雑務に追われ、人との応対に紛し、また一つ年を重ねる所。 楽しみの植物觀察、カメラいじり、じっくりと向き合っておらない。 だが、この1年、ブログルの友達から沢山の刺激を頂戴した。 感謝、感謝でいっぱい。 年の瀬に己の学究上の原点、足跡的整理の一区切りが出来た。 モノトーンからセピアカラーへと、ちょっと知識・能力に色が付いたか?? 植物との対話、己の中では「禅問答」の様で、唯唯にらめっこ。 カメラでは、被写体の主人公はなにか、を追求したい。 来たるべく年は、「ティルト&シフト」撮影を課題に。 今年も後わずか。 お世話になった方々、皆さんが良き年を迎えられますよう“希” 感謝を込めて、年末のご挨拶m(._.)m(^з^)。 12月31日誌「襍崋房雜記」
シモバシラ(霜柱) シソ科(Lamiaceae/Labiatae) 学名:Keiskea japonica Miq. 秋口に山の木陰でひっそりと息づいている可愛いい草花だが、冬に面白い現象を茎にみせる。 関東周辺の山間部ではそれほど珍しくはないが、関西・四国・九州で見られるかは??? 日本固有の草花だが花名は、花の姿が霜柱に見えるからではない。 冬に枯れた茎の根元から霜柱のような氷柱が出る特性があり、この名が付いた。 温暖な地、神奈川県立FC大船植物園でもみたことがある。地表温度が0℃以下で見られる現象。 だが気温の上昇で消えてしまうので早朝散歩をしなくてはいけない。 枯れた茎が吸い上げた水分が外気で凍りつき、茎のまわりに氷柱を作るが、 大きさは人の手のこぶし大にもなる。又、形も様々で氷の芸術というよりホイップクリームの様だ。 細長くアイスキャンデーのような形、蝶の羽やバラの花のように横に広がった結晶を作る場合も在るとか。 楽しくも不思議な空間を醸し出す。 12月21日誌「筑波山麓」
ヤツデ(八手) ウコギ科(Araliaceae) 学名:Fatsia japonica (Thunb. ex Murray) Decne. & Planch. 別名: テングノハウチワ ヤツデの花は秋から冬に次々と花を咲かせる。遠目には密集した花のように見える。 所が、近づき一つ一つ花を見ると、花弁が5枚の小さな花の集合とわかる。 この植物、野生自生種、日陰でもよく育ち、真冬に花を持つので我が家にもある。 ヤツデの実、熟すと黒くなり、野鳥が摘まみにくるが小鳥としかわからない(-_-;) 大形の仲間にカミヤツデがある。 * * * きつぱりと冬が來た 八ツ手の白い花も消え 公孫樹(いてふ)の木も箒になつた きりきりともみ込むやうな冬が來た ・・・ 高村光太郎「冬が来た」(『道程』1914)より 厳冬にあってどこかあたたかみがある花。 12月20日誌「大和市・泉の森」
ヤマボウシ やまぼうし(山法師) ミズキ科(Cornaceae) 学名:Benthamidia japonica (Sieb. & Zucc.) H. Hara 特異な花を咲かすヤマボウシ、サッカーボールのような縫い目模様がある。 赤く熟した実は、甘く軟らかい黄色の果肉で、食べることができる由。 ヤマボウシの紅葉は、一枚一枚の葉が緑、黄色、赤と複雑に絡むように混ぜ合わさる。 徐々に赤一色に変わっていく樣は、面白い。 こんな事を思いながら眺めるも今年は綺麗な黄金色に輝くのみだった。 12月19日誌「大和市・泉の森」
センダン(栴檀) センダン科(Meliaceae) 学名:Melia azedarach L. 紫と白の清楚な花。だが、古来、不吉とされ、家に植えるを嫌った。 それは、火葬の薪や棺に用いられ、冥土への旅立ちに良いと、墓地や寺に多いからか!?! 名前の由来は、小さな団子のような実をたくさん付けるので「千団」が訛り「栴檀」に。 だが、古くはオウチ(あふち)、『万葉集』にすでに見え、字は漢名の楝をあてていた。 センダン(栴檀)の呼称は江戸時代に始まる由。 センダンの木には少し香りがある。和の栴檀と呼んだことからこの木の名になったという。 また、 千珠(せんだま)の転訛、とも言われている。 材は建築などに用い、花からは芳香油をとり、種子から採る油はペンキ・潤滑油などに用いる。 種子を苦楝子(金鈴子)・樹皮を苦楝皮と呼び、薬用にする。 温暖な地域では、冬を越してもしっかり実をつけたまま。 黄色から褐色に変わってくると地上に落ちてくる。 散策者の多くは、関心を示さない。一人見上げているものは、、、!に映るか?? 12月18日誌「大和市・泉の森」
