『聖なるイチジクの種』@<モハマド・ラスロフ>監督
12月
14日
第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した『英題:The Seed of the Sacred Fig』が、邦題『聖なるイチジクの種』として、2025年2月14日より全国にて公開されます。
本作は、1丁の銃をめぐって家族の知らない顔が炙り出されていくスリラーです。国家公務に従事する一家の主「イマン」は夢にまで見た予審判事に昇進しますが、業務は反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を課すための国家の下働きでした。報復の危険が付きまとうため「イマン」には護身用の銃が支給されますが、ある日家庭内でその銃が消えてしまいます。
<ミシャク・ザラ>、<ソヘイラ・ゴレスターニ>、<マフサ・ロスタミ>、<セターレ・マレキ>が出演しています。
監督は、『悪は存在せず』の<モハマド・ラスロフ>がつとめています。彼の監督作は「国家安全保障を危険にさらす」と目を付けられ、<モハマド・ラスロフ>は何度も投獄されています。
同作がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出されますと、イラン政府は彼に有罪判決を言い渡し、出国を禁止。本作の上映見送りを求めて圧力をかけますが、<モハマド・ラスロフ>は数名のスタッフとともにイランを脱出し、28日かけてカンヌへたどり着いています。なお同作は、第97回アカデミー賞国際長編映画賞のドイツ代表に選出されたほか、第82回ゴールデングローブ賞で非英語作品賞にノミネートされています。
公開中の予告編には、国家に言われるがまま20歳の青年に死刑宣告を下すという不条理に苛まれる「イマン」の姿を収録。やがて護身用の銃が消え、彼が愛する家族に疑いの目を向ける様子が映し出されています。