まわりには、高いビルが建っている
日差しが強く、まぶしくかった..
昨日、日本大学教授であり、建築家でもあった同僚の埋葬式に参加するため、ニコライ堂へ行ってきた。ちょうど、福岡へ行った先週の金曜日の夕方亡くなった。67歳である。具合が悪そうだったので、少し覚悟はしていたが、急に来たので、やはり、かなりのショックである。ロシア正教会の信者だったらしく、徳島のハリストス正教会も設計している。
ロシア正教会の葬儀には初めて参加した。参列者みなローソクを持って、司祭の福音書の朗読・訓話を聞く。クーポラの中、聖歌が響き渡り、とても、雰囲気のある良い葬儀であった。出棺時、久しぶりに、ニコライ堂の鐘を聴いた。昔に比して、音が悪くなったような気がする。メンテナンスをした方が良いのではないか..
しかし、悲しく、そして、とても疲れた1日であった。
京都、細見美術館へ「琳派のやきもの 乾山」を見てきた。現在、京都は琳派400年記念祭で、あちらこちらでイベントが行われている。尾形乾山は、尾形光琳の弟である。ということで、現在、琳派展XVIIとして、「乾山焼」の展覧会が細見美術館で行われている。
実は、この尾形乾山、日本では初めて、釉下彩を使って陶器を装飾した人物である。言っておくが、磁器ではない。陶器にである。そこで、どんなものか、じっくり見ることが、福岡からの帰り、わざわざ京都に降りたのが最大の目的であった。
やはり、高下度焼成の場合は、釉下彩は青、黒、茶(錆)色だけで、赤、緑、黄色を使う場合は上絵であった。この場合の高下度焼成は、1200℃くらいなのかな。西洋では、たぶん、ストンウェアと呼ばれるものだろう。低下度焼成の場合は、赤や黄色も釉下彩は使われていたようである。まあ、17世紀から18世紀にかけて、陶器とはいえ、すでに、多色の釉下彩を使い、斬新なデザインを創作して、描いていた乾山は、やはり、すごいな!
先日、武蔵野市立吉祥寺美術館で「伊豆の長八」展を見てきた。生誕200年記念の展覧会だそうだ。なんと、入館料100円。安い!
実は、伊豆松崎町にある長八美術館へは、私は大好きなので、できた当時から何回か行っている。でも最後に行ったのは、もう10年くらい前かな。確かうちの学生と研修旅行でいったのかな。もちろん、20世紀末にうちの奥さんとも数回行っている。1985年に開館した後に、出版された建築文化(今はもうない。)の特集号も持っている。建築家は早稲田大学の名誉教授、石山修武さんだが、基本的に、私は大学一年生の時から、アントニオ・ガウディが大好きだったので(大学一年生の時に、横浜で「アントニオ・ガウディ展」が行われていて、それを見に行って以来のファンである。)、そのつながりで、長八美術館が好きになったと思う。もちろん、石山さんの建築に対する考え方も好きで、共感できる。ガウディとどうつながっているかは、調べてください。
話はちょっと、逸れてしまったが、この長八という左官屋さん、ではなくて、鏝絵師、ものすごい超絶技巧。いま、明治の超絶技巧が注目されているが、この人もすごい。あの、つげ義春さんもガロに「長八の宿」を描いている。その中に出てくる富士山もすばらしい。
で、また、話が逸れてしまったが、まあ、とにかく、お勧めである。
なお、この後、常葉美術館、そして、伊豆の長八美術館と巡回するそうだ。見れなかった人は静岡まで行ってください。
昨日、踊りの後に購入した写真集「伝説の大道芸人 ギリヤーク尼ケ崎の手紙 大道芸人と祈りの踊り」です。著者は、手回しオルガン大道芸人で写真家の「紀あさ」さんです。函館、気仙沼、新宿、横浜、京都、神戸の6地点での大道芸の写真が収録されています。まさに、「被災者鎮魂の踊り」です。
今日、ギリヤーク尼ケ崎さんの東京公演を西新宿にある「新宿三井ビル55ひろば」へ見にいった。実は、初めて見た。だいぶ前、テレビで渋谷のハチ公広場で行われた踊りを見て、一度見てみたいと思っていたが、なかなか機会にめぐまれなかった。今年で、85歳だそうだ。80歳から体力が衰えて、5年ほど前から心臓にはペースメーカーが埋め込まれているらしい。なかなか手の震えが止まらない。というわけで、昔テレビで見た迫力ある踊りは見れなかったけど、見てよかった。大道芸人50周年になる3年後、88歳まで頑張るという。すごいな..
