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Forest Aesthetics 森林美学 花が落ちる

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               ...                                           © Daisuke Kawai




花が落ちる
役目を終えて
ぽつりぽつりと
花が落ちる

樹上から林床までの
その瞬時の滞空時間

落とされた首のような白い花のひとつひとつ
どことなくうつろな表情のように思えてくる






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Forest Aesthetics 森林美学 透過光

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               ...                                           © Daisuke Kawai




ホオノキは森の天井でも
ひときわ大きな葉を誇る

春,次々と展葉していく新緑を尻目に
最後の最後に開いて森の天窓をふさぐ

葉の面積が広いぶん
開くには時間がかかる

ならば最初に展開すればよさそうなものだが
最後の最後に開くというのは
森の底に,少しでも長く
明るい光を届けようということなのか

それとも,単純に大きな葉が開くまでには
それなりの準備期間がかかるということか

いずれにせよ,ホオノキの展葉を境に森は暗くなる

されどただ暗いというのではない
葉が厚みを持つようになるまでは
葉を透かす ほんのりとした光で
森の底をやさしげに照らしている

森林の生態学はメルヘンではない
ヒトがおめでたく「助け合っている」などと
感心することの,そのほとんどが
それぞれの生物種の利己的な欲求の相互作用の結果であろう

そんなことをいちいち確かめる必要もないし
あばきたて,訳知り顔で
なにがしかさかしらなことを語るのもつまらないことだが
それでもやはり
葉を透かして届けられる光のもとにたたずむと
森林美学,という言葉があらためて湧き上がる









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Forest Aesthetics 森林美学 果実の塔

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               ...                                           © Daisuke Kawai




ホオノキの花が終わり
果実の塔が立っている

森を芳香でつつんだ季節がゆく
名残惜しそうなカメムシが一頭
落下寸前の花被片で佇んでいる







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Forest Aesthetics 森林美学 疲弊した蛾

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               ...                                           © Daisuke Kawai




この蛾はつかれている
そう想った

まだ森の木々の緑が展葉してまもない
精気にあふれた時季だというのに

この蛾は,もはやすでにつかれきっている

魔女の手は
こういうときに
そっとしのびよってくるのかもしれない







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Forest Aesthetics 森林美学 魔女

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森の底にじっと坐っていたら
奇妙なものが目に入ってきた

杖を突いた魔女のミイラだ

蛾宿長実粒茸
ガヤドリナガミツブタケという冬虫夏草らしい

見れば見るほど
逆に呪いをかけられ,封じ込められた
おそろしい魔女の物語が躍り出てくる

実に面白い





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Forest Aesthetics 森林美学 白骨

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森の底の樹木の根が白骨のように見えた
どきりとした
死ねばみな骨となる 白い骨となる
ひとも けものも 骨格のあるものみな






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Forest Aesthetics 森林美学 泳ぐシダ

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暗い森の底をシダが翔ぶように泳いでいる
海中をゆらゆら遊泳するエイの姿を想った








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Forest Aesthetics 森林美学 シダの森

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               ...                                           © Daisuke Kawai




シダに埋もれた森の底を徘徊したのち
眼下に眺めをとれる位置へ身を上げる

林床がシダに覆われた森の雰囲気は素敵だ
午後の斜光が木洩陽となって明暗をつくる

シダの森は美しい
ひっそりとした美しさだ

風の流れがとまり
不意にすべての音がとまる
鳥や蟲たちやけものたちも気配を消している

ウエットで静かな森に浸っていると
やがて目に見えないものが
だんだん見えてくるような気がしてくる

決して見えることはないのだけれど
そういう,妙な心もちになってくる











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Forest Aesthetics 森林美学 地質学的紋様

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               ...                                           © Daisuke Kawai




そもそも,地質学というものに興味あったがゆえに
この崖の紋様の秘密を知りたいと思ったのではなく
岩の描く不思議な芸術の雰囲気にひかれたからこそ
その地質学的な意味を知りたい,と思ったのである
学問の端緒とはきっと自然の中にこそ在るのだろう










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Forest Aesthetics 森林美学 ぷるるん

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               ...                                           © Daisuke Kawai

わたしは聖なる水の原点をさぐろうと
小さな苔の森に踏み込んでいったのだ

ぷるるん

かすかな音が聴こえたような気がした

小さな森のふるえのうちに
大きな森が映り込んでいた

雨の日のコツボゴケは
天のしずくと融和して
水の果実となる

ゼリーのような弾力で
ぷるるん,とふるえる










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