『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』@BSテレ東
2月
26日
とらやに下宿し、電気工事の仕事をしている青年「良介」(中村雅俊)と、近所の食堂で働く娘「幸子」(大竹しのぶ)との恋の橋渡し役を、「寅次郎」が買って出る話です。自分は失恋ばかりしている「寅次郎」に恋のキューピッドをやらせればどうなのか、そんな「寅次郎」に「頑張れ」とエールを贈る作品です。
寅さんはこれまでも何度か人様の恋愛コーチを務めてきましたが、物語の中心はあくまで「寅さん」自身の恋愛にありました。しかし、本作ではコーチを受ける若い二人がメインに据えられ、「寅さん」の恋はほとんどおまけ的なポジションに収まっている。シリーズ20作目にして、寅さんがいよいよ恋物語の主役を譲るのが本作最大の特徴です。
コーチ役に徹するかと思われた「寅さん」でしたが、物語後半にはマドンナ「藤子」(藤村志保)に出会い、観客の期待通り早々に恋の現役復帰を果たします。しかし、本作における寅さんの恋はサブプロットであるため、いまひとつ盛り上がりに欠けています。