フユノハナワラビ(冬の花蕨) ハナヤスリ科(Ophioglossaceae) 学名:Sceptridium ternatum (Thunb. ex Murray) Lyon 花のように見えるのは胞子葉と呼ばれる胞子を包んだ袋をつけた穂。 まるで子持ちワカメのような姿。 秋に葉を出し枯れずに冬を過ごして春に枯れる。 同じ形態にオオハナワラビ、アカハナワラビ、アカフユノハナワラビがある。 『研究者ノート(松本定・筑波大) 』 栄養葉と胞子葉は地表近くで合着して共通柄は短い。 栄養葉の羽片の頂片は鈍頭、裂片は鈍鋸歯縁である。胞子は秋から冬に熟する。 東北地方以南の暖地に見られ、山麓や原野の向陽地に多い。 9月に葉を出し、同時に花のような胞子葉を伸ばす冬緑型の多年生シダ植物。 落葉により空から林床へ光が届くこれからの時期にのびのびと生活をします。 しかしホオノキなどの大きな落葉に体を覆われると生存できず、生活域が左右されます。 また、本属の植物は胞子が土中へもぐり、そこで前葉体が作られます。』 12月17日誌「大和市・泉の森」
カンツバキ(寒椿) ツバキ科(Theaceae) 学名:Camellia ×hiemalis Nakai サザンカの園芸種とか、ヤブツバキとサザンカとの雑種後代ともいわれる。 若枝や葉柄、葉の裏に毛があるが、サザンカより少ない。 葉は長さ2.5~6cmの長楕円形で先は尖り基部はくさび形。 葉の表面は光沢のある濃緑色で、縁には鈍い鋸歯がある。花は桃紅色の八重で直径7~9cm。花弁は大小14~18個あり、先端が浅く裂け、縁は波打つ。 冬の寒い時期に咲く貴重な花!! 花が丸ごと落ちるのがツバキで、 花びらが一枚一枚散るのがサザンカと教わった!! 12月16日誌「鎌倉市・源氏山」
ホソバハグマ(細葉白熊) キク科(Asteraceae/Compositae) 分類:草 学名:Ainsliaea faurieana Beauverd カシワバハグマ、オクモミジハグマ、オヤリハグマ等の仲間。 屋久島にだけ自生分布する固有種。 増水すると水没する渓流沿いの岩上に生育する。 オキナワテイショウソウの渓流型と考えられている由。 水圧に適応する細い葉。個体数は、激減している。 かつて、冒険した??屋久島を思い出した。 楚々としたかわいい花。 12月15日誌「つくば植物園」
裏山に通じる小径に落ちてた枯れ葉。 土にかえるまえに美しさを見せてくれた。 昔、勅使河原蒼風さんが、いけばなに枯れ草を用いたことが...!! 華道家から大層な批難・批判を浴びたらしい。 伝統的いけばなには「忌み花(いみばな)」と言うのがあるとか。 不吉な花、非礼な花(よく分からん)ってなんだろう?? 而して「美しい」いけばな、花は素材でしか無いのか。 美しいとは、主観だが、形式に縛られ貧化することもある。 素材を活かす、引き出す、って大切なことと思う。 たかが、枯れ草、落ち葉、枯れ葉といえども扱い手次第。 内在的美しさ、生の根源的姿を見た時、心に響くものがある。 表現、美の創造は、創作者の感性の提示だろう。 ブログに記念・記録に、と手軽にも高精度な機材を使っている。 だが、機材を超えられない。扱いきれない。 4k動画のワンカット画像をペガサスさんが掲載してくださった。 こうした技術と撮影者の感性のコラボで画像を堪能させて頂ける。 PCの進化、撮影機材の進化、対峙する撮り手は、それに追いつけない。 だが、目指すものがあるから楽しい。 「メタモルフォーゼ」、物の質への偏執的挑戦!!来年こそ頑張ろう!! 超一流に成らずんば止まず、、、偉人の言葉だが、 超偏人に成らずんば、、、止まず^^)。機材との戦いは・・・続く。 12月14日誌「鎌倉・稲村ヶ崎」