カイの現代アート第2弾。
今回は植木鉢がちゃんと上を向いています。
噛まれてぼろぼろですが。
深川製磁の彩磁富士山文花瓶です。もう当分買うのは控えようと思っていましたが、買ってしまいました。どうも、富士山には弱いようです。
青磁をバックにして染付と白で富士山が描かれています。なかなか良いですよ。時代は大正から昭和初期というところでしょうか。
今日から、名古屋のミキモトでクリスマス企画
「北欧陶磁器とジャポニズムの融合」展
イヤープレート誕生から現代へ
が開催されています。25日までです。
北欧の作家ごとにクリスマスプレートが展示されているようで、わたしのコレクションからビング&グレンダールのファニガード作「クリスマスローズ文沈香壷」(写真)が1898年のクリスマスプレートと共に展示されています。
最近少しずつですが、コレクションたちが啓蒙活動の一環で我が家から出張していきます。がんばっていますので、名古屋方面の方々、是非覗いてやってください。
今朝、カイが玄関前に作った現代アートです。
毛布の傾き具合と逆さになった植木鉢の位置が絶妙!
何を表現したかったのでしょうか。
今日は、出光美術館に「陶磁の東西交流」展を見に行きました。芙蓉手の大皿に始まり、柿右衛門、そして、元禄を中心とした古伊万里という順番に各窯の写しが比較展示してありました。知人から明治以降のものもあると聞いていましたので、期待して行ったのですが、展示してあるものは18世紀まで。だまされたのかな?それとも、勘違いだったのでしょうか。
まあ、勉強になったから、良しとしましょう。
各窯の柿右衛門手を並べて見ると、素地の違いが良く判りますね。チャルシー窯のものが、いちばん柿右衛門の濁し手に近い印象を受けました。マイセン窯の白はきれい過ぎますね。
疑問に思ったことは、展示されていたセーブルの扁壺と大皿が、どちらもブルーを染付で描いていました。18世紀のセーブルの青は釉上彩でしょう。
本当に18世紀でしょうかね?
カタログを買って見たのですが、セーブルは2つとも裏のマークの写真はありませんでした。ちゃんと載せてもらいたいものです。
P.S. すみません。扁壺のマークはカタログに載っていました。漢字6文字です。また、大皿も1984年に出光で行われた東西交流展のカタログに載っているそうで、漢字4文字だそうです。
ということは、この2つがセーブルだいう根拠はなんでしょうかね?
渋谷駅に降りたので、17日から一般公開になっている岡本太郎の「明日の神話」を見てきました。さすがにでかい。原水爆を題材にしたそうですね。デジカメを持っていなかったので、携帯で撮りました。でも、ガラスも何も無く、警備員だけで大丈夫でしょうか。ちょっと心配です。
最近、人のコレクションばかりHPにアップしていたが、昨日久しぶりに自分のものを2つアップした。 そのうちのひとつロイヤルコペンハーゲンの花瓶である。この花瓶は1892年製のユニカである。
ユニカとは、デンマーク語でunik、ドイツ語でunikat、英語ではuniqueと書き、作家物を意味する。実は、マイセンにしてもセーブルにしても、20世紀に入るまで、磁器作品には作家のサインが入っていない。
磁器作品に作家のサインを一番最初に入れたのは、ロイヤルコペンハーゲンなのである。それも、量産品と区別するために、通し番号と制作年月そして、サインを入れる。これをアーノルドクローが1885年(年号マーク、A)から始めたのである。ただし、本当に1885年からこの3つが入っていたのかは、疑問である。私は、一番早いので1887(年号マーク、C)年の年号マークが入っていた皿を見たことがあるが、通し番号はなく、作家のサインもペインター番号であった。ただ、1889年(年号マーク、E)製の皿には、全て入っていた。
とにかく、量産品に比べて珍しいし、数も少ない。そして、ロイヤルコペンハーゲンがオフィシャルにユニカと認めたのであるから、それなりの作家であり、作品であるが、今回の花瓶の作家のサインはよく判らない。
描かれているのも、おそらくバナナの葉と花だと思うが、葉が小さいような感じもする。絵も、大胆にざくっと描かれており、繊細さがない。
しかし、この花瓶はレアさは、色である。この1892年では、まだ、青以外の色を釉下彩で出すのは難しく、ユニカの作品でも青を使ったものが多い。もちろん、他の色を使ったものがないわけではない。でも、青がほとんどで、一部ピンクが使われているというようなものがほとんどである。
この花瓶で使われている色は、緑と黄色である。それも高さ約35cmと大きい。そのため、良く見ると、ところどころに釉薬が焼けているところがある。色に対しての温度調節が、まだ良くわからなく、試行錯誤していたことがわかる。
昨日、金曜日は西洋美術館が20時までやっていましたので、ヴィルヘルム・ハンマースホイ展を見に行きました。まあ、だいたい思っていた通りでした。
アップした絵「4枚の銅版画のある室内、ストランゲーゼ30番地」のように、18世紀のロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドは、パンチボールのほかに、大皿そして珈琲ポットを描いていました。が、先日アップした「背を向けた若い女性のいる室内」で抱えている大皿は陶磁器ではないかもしれません。他に、金属製の大皿が描かれたものもありましたので。実物を見ても、どちらか判りませんでした。また、ロイヤルコペンハーゲンの釉下彩らしき花瓶や、ホルメゴーらしきガラスの花瓶を描いているものもありました。
