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Forest Aesthetics 森林美学 峪間にて

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               ...                                           © Daisuke Kawai


薄暗がりの峪間で白い花と遭遇した
なんという精巧なつくりなのだろう
腕利きの菓子職人が
精魂込めて細工したミルク・クラウンのようである

自然物なのに、なんだかつくりもののように感じるのは
おのれの精神の貧しさゆえか
それとも神の手という匠の技を、深く感得できているがゆえなのか

ため息交じりに凝視する
じっと長い時間見つめていると
やがて糸状に切れ込んだ白く繊細な花弁の一本一本が
触手のようにゆらめきだす
先端が黄色い球形となった腺体までもが
やわらかなリズムをとりはじめる

こうなるともはや花であるとは認識できない
工芸品は、なまめいた深海生物となって蠢きだす

薄暗がりの峪間で遭遇した白い花は
ゆらゆらと森の深海を漂いはじめる





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