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Forest Aesthetics 森林美学 落羽

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               ...                                           © Daisuke Kawai





苔むした倒木の上に落ちていた
鳥の羽
かけすの羽だろう 青が見事だ

鳥が落としたものなのか
敵にむしられたものなのか

森のおそなえ といったような
こういう綺麗な羽を 偶然に拾うと
なにかよいことがあるような気がする

勝手なものだ
羽を落とした側は
運だとか,あるいは命を落としている

そういうものなのかもしれない










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Forest Aesthetics 森林美学 森の薊

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               ...                                           © Daisuke Kawai


光のあふれる草原に咲いた薊(あざみ)ときたら
けばけばした感じがして,てんで興味がもてない
ところが暗い森の底に咲く薊には妙に心ひかれる










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Forest Aesthetics 森林美学 森の花

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               ...                                           © Daisuke Kawai


花が好きだというひとが
森の花は好きになれないというので
それはどうしてなのかと問えば
そんなことはよくわからないという

あらきれいねこれなんの花
花が好きだというひとがそう問うてくれたので
これはきっとガマズミの花 そうこたえれば
名のひびきがあんまり美しくないわねという

ひとつひとつの小さな可愛らしい花が集まって
いっこのこぢんまりとした花玉をつくっている
そえられた葉も森の木洩陽を照らし光っている

それでも花が好きだというひとは
この森のきわにひっそり咲いた花に
あらきれいねという以上の思いを寄せない
目のひかりが,なぜかしだいにくもってくる

名のひびきが気に入らないのか
それとも言葉にあらわせない
もっとべつのなにかがひっかかっているのか

あなたはこの花が好きなの
そう尋ねてくれさえすれば
わたしはもっともっとこの花の魅力を
じょうずに伝えられるだろうと思うのだが
花が好きだというひとは
名以上のことをわたしに問うてはくれない





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Forest Aesthetics 森林美学 藪

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               ...                                           © Daisuke Kawai


なにかがひそんでいそうな藪がある
いかにもなにかがひそんでいそうだ

けれどなにがひそんでいるのかはわからない
正体はわからない
ただ気配だけが漂ってくる
目には見えないあやしさである

真昼間の森のきわで
なんということもないのに
不意に背筋がざわざわすることがある

緑陰の藪にひそんだ
なにかの気配にうっすらおびえているのだ

いや,もしかしたらそうではないのかもしれない
草藪そのものの存在感におびえているのかもしれない












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Forest Aesthetics 森林美学 蝶のまぐわい

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               ...                                           © Daisuke Kawai



森の緑陰で白い蝶が交尾していた
ひっそりとした息づかいが聞こえてきそうな雰囲気だった

虫けら,という表現がある
蟲のいのちもヒトのいのちも同じように尊い
そんなふうには,私は思わない

虫けら,といいたくなるような存在はいくらでもある
生命の価値は等価である
そんなものの見方は
きわめて宗教的なものだろうと思う

されどこういう光景を目にすると
そっといつまでも眺めていたいと
透明な大きな幻の掌でふんわりと包み込んでみたいと
そんなことを思う

そういう感情を,嘘くさいとは思わない



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Forest Aesthetics 森林美学 漆の褥

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               ...                                           © Daisuke Kawai



群生するツタウルシが
ほのかな木洩陽に
ふんわり浮かび上がっていた

植物のことなど何も知らなかったころ
森の中で突如猛烈な便意に苛まれ
なにも考えぬまましゃがみこみ
尻をまくったことを思い出した

そこは漆の褥だったのだ
街へ戻ってからまもなく臀部は腫れあがった
なにか妙な病気にでも罹患したのかと杞憂した

そうやって漆という草の存在を刻み込んだ
いまもってこういう光景を目にすると
かすかな警戒のシグナルが鳴るのである






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Forest Aesthetics 森林美学 眠る蛙

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               ...                                           © Daisuke Kawai



葉の上で蛙が寝ていた

この一体感がいいのだ

融和という言葉を想う





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Forest Aesthetics 森林美学 御幣

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               ...                                           © Daisuke Kawai





スゲと呼ばれる
いたって地味な
植物の花が咲く

わるいが特に興味はない
在っても目が向くこともない
ふだんはたいてい無視している

それが妙に気になるときがある
そういうときには素直に写真を撮るのである

イナウというアイヌの祭具がある
神霊の依り代のようなものとされている

このだらんとした垂れ下がり方に
なにか通ずるものを感じるのかもしれない










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Forest Aesthetics 森林美学 魅かれる場所

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               ...                                           © Daisuke Kawai




名も知らぬ低木のうっそり繁茂する森の底
理由は知れぬが,妙に魅かれる場所がある

それは言葉にならない感覚的なものである
わたしにとって写真を撮る,という行為は
そういう魅惑の場所の表現欲求でもあって
そこに「なにか」がうまく映ってくれると
とても嬉しい 実に面白い 無類に楽しい









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Forest Aesthetics 森林美学 花が落ちる

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               ...                                           © Daisuke Kawai




花が落ちる
役目を終えて
ぽつりぽつりと
花が落ちる

樹上から林床までの
その瞬時の滞空時間

落とされた首のような白い花のひとつひとつ
どことなくうつろな表情のように思えてくる






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