気になる新種のモズク「ニセクロモズク」@今治市
3月
14日
<柴田>さんは2014年6月、今治市での観察中、こぶし大の石からなる海岸で、石の上で生育しているのを見つけました。
標本として提供を受けた<川井>教授は培養して遺伝子を解析し、形態の特徴を調べた結果、(1)遺伝子の塩基配列が日本海のクロモズクとかけ離れている(2)藻の幅が5ミリ程度あり、3ミリ程度のクロモズクより広いなどの特徴を分析、さらに、これまではクロモズクとみられていた標本を含め、同じ種は松山市や宮城県気仙沼市にも分布することが遺伝子解析などで明らかになっています。
<川井>教授は新種について、和歌山県から九州にかけての海域で氷河期を生き延びた種が氷河期の終わりとともに北上を始めて東北の太平洋岸で生き残り、一部は瀬戸内海に残ったと考察。「大陸と陸続きだった北海道に移り住み、氷河期を生き延びたナキウサギと同じメカニズムではないか」と説明しています。