花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息などの
アレルギー体質は、
免疫検査のＴｈ１／Ｔｈ２細胞比の検査
をすれば、
Ｔｈ２優位となる方が多いです。
Ｔｈ２優位は妊娠の維持には良いと
考えられていますが、
花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息の方が、
有意に流産しないということはなく、
反対に、
アレルギー症状がひどい方は
流産しやすい傾向です。
流産発生率には季節差もあり、
春先の流産率は高い傾向にあるという
報告もあります。
過度なアレルギー状態は、
その強い炎症反応により、
不育症、着床障害の原因にもなる
と、考えられます。
タクロリムスは、
強力な免疫抑制薬であり、
腎臓などの臓器移植における
拒絶反応を抑制する薬として、
開発されました。
反復着床不全（着床障害）の患者さんで、
Ｔｈ１/Ｔｈ２細胞比が高い場合、
移植前より妊娠成立までの期間に、
タクロリムスを服用すると、
少数例の研究ですが、
妊娠率が有意に高かったという報告が、
２０１５年にありました。
理論的にも魅力的な
臨床研究結果ですが、
日本の医薬品添付文書（公文書）では、
「妊娠又は妊娠している可能性のある
婦人には投与しないこと。（禁忌）」
と書かれていますので、
十分な注意が必要と考えられます。
当院では、免疫検査で
免疫抑制が必要と判断された場合、
子宮内ステロイド洗浄治療と、
ステロイド内服（１０mg～１５mg/日）治療
を行っています。
他院で不成功が続いている
難治性不育症、難治性着床障害
の方への治療の一つとして、
良い結果を得ています。
免疫系の検査として、
Ｔ細胞のなかのヘルパーＴ細胞の
タイプ１とタイプ２の比によって、
免疫状態を表す検査があります。
原因不明不育症患者では、
健常者に比べて、
Ｔｈ１（タイプ１ヘルパーＴ細胞）/
Ｔｈ２（タイプ２ヘルパーＴ細胞）
の比が高く（Ｔｈ１優位）、
夫リンパ球免疫治療すると、
多くの例で
Ｔｈ１／Ｔｈ細胞２比が低下して、
低下した患者さんでは、
有意に高く妊娠維持に成功した
という報告が２０００年にありました。
（Am J Reprod Immmunol）
Ｔｈ１細胞は、インターフェロンガンマ（ＩＦＮ－γ）
という物質を分泌して、ＮＫ細胞等を活性化し、
細菌やウイルスなどの異物を攻撃します。
Ｔｈ２細胞は、インターロイキン４（ＩＬ－４）
という物質を分泌して、Ｂ細胞を活性化し、
花粉やダニなどのアレルゲンに反応します。
当院では、開院当時より（１０年前より）、
Ｔｈ１／Ｔｈ２細胞比の検査より
さらに精度の高い
インターフェロンガンマ（ＩＦＮ－γ）と、
インターロイキン４（ＩＬ－４）の
高感度 精密 定量 検査を
行っていますよ。
妊娠したかどうかは、
生理が遅れたとき、
朝一番尿での
市販妊娠薬で検査されると
正確性は高いですよ。
流産経験がない方は、
妊娠すると幸せ感に満たされ、
子宮への血流も増します。
しかし、
流産を繰り返されている方は、
妊娠すると
いつもと違ってきます。
よほど無理していない限り、
いつもどおりの生活が
子宮内環境としては良いですよ。
妊娠したら、
授かったことに感謝して、
お腹の子を疑わないで。
お腹の子の生命力を信じて。
いつものように、
忙しく、
水分だけは
１日１．５リットル以上、
小まめに補給を。
２０１８年３月１８日（日曜日）の午後に
名古屋駅前のミッドランドスクエアにて
第１８回「青クリの会」を開催しました。
大学の卒業式帰りの人々が見られる
春らしい良い日でした。
多くの方にご出席していただき、
最近のトピックス的な話題の中の
慢性子宮内膜炎とは？
同種免疫異常とは？
精神免役系の仕組みとは？
Ｔｈ１／Ｔｈ２とは？
Ｍ－ＣＳＦとは？
ＮＫとは？
タクロリムス内服治療とは？
免疫グロブリン治療とは？
子宮内ステロイド洗浄療法とは？
ピシバニール免疫治療とは？
認知行動療法とは？
欧米の現状は？
等につき、お話ししました。
講演後、
質疑応答時間では、
夫としてなにができるのか？
二人目の不育症の原因は？
プロテインＳ低値の治療は？
子宮内ステロイド治療の詳しい内容は？
青クリの初診から検査・治療の手順は？
というご質問を受けました。
その後の個別相談では、
私と、保健師、助産師の３コーナー
に分かれて、
終了予定時間をオーバーして、
対応させていただきました。
次回の「青クリの会」の予定は、
７月７日（土曜日）の午後です。
胎盤になる絨毛細胞は、
胎児側の細胞ですから、
母体から見て、
夫由来の半分異物細胞ですが、
子宮の中で増殖するために、
あなたの子宮内の免疫細胞と
情報交換をしています。
絨毛細胞は特殊であり、
ｈＣＧという性ホルモンと、
コロニー刺激因子（ＣＳＦ）という
細胞の分裂増殖を助ける物質を
多量に分泌しています。
絨毛細胞は、ｈＣＧの影響下で、
母体からの免疫的攻撃を免れており、
子宮内のマクロファージ免疫細胞等を
ほ ど 良 く 刺 激 し て、
さらに多量のコロニー刺激因子
（M-ＣＳＦ, GM-CSF等）を
分泌させています。
コロニー刺激因子は、
まるで子宮の栄養素のような
働きをしているのです。
マクロファージは重要な免疫細胞であり、
子宮内膜の免疫細胞の約２０％あります。
ナチュラル・キラー（ＮＫ）細胞が約７０％、
Ｔ細胞が約１０％存在している
と報告されています。
GM-CSF入りの培養液を使うと、
胚の培養成績が良い
という報告もあります。
当院では、１０年前より、
Ｍ－ＣＳＦを測定しており、
その結果をもとに
治療を行っています。
動物を見ていると、
童心に帰れます。
シマウマさんは美形です。
やさしい瞳がすばらしい。
昨日、シェイプ・オブ・ウオーター
という映画を見てきました。
今日、米アカデミー賞を受賞しました。
人間という種を超えて、
清掃員の声が出ない孤独な女性と、
アマゾンの奥地から捉えられてきた魚人
が恋に落ちていくという
大人の映画です。
サスペンスあり、
ユーモラスもあり、
異種間での恋の物語でしたが、
内容のある良い映画でした。
人生、
なるようにしかなりません。
ただただ、
その日その時一生けん命
ならば、
それでよし。
がんばったなら、
その日の終わりの夕暮れは
一瞬の輝きを持ち、
美しい。
今年も咲いた福寿草、
やっと咲いた福寿草、
今年も何か
良いことありますように。。。
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