あと、ハンマースホイが描いた18世紀ロイヤルコペンハーゲンのパンチボールそのものの写真と、ロイヤルコペンハーゲンが225周年のときに製作したパンチボールが展示されていました。その写真のパンチボールの補修部分が、わたしがデンマークのコレクター宅で見たパンチボールのものとそっくりで、思わず同じものかと思ってしまいました。
ついでにフェルメール展も見てきましたが、展示照明が明るすぎて、あまり感動しませんでした。
昨日、紹介したヨハネス・フェルメール(1632−1675)の「手紙を読む女」である。この絵は、「ドレスデン国立絵画館」が所蔵している。手前に果物を入れている芙蓉手の大皿が描かれている。
ご覧のように、昨日のヴィルヘルム・ハンマースホイとは構図も空間の遠近感も異なる。ただ、両者の写実には、画面に描かれている空間から漂ってくる独特な静寂さがあり、これが非常に似ている。この静寂さは、やはり、現在、渋谷にある東急文化村のミュージアムで行われているアンドリュー・ワイエスの絵にも感じることが出来る。ただし、ワイエスの場合、外の風景が多く、また、アメリカなので、フェルメールやハンマースホイのようなヨーロッパ的な暗さはなく、明るい。
まあ、「ぜんぜんそんな静寂さは感じません。」と言われてしまえば、仕方がない。が、私は非常に感じ、それゆえに、両者の絵は非常に似ていると思うのである。
さて、昨日、私が言いたかったのは、この静寂さではない。
フェルメールが、芙蓉手の大皿を画面に描いたように、ハンマースホイもブルーフルーテッドのパンチボールと大皿(おそらく)を描いたのではないかということである。
逆にいえば、なぜ、ハンマースホイは、ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドを描いたのか。それも18世紀のブルーフルーテッドを。この作品は、1904年に制作されているので、当時、すでに1900年のパリ万国博覧会でグランプリを獲得したロイヤルコペンハーゲンの釉下彩の大壺でもよかったはずだ。また、同じく1900年のパリ万国博覧会で好評を得たビング&グレンダールのエフィーのグロテスクな大花瓶でもいいではないか。あるいは、19世紀末にアーノルドクローが再生産したブルーフルーテッドのパンチボールでも良かったのではないか。
でも、やはり、このアールヌーヴォー全盛期の時代でも、デンマークの生活空間に誇りを持って飾れる陶磁器は、染付けのロイヤルコペンハーゲン製ブルーフルーテッドであり、そして、それは18世紀のものでなければ、いけなかったのであろう。
こういう観点から見ると、フェルメールが描いた芙蓉手の大皿も中国製ではなく、デレフトではないかという気がする。でも、専門家は描かれた皿の薄さや光沢、表現されている質感から、中国の染付け磁器と鑑定している。おそらく、陶器ではなく磁器だということで、中国の青華だと判断しているのであろう。
わたしは、計算高いフェルメールであるから、デレフトと考えてもよいと思うのであるが、当時のオランダは東インド会社を通して、経済的に世界を支配していたことを考えれば、中国の青華でもいいような気もする。
まあ、どうでもいいことですね。
現在、上野の西洋美術館で、ヴィルヘルム・ハンマースホイ展をやっている。12月7日(日)までである。ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864-1916)は、デンマークの有名な画家である。
で、なぜブログにアップしたかというと、新聞の広告で、この「背を向けた若い女性のいる室内」を見たとき、左側に描かれている蓋付陶磁器は18世紀のロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドだと思ったからである。
デンマークに住んでいたとき、18世紀のロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドを集めているコレクターの家に遊びに行ったが、その彼の家にやはり同じものがあった。彼は、これをパンチボールと呼んでいた。
部屋が広いので絵では小さく見えるが、実物は結構大きい。
そして、女性が大皿みたいなものを持っている。実は、このパンチボールには、下に受けとなるお皿がセットである。ちょうど、サイズからして、パンチボールの受け皿だと思うのだが、写真ではよくわからない。本物を見ても、わからないかな...。
このハンマースホイの写実的な絵は、現在やはり上野の東京都美術館で行われているフェルメールに似ているが、フェルメールも一枚、中国の芙蓉手の大皿をさりげなく描いている。もちろん、ちゃんと女性も描いている。
ということで、ハンマースホイは、かなりフェルメールを意識してこの絵を描いたのではないかと思うのであるが、いかがであろう。
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