精子と卵子がであった(受精)とき、
細胞は、一つですが、
それから倍々に増えていきます。
そして、
胎児になる細胞集団と
胎盤になる細胞集団に分かれるのです。
子宮の中で
まず胎盤になる細胞が増えないことには、
赤ちゃんは育ちません。
なぜならば、
胎盤という細胞集団が、
胎児にとっての肺、肝臓、腎臓等の役割を
荷なっているからです。
胎盤になる細胞が増えるためには、
酸素や栄養が必要ですから、
子宮内膜環境が
水はけの良い肥えた土のように
なることが大切です。
また、胎盤になる細胞も
半分は夫由来ですから半分異物ですので、
それを受け入れる免疫状態になるため、
こころもからだも
青空に浮かぶ白い雲のように
なることも大切なのです。
流産や胚移植不成功を繰り返し、
一通りの検査を受け、
治療したのに、
まだ辛い状態にある方へ。
今まで受けた治療法からも、
これからの事を考えてみてください。
ホルモン治療、
身体的安静治療、
漢方・ビタミン内服治療、
手術治療、
アスピリン(ヘパリン)治療、
ステロイド内服治療、
上記の治療法は、
ほぼ一般的な治療法です。
これら以外に、
免疫グロブリン大量点滴治療、
子宮内洗浄(培養液等)治療、
イントラリピッド点滴治療、
子宮内膜スクラッチ治療、
夫リンパ球接種免疫治療、
精神(薬物)治療、
ピシバニール接種免疫治療、
などが、
重複して行われています。
それぞれの治療法は
一般的なものではないため、
具体的方法と治療成績は
施設ごとに違っています。
同じ治療法を繰り返し行って
良い結果が得られていなければ、
その治療法が不完全である
可能性が高いのですよ。
免疫系は、
自分以外の物質(細菌やウイルスなど)や、
異常な細胞(ガン細胞など)を見つけて、
攻撃するシステムです。
生きるために絶対に必要なものです。
免疫系が弱ってくると、
感染症や、ガンになりやすくなり、
免疫系が敏感になりすぎると、
アレルギーになりやすくなります。
受精卵と子宮内膜の関係も同じです。
受精卵は半分旦那さん由来ですから、
半分異物です。
子宮内膜内の免疫系が弱ってくると、
初期着床過程に必要な
炎症シグナルが不足して、
接着さえ不成功になってしまうようなのです。
(免疫情報伝達物質による接着因子の誘導)
逆に、
子宮内膜内の免疫系が過敏になると、
受精卵由来の胎盤になる細胞を
攻撃して死滅させてしまうようなのです。
この免疫系は
神経伝達物質によっても影響を受けています。
ですから、
治療法としては、
免疫系と神経系の状態をチェックして、
ほど良い (寛容) 状態に
調節 (治療)
することが基本になるのです。
詳しい内容は、
6月4日(日)の「青クリの会」で
お話ししますので、
ご参加をお待ちしています。
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流産手術後の避妊期間として、
原則、
生理が3回来るまでは
避妊されたほうが良いと思います。
そうしないと、
子宮内膜の深層に炎症が残ってしまい、
その炎症状態が免疫的な新たな原因を
作ってしまう可能性があるからです。
高齢で体外受精を受けられている方は、
時間的に余裕がないため、
焦ってしまいがちですが、
それでも、
1回生理後すぐに移植されると、
私の経験上、
頻繁に血腫が発生して、
予後が悪いのです。
少なくとも、
2回は生理を見送ってください。
排卵前の子宮内膜層細胞の
約8%が白血球細胞であるのに比べて、
妊娠初期の子宮内膜(脱落膜)層細胞の
約30%が白血球細胞であることは、
以前より報告されています。
卵(受精卵)を育てるのに、
必要な変化なのです。
白血球は異物から体を守る免疫を
担当している細胞ですが、
その白血球が卵を育てるのに
大きな役割を果たしているのは、
不思議ですね。
また、その白血球の種類も
妊娠初期の子宮内膜(脱落膜)層
の白血球は、
約70%が脱落膜NK細胞、
約20%がマクロファージ、
約10%がリンパ球(T細胞)であり、
血管の中(末梢血)の白血球の割合と
大きく違っています。
( 上の図を参照してください )
ですから、
免疫状態を知ることが、
