芸能人や政治家の似顔絵を風刺を交えて巧みに描き、人気を集めたイラストレーターの<山藤章二>さんが30日、老衰のため東京都内で死去されています。87歳でした。
1937年、東京都生まれ。武蔵野美術学校(現武蔵野美術大)を卒業後、広告会社勤務を経て1964年にイラストレーターとして独立。自著『世相あぶり出し』での風刺漫画や<野坂昭如>さんの連載小説『エロトピア』の挿絵で注目され、1970年に講談社出版文化賞、翌年に文芸春秋漫画賞を受賞しています。また、1983年に菊池寛賞、2004年には紫綬褒章を受けています。
1976年から『週刊朝日』(朝日新聞出版)に連載した「山藤章二のブラック・アングル」は、時の人の似顔絵や社会風刺を独自のタッチで描いて好評を博しました。
最終ページに掲載されたことから「週刊朝日を後ろから開かせる男」とも言われています。1981年からは「山藤章二の似顔絵塾」も連載し、共に2021年12月3日号まで連載されていました。