銘酒の揃う そば処「遊釣亭」(ゆうちょうてい) その2
5月
24日
さて、料理は季節の天ぷらです。季節の山菜と魚のフライです。近くの山野から採って来た物だそうです。また魚はお店の名前のにもある様に御主人の趣味が釣り出そうで魚は全て自ら釣った魚を使っているそうです。今回は引田の港で釣り上げたキスでした。山菜の天ぷらではコシアブラが香り高く美味しかったです。銘酒は愛知県 原田酒造の純米吟醸 純吟雫です。もろみから静かに滴る一滴一滴を丁寧に集めて作ったお酒で、またこれも味わい深いものがあります。天ぷらの様な脂味のある料理にあってました。
続いて八寸、珍味の酒の肴の盛り合わせです。キスの燻製とソラマメ、グリンピースのグリーンが目に鮮やかな一品です。
銘酒は山形 高橋酒造の「ちょっとおまち」を亭主は選んで出してくれました。純米酒です。酒米は雄町を使っているのでこの名を付けた感があります。憶え易いですね。スッキッリとした味わいです。
続いて蕎麦がきです。あまり食べることの無い蕎麦料理です。徳島には美味しい蕎麦屋さんがあって「生蕎麦」を注文しますが、それも麺で出て来ます。でも酒のツマミとしては良いですね。
お酒はついに三重県と言うより日本を代表する 木屋正酒造の「而今」を頂けることになりました。ワインの様に楽しめる日本酒の新潮流のお酒の代表と言われています。初めて頂きました。「而今」とは、「いま、このときの一瞬」の意味だそうで、「何物にも囚われず、いまこの一瞬を感じながら、ただ懸命に生き抜く」という仏教、道元の言葉です。「名は体を表す」と言いますが「而今」というお酒は正にその通りのお酒でした。このお酒と縁が会った事に感謝です。
日本酒に目覚めてまだ一年生の若造ですが、良いお酒(銘酒)のある処には良い料理が在ると言うことに気付かされました。
お料理も最後、鴨南蛮です。鴨と麩の浮かぶ出汁の下に静かに水草の様に蕎麦が沈んでいる景色です。黒七味で頂きます。
酔いも回って最後の一杯と言うことでしたが、「而今」をお代わりするのはちょっと恐れ多いので、最初に戻って「上喜元」をお願いしました。それにしてもこの香川漆器のぐい呑み、とても気に入りました。底がボールの様にまん丸なのに零れないし、飲み口に厚みがあってソフトな唇触りなのです。
デザートは三木町の農家さんが作るフルーツトマトです。高知へ行けば徳谷トマトが有名で居酒屋には必ずトマトが在りましたが、いまや、スーパーでもフルーツトマトが所狭しと並ぶ様になりました。でもこのトマトはスーパーのトマトとは数段糖度が違います。香川でも作れるんだ、と少し感動です。
三脚で記念撮影しました。この「一期一会」に感謝です。