《 雅羅・/・襍録〝山と里の花〟❖ ’24-96❖ 》

ヤマエンコサク(山延胡索)     ケシ科(Papaveraceae)
学名:Corydalis lineariloba Sieb. et Zucc.
大和市下鶴間・高木道正山河畔林(大和市最北端の小さな緑地)
ヤマエンコサク(山延胡索)拡大プロフィール。
山延胡索の花構造説明。
**画像は借物 **



《 そっくりな植物、其の1〝4月花Ⅴ・Ⅵ〟》
(山延胡索);
本州〜九州の山の林や道ばたに生える多年草。
全体無毛または時に乳頭状小突起があるのもある。
塊茎は、球形で直径1cm程。茎は1個で茎高10〜20cm。
最下の葉は鱗片状となり、この腋から分枝する。
茎葉は2個あり、2〜3回3出複葉、柄あり。
小葉は線形〜卵円形、細く3~4裂する。
小葉の形には変化が多く切れ込みない円形のものもある。
花は茎の先に筒状花を開花させ、色は、淡紅紫色で長さ20mm前後。
苞は披針形〜扇状くさび形、時に歯牙がある。
ジロボウエンゴサクと違い、苞は先が3~5裂する。
ジロボウエンゴサクは花が紅紫色~青紫色で横向きにつき、苞が全縁。
エゾエンゴサク は東北地方以北に自生、苞が全縁又は不規則に切れ込む。
花弁は4枚で外側に2枚、内側に2枚つく。
外側のうち上の1枚がもっとも大きく、基部が袋状の距になって後ろにつきでる。
内側の2枚の花弁は左右から合わさり先端が合着し雄蕊と雌蕊を包んでいる。
雄蕊は6個あるが、雌蕊の上下で3個ずつ花糸が合着している。
子房は上位で1室。 神奈川県レッドリスト2020「準絶滅危惧」
丘陵地や低山の林内に普通のムラサキケマン(紫華鬘)の近縁種で小型。
神奈川県内では東京都町田市~相模原市内に自生地が点在している。
藤沢市内に一ヶ所自生地がある由。横浜市栄区の荒井沢に自生している。
実際的にジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)と見分けるの難しい。
地下の塊茎は丸く、直径4~9㎜、鎮痛の薬草としてもちいられている。
また、ヤマエンゴサクの苞には切れ込みがある。
似ているムラサキケマンは花が総状花序となり、葉が細裂する。



ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡策)     ケシ科(Papaveraceae)
学名:Corydalis decumbens (Thunb.) Pers.
美しい立ち姿。
泉の森・山野草園
葉の姿も良い雰囲気。
構造説明。画像は借物。


ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡策);
乾燥しない保湿された半日陰の林内や林縁などに生える多年草。
野山でごくふつうに見かけるムラサキケマン(紫華鬘)の近似種。
草丈は、10cm位。地中に直径約1センチの丸い根塊がある。
 毎年古い根塊の上に新しい根塊ができ、 そこから根生葉と花茎が出てくる。
地上部は白緑色を帯びて柔らかく、茎は細い。
葉は2~3回3出複葉で、 小葉は楕円形であるが、掌状に3裂するものもある。
複葉は根生するとともに、茎にも2枚ぐらい互生する。
細長い花茎の先、総状花序に紅紫色~青紫色の細長い筒状花が数個咲く。
花冠は先が唇状に上下に裂け、 各裂片は左右に2浅裂する。
筒の花柄のついている所より後部は距となっている。
花柄の基部には、小さな卵状3角形の苞がある。
全草有毒であるが、根塊は生薬として使われる。
神奈川県内で自生地は、中々お目にかかれない。
希少種と云える。野山では、殆どが紫華鬘である。
ムラサキケマンやヤマエンゴサク(山延胡索)と近似だが、
葉や苞が異なっている。又、ムラサキケマンよりは早咲き。
ジロボウエンゴサクの苞には切れ込みなし。
ヤマエンゴサクの苞には複数の切れ込みあり。
ムラサキケマンの苞には多数の細かな切れ込みあり。
他の花に先駆けて咲き春を感じさせる花。
“春の妖精(スプリングエフェメラル)”である。

「令和陸年(皇紀2684年)4月5日、記」
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