今年も11月29日(日)、南房総の千倉でガムランを演奏することが決まりました。2年前に始めたときは、駐車場で路上ライブ、昨年は雨を考えて、貸スタジオで行いました。今年3年目の午後は、認知されてきたのか、お寺の境内で演奏します。晴れるといいですね。曲目は、午前中の産業まつりでルジャンを、午後は、ルジャン、ガボール、バパンスリシール、そして、クビャール・ドゥドゥックを演奏します。ただ、今年はメンバーが1名少なく、助っ人もお願いできる人が今のところ3人しかいなく、ほとんど、クンダン(太鼓)を私一人で演奏しなければならないかもしれません。右腕も古傷で痛いし、はやく、坐骨神経痛治らないかな..
写真は、プレゴンガン用のクンダンです。今年の初め、ヤフオクで送料込3000円で買いました。いま、バリで、こんな値段では買えません。1万円近くはするかな。
今朝の日曜美術館アートシーンの頭で、紹介されていましたね。最後、巡回展の紹介のバックとして映っていたのが、「釉下彩陽刻翡翠鯉文大花瓶」です。見ていない人は、今晩再放送されますので、見てください。この翡翠の部分が、「多色の釉下彩」と紹介されていますが、まあ、イングレイズの可能性は否定できません。香蘭社や深川製磁は、20世紀の初め、イングレイズの作品を結構作っていますからね。なお、この「多色の釉下彩」という言葉は、私が作って流行らした言葉です。やっと、少しずつですが、いろいろなところで使われ始め、浸透してきています。硬質磁器において、この「多色の釉下彩」で絵付けすることが、いかに難しいことかを理解しなければなりません。マイセンやセーヴル、そして、日本の有田、眞葛、西浦なども、19世紀から20世紀初めにかけて、苦労したところです。結局、マイセンは「多色の釉下彩」をあきらめてイングレイズにほとんど移行し、セーヴルは1280℃で焼成する新硬質磁器を開発して、パート・シュル・パートやエナメルなどと1,2色の釉下彩を組み合わせて、アールヌーヴォー磁器をつくりました。
写真は展覧会の図録と論考集です。九州陶磁文化館館長の鈴田由紀夫先生が監修しています。鈴田先生は、昔から日本陶磁器の釉下彩について解説しており、前のロイヤル コペンハーゲンの展覧会のときは、いろいろ参考にさせていただきました。もちろん、今回、鈴田先生も執筆しておりますし、元出光美術館の学芸員で、板谷波山の研究における第一人者である、現在、学習院大学教授の荒川正明さんも執筆しております。
12月から岐阜で始まる「アールヌーヴォー装飾磁器」展の図録原稿をそろそろ執筆しなければならないので、参考資料として両方とも購入しました。今回は「多色の釉下彩」をメインに出してまとめたいと考えています。さあ、そろそろ書き始めないと..
昨日、横浜そごう美術館へ「明治有田超絶の美」展を見に行きました。来年は、有田焼創業400年だそうで、その記念展覧会でもあるようです。まあ、全体的には、上絵が多かったですが、前から一度見たいと思っていた香蘭社の「釉下彩陽刻翡翠鯉文大花瓶」を見ることができました。また、香蘭社は、1875年から1880年の間に、黒と青の釉下彩で鴨を描いた「色絵釉下彩鴨牡丹文大花瓶」を造っていたことがわかりました。まあ、黒と青の2色ですからね。1300℃で焼成する有田焼ならできたのかな。もうひとつ、鍋島家からの注文で香蘭社が作ったサービスセットは1350℃で焼成していたことがわかりました。ということで、硬質磁器というのは本来1400℃前後以上で焼成したものであることをあらためて確認することができました。やはり、コペンハーゲンはすごい。いろいろ勉強になるな...
そして、ついでに、隣の日本橋三越で行われている日本伝統工芸展も見てきました。久しぶりに見にいきましたが、やはり見事な作品ばかりですね。しかし、今回、陶磁器には、これといった釉下彩の作品は見られませんでした....頑張れ、ニッポン!
昨日、三越前まで行って、三井記念美術館で行われている「蔵王権現と修験の秘宝」展を見てきました。吉野金峯山と三佛寺にある平安時代からの仏像、曼荼羅などの国宝や重要文化財がたくさん展示されていました。さっと見て帰る予定でしたが、結局、じっくりと見て、55分もある修験道の映像も見てきてしまいました。いや、すばらしい!
山伏が行う修験道は、日本古来の山岳信仰だと勝手に思っていましたが、実は、山岳信仰に神道、仏教、道教、陰陽道などが習合した日本独自の宗教だったんですね。ということは、バリ島の道教を基本とするゴング・ベリでもほら貝を吹くので、ほら貝を吹く行為は、道教から来たのかな..
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