胚は半分夫由来ですから、
母体細胞とは違います(半分異物)。
そんな中で、
胚由来の絨毛細胞(胎盤になる細胞)と、
子宮内の母体免疫細胞は、
多くのメッセージ物質を
分泌して、
お互いに交流していることが
わかってきています。
そのメッセージ物質により、
絨毛細胞の増殖が促進し、
血管の新生が起こっているのです。
神秘的です。
母体が寛容な状態のとき、
母体の免疫細胞も寛容な状態になり、
新しい命を
受け入れられるのでしょう。
ピリピリしていたら、
アレルギーが起こりやすいように、
胚を攻撃してしまいます。
悲観的になり過ぎていたら、
胚を育てるメッセージ物質が
減ってしまいます。
どんなに多忙で、
どんなにイライラしていても、
ちょっとの時間、深呼吸。
ちょっとの時間、
目を閉じて。
夫婦の出会いは
偶然でなく、
運命。
夫婦二人の時間を大切に。。。
流産児・死産児が、
その染色体検査で、
いつも男性であった場合、
ご夫婦のどちらかが、
(女性に多い)
色素失調症という遺伝疾患を
持っている可能性があります。
その場合は、
不育症と遺伝に詳しい専門医の
受診をお勧めします。
当院でも治療経験があり、
その後に無事、
出産されています。
体外受精の場合、
受精卵(=胚、=胎芽)移植後の、
初期胚ならば12日過ぎに、
胚盤胞ならば9日過ぎに
早朝尿の妊娠検査薬で
妊娠反応がほぼわかります。
妊娠反応が陽性ならば、
受精卵が子宮内膜に
完全に埋没するまで
発育できたということです。
しかし、そこから
妊娠反応が陰性化する化学流産や、
胎のうが見えてからの臨床的流産に
なることも多いのです。
妊娠までは発育できた胚
(その後に流産)と、
妊娠までも発育できなかった胚
の違いは、
胚の質の種類
(偶然的な染色体異常の種類等)
の違いだけではありません。
繰り返す発育の失敗としては
「同じ」 ですから、
子宮内の環境にも問題がある
場合が多いのです。
メール相談で
よく 「流産した子」 「死産した子」
という言葉に出会います。
その言葉には、
深い深い慈愛を感じています。
日本の法律では、
胎児は「子」として
解釈されていません。
胎児は、出生して初めて
法的な権利能力を持つからです。
医学・発生学的には、
妊娠10週以降の
母体の子宮内にある児を
胎児と言い、
それ以前を胎芽と言い、
出生後28日までの時期にある児を
新生児と言います。
人間社会のなかでの
法的な出来事のとらえ方ではなく、
尊い生命としてとらえれば、
出生できた子と、
出生できなかった子の間に、
どんな違いがあるのでしょうか?
同じだと思います。
体外受精で一人目の子を
出産した後、
3~5回以上胚移植しても、
不成功が続いたら、
「二人目の着床障害」
の可能性があります。
出産後の身体の変化が原因です。
たとえば、
母乳の分泌に関係していた
プロラクチンというホルモンが
断乳した後でも、ストレス等で
潜在性レベルの高値であった場合とか、
帝王切開等の異常出産により、
子宮内膜の免疫機構が
一部破たんした場合などです。
その場合は、
やみくもに胚移植を繰り返しても、
悪循環に陥る可能性があります。
一度、立ち止まって、
不育症、着床障害の検査
を受けたほうが得策と思います。
本日より、
不育・着床・専門クリニックとして
開業11年目です。
心機一転、
検査項目の一部を変更しました。
妊娠の免疫機構の検査を
さらに充実させました。
診療時間も変更して増やしました。
家事、仕事等で日々の生活が忙しく、
体外受精もあればなおさら、
その中で不育症、着床障害の方は、
不安、不信
でいっぱいの事と思います。
当院の予約は約一か月待ちですが、
私はこの道、
約40年の実績がありますので、
わかりやすく説明できると思います。
今後のひとつの選択肢として、
一度、当院の受診も
ご検討してみてください。
ポリープの原因はいろいろあり、
まだ、よくわかっていませんが、
何らかの炎症も関係しているようです。
最近では、胃のポリープの原因として、
ピロリ菌による炎症が疑われています。
実際、ピロリ菌の除菌治療で
ポリープの多くが消失してしまうそうです。
子宮内膜ポリープと不妊の関係は
以前より指摘されていますが、
子宮内膜ポリープがある子宮内膜
の中の炎症状態が
着床障害の原因かもしれいません。
その場合は、
子宮内膜ポリープを切除するだけでなく、
子宮内膜の炎症状態の有無と、
その様子をチェックするために、
同種免疫系の詳しい検査をする
必要があるかもしれません。
ブログNo.541に書いたように、
子宮内腔にも細菌叢がある
ことが判明してきております。
また、
ブログNo.528に書いたように、
子宮内膜の機械的な傷に対して
アレルギー的に炎症が起こる
「無菌性炎症」が流産を引き起こす
ことも報告されています。
子宮内膜ポリープは
ひとつの局所的炎症の
サインの可能性があり、
同種免疫異常による
不育症、着床障害の可能性
があるからです。
子宮内膜細胞が子宮筋層や、卵巣に
侵入してしまい、
生理として排出されないため、
強い生理痛となる子宮内膜症の方が
いらっしゃいます。
子宮内膜症と免役は、
いろいろと関係しています。
自己免疫異常が原因で
子宮内膜症が発症することもあり、
また、
子宮内膜症が原因で
その炎症状態により、
免疫異常が発生している
場合もあるのです。
自己免疫異常も
同種免疫異常も
妊娠維持には悪影響しますので、
子宮内膜症がある
不妊・不育の方は、
免疫系の精査をお勧めします。
胚への栄養血管であるラセン動脈に
血栓を作ってしまうことにより、
流産・死産の原因となる
抗リン脂質抗体の有無
についての検査があります。
世界的に認められている
抗リン脂質抗体症候群の
分類基準(2006年)に
抗カルジオリピン抗体IgM の検査は
含まれていますが、
現在、日本の保険未収載のため、
保険の検査では検査できません。
自費で検査するしかありません。
また、近年、
ループスアンチコアグラントと
強い相関を示す抗体として、
抗PS・プロトロンビン抗体
が注目されており、
単独陽性例においても、
血栓症や産科合併症を
合併する場合があることが
報告されています。
(J Immunol Res, 2015)
残念ながら、
抗PS・プロトロンビン抗体も
保険未収載のため、
自費の検査となってしまいます。
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