妊娠維持にとって非常に大切なのです。
超音波検査の画面に映し出された
5mmぐらいの赤ちゃん。
心臓は動いている。
心拍も聞こえる。
ただ、ゆっくりと。
妊娠週数に比べてちょっと小さい。
がんばって生きている。
一生懸命生きている。
子宮の中でゆっくり、ゆっくりと。
「 見守るしかないですよね 」
と。
ネガティブな事を考えたら、
こころが壊れてしまう。
小さな赤ちゃんも
がんばっているのですから。
生活の基本は
食べて、寝る ことですよね。
不安な事があっても、
十分な睡眠が取れれば、
楽になれる考え (適応思考) も
浮かんでくるものです。
良い睡眠を取るための行動療法は、
太陽に当たり、昼寝はせず、
身体を酷使することです。
食事は三食、無理してでも十分取ることです。
夜はスマホ、ネットをしないこと。
軽いストレッチをして身体を伸ばすこと。
ぬるめのお風呂に半身浴で、ゆっくり入って、
部屋で1~2時間のんびりした後、
寝てしまうことです。
就寝前は、
こころとからだへの刺激を
避けてください。
自律神経が休まりますから。
日本でも先月、日産婦学会により、
PGSの臨床研究が開始されたことが
報告されました。
ヨーロッパの多くの国とアメリカでは
数年前より実際の臨床で行われています。
実際の臨床現場では、
できるだけ多くの卵子を採取して、
授精後、5日目の胚盤胞まで
培養できなければなりません。
約100~200個の細胞(胚盤胞)のうち、
胎盤になる外側の細胞数個を採取して、
採取した細胞の全染色体(遺伝子の塊)
を検査するのが、
着床前スクリーニング(PGS)検査です。
ただし、胚盤胞の胎盤になる一部の細胞を
検査していますので、残りの多くの細胞が、
すべて同じではない場合もあり、
モザイクの頻度も低くはないため、
100%正確とは言えません。
最近、アメリカで問題になっている欠点は、
PSGで異常と判断され廃棄される胚盤胞の中に、
実は正常な胚盤胞が存在している可能性が
指摘されている点です。
また、胚盤胞まで培養しなければならないため、
初期胚(2日目の胚)までなら十分培養できる
高年齢女性の妊娠出産の可能性を
かえって低くしているかもしれないという点です。
利点としては、
PGS検査で正常卵の移植の妊娠成功率は、
約50~60%と言われており、
従来の顕微鏡検査による良好胚の移植の
妊娠成功率、約30%の約2倍である点です。
PSG検査には、利点と欠点がありますが、
当院の経験から、
PGS検査の効果を実感した事例が
複数あります。
高年齢で、移植回数と流産回数が非常に多く、
流産児の染色体検査で複数回、
偶然的な数的染色体異常を
経験されていた方々の治療経験です。
時間と費用と社会環境のストレスにより、
精神的にも非常に追い詰められていました。
子宮内環境にも問題を抱えていました。
最終的に、海外も含めた他施設により
PSG検査で正常な卵を移植され、
当院の治療も並行して行い、
約60%の方が無事出産されているのです。
過去に出産歴があるのに、
良好胚を3回以上移植するも、
すべて不成功になっている場合は、
二人目の着床障害と考えられます。
二人目の着床障害が発生する原因は、
二人目の不育症の原因とほぼ同じです。
出産したことにより、
何らかの子宮内環境が
受精卵を育てるのに、
不都合に変化したと考えられます。
たとえば、
出産して子育てなどの環境の変化により、
十分な心身の休養が取れないため、
よくイライラしたり、
憂うつな時間が増えたり、
冷え性になったり、
断乳したのにときどき少量の乳汁がでたり、
した場合です。
また、出産後に
免疫的な子宮内環境が
受精卵の成長にとって、
不都合に変化した場合です。
3月の名古屋、
まだ少し肌寒い一日、
もう桜が咲いていました。
河津桜です。
そこにかわいい小鳥たち。
桜の色と、
小鳥の色と、
自然の色はいいですね~。
人生いろいろありますが、
春は必ず来るんですね~。
なんとか、
まあ、
平凡に暮らせれば、
それが一番幸せのように
感じます。
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