《時節・_・襍感⇔“里山も春めいて(5)!!”》 ヤマヤグルマギク(山矢車菊); 和名の由来は、鯉のぼりにつける矢車に花の姿が似ることから。 ツタンカーメンの棺の中には、3千年以上も前のヤグルマギクが添えられていた由。 ヤグルマソウとも呼ばれるが、ユキノシタ科のヤグルマソウと混同しないよう注意が必要。 ヤグルマギクは世界中で栽培され、アメリカやニュージーランドなどにも帰化している。 日本には明治時代に入り渡来している。が、現在では道端や空き地などに逸出している。 茎や葉に白色の綿毛が生え、葉は長さ3~10㎝の線状披針形、下部では羽状に深裂する。 頭花は直径約5㎝位。小花は、30個ほど付き舌状花はなく、すべて筒状花。 外周に並ぶ花冠の大きな周辺花は不稔、長さ20㎜位。中心花は花冠が小さい。 原種の花色は濃青色で、ピンク、白、赤も栽培され、色々な花色の逸出が見られる。 総苞は長さ12~16㎜の鐘形。総苞片は多列、覆瓦状に並び縁が乾膜質、鋸歯がある。 ヨーロッパアルプス等では、普通に見られる花だが、日本では余り見かけない。 夏に登山基地!?!あたりでよく見かけた。総苞には黒い縁取りがあり可愛い花。 山散策の思い出の花。 矢車菊は、春に見られる花で、北原白秋『桐の花』(1913)の詩が美しい。 「 にほやかに君がよき夜ぞふりそそぐ白き露台の矢ぐるまの花 」 1990年8月05日誌、スイス・ベルン州グリンデルヴァルトで見たと記録にあった。 「泉の森2019/03/25」