である





ワオ!と言っているユーザー

  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ
    現在 8/31 ページ
  1. <<
  2. <
  3. 2
  4. 3
  5. 4
  6. 5
  7. 6
  8. 7
  9. 8
  10. 9
  11. 10
  12. 11
  13. 12
  14. >
  15. >>