東京プリンスで購入したロイヤルコペンハーゲン、カーネーションが上絵付けされているテーブルウェアのセットである。時代は19世紀末。他にミルク入れやトレイなどがあるが揃っていなかった。おそらくアーノルドクローがデザインしたものだと思うが定かではない。取手が高いこの形はなかなか出てこないので、釉下彩ではなかったが購入した。ちょうど、母の日の前なのでタイムリーだったかな。
カーネーション文TW
で、戦利品は花瓶2個。写真左は明治後期くらいの源六製で、糸瓜が描かれているひょうたん型花瓶。高さは15.5cm。これは手ごろな値段で、デザインも面白かったので、即購入した。写真右は、大正から昭和初期の香蘭社製で、釉下彩の小花瓶である。高さは11.5cm。まわりをうすいグリーンで塗られ、木蓮が描かれている。これはちょっと値がはったが、やはり珍しいので思い切って購入した。ということで、今回のポイントは緑でした。
彩磁木蓮文小花瓶
彩磁糸瓜文花瓶
オーストリアのCarlsbadというメーカーのカップ&ソーサです。右下に小さく貼り付けた写真、ピエトロクローンが制作したB&Gのカップ&ソーサにそっくりでしょう。写真ではカップで隠れていますが、実はソーサの葉一枚が割れています。そのため、買うのを断念してたのですが、マイセンの大皿を買ったおまけに付けてくれました。
裏の銘によれば、フィラデルフィアにあるBAILEY BANYS&BIDDLEという店(?)がおそらく注文したものだと思います。確か同じ形のものを日本でも作っています。デミタスC&Sのコレクターが所有しています。20世紀前半、この形は人気があったのでしょうかね。
見つけちゃいました。新宿にある食器の下ろしをしている店に行ったら、なんと、マイセンの花麦藁手の大皿が。それも、形が三角形。なかなか見ませんね、この形。三角形の一辺約32cmあります。時代も点の時代。1763年から1774年だったかな。手元にちょっと資料が見つからないので多少ずれているかもしれません。でも約250年前の大皿ですよ。古伊万里だったら、たいしたことはないかもしれませんが、マイセンですからね。いや〜、悩んだけど、買っちゃいました。
やれやれ、東京プリンス骨董市の前にとんだ出費だ。プリンスでは少し、自粛しなければ。
スイスから届いた、ロイヤルコペンハーゲン1905年11月製のユニカ、彩磁田園風景文大皿である。作家はカール・フレデリック・リースベェアである。ユニカについては以前説明したが、作家の一点ものという意味である。スイスにはロイヤルコペンハーゲンを集めているお金持ちのコレクターがいると聞いたことがあったが、手放し始めたのかな?
デンマークに行くと良く見ることができる白と黒の2トーンカラーのカササギが農具の上に止まって遊んでいる様子が描かれている。デンマークのこういう田園風景は素朴だが私は大好きである。10年前、コペンハーゲンに住んでいたとき、天気が良い日はよく散歩した。風景の絵皿はなるべく購入したいが、なかなか出てこない。
彩磁田園風景文大皿
先週に引き続き、HPを更新した。B&Gのおそらくユニカ(絵付け)あるいは特注品と思われる彩磁菊文蓋付大壷である。ユニカについては以前説明したが、作家の一点ものという意味である。作家はCNと書いてあるのでクララ・ニールセンの可能性はあるが、一般に知られているクララ・ニールセンのサインとは異なるので、断定できない。白い菊の絵が壷の周りに描かれている迫力のある大きな蓋付の壷である。
彩磁菊文蓋付大壷
伊勢社、春の例大祭における宮元囃子連の演奏です。右端の太鼓を叩いている子供が、一生懸命となりのお年寄りの演奏を見ながら叩いているところがほほえましいですね。
久しぶりにHPを更新した。スベン・ハンマースホイの1893年9月製のユニカ、彩磁三人面耳付花瓶である。ユニカについては以前説明したが、作家の一点ものという意味である。この花瓶はちょうど、シカゴ万国博覧会が開催された年に作られている。絵付けはハンマースホイだが、3人面耳付きのフォームはアーノルドクローがデザインした。それも、この作品が作られた同じ年の1893年にである。もしかしたら、シカゴ万国博覧会に出品するために作ったのかもしれない。
このシカゴ万国博覧会から、ロイヤルコペンハーゲンは多色の釉下彩と結晶釉の磁器を出品して世界的に有名になるのである。この作品もブルーだけでなく、何色か使われている。
彩磁三人面耳付花瓶
先々週末、愛知陶磁資料館で行われている「ジャパニーズ・デザインの挑戦」展を見に瀬戸まで行ってきた。そして、二日間行われたシンポジウムにも参加してきた。写真はその図録である。昨年末、産総研のコレクションの図録をアップしたが、それとは別に展覧会用の図録を作っていたとは知らなかった。そして、昨年この展覧会のための準備を少し手伝ったので、この図録に協力者として名前が掲載されていた。また、参考文献として、私が書いた「ロイヤルコペンハーゲン」が掲載されていた。やはり、正直うれしい。
さてシンポジウムであるが、こんなマニアックな内容(昨年、このブログで内容はアップしている)で人が集まるのかなと思っていたが、結構参加者がいた。みな、やはり美術館の学芸員や近代国際陶磁研究会の人々かな。シンポジウムの内容はもちろん国立陶磁器試験所に関わるものであるが、特に、日曜日の午後に行われた「中国における釉下彩技法の展開」が面白かった。中国湖南省のれいりょう窯は、清朝末期から20世紀初頭に中国で初めて釉下彩の生産を開始して、景徳鎮と並び称される上質磁器の産地に成長した窯だそうで、なんと、1906年から5年ほど、京都市陶磁器試験場の技師が何人か中国湖南省のれいりょう窯へ、この釉下彩技法を教えに行っていたようである。その作品の写真をスライドで紹介してくれたが、それはすばらしかった。一度本物を見てみたいなと本当に思った。やはり、同じ考えの人がいて、最後、質問のときに、「何処へ行けば見ることができるのか。」と質問していた。どうやら、中国でしか今のところ見ることができないようだ。
で、昼休みに近代国際陶磁研究会の会長さんから、今回のことでも西洋のことでわからないことが多く、もっと西洋の近代陶磁器に関して勉強しなければならないということで、6月の総会の後のシンポジウムで講演をして欲しいと頼まれた。もちろん、会員なので名古屋までの新幹線代は自分持ち。しかし、会長さんからの依頼なので断ることはできないと思い、引き受けてしまった。そして、じつは、この講演で話すということは、ジャーナル「近代陶磁」に原稿を書かなければいけないそうで、さらに原稿依頼をされてしまった。もちろん、原稿料もなし。昨年、冗談半分で「ロイヤルコペンハーゲン」や「ビング&グレンダール」について何か書こうかなとこのブログにアップしたが、こんなに早く依頼が来るなんて…。
仕方がない。「ロイヤルコペンハーゲン」や「ビング&グレンダール」を啓蒙するためにがんばるか! しかし、とても気が重い。デンマークから感謝状来ないかなぁ…
ここ数日、本当に寒いですね。毎日、耳あてが大活躍です。
さて、先週末、愛知陶磁資料館でシンポジウムも参加した「ジャパニーズ・デザインの挑戦」展の記事が昨日の朝日新聞夕刊に載っていました。
昨日のアップは、ちょっと長めだったので、今日は軽めに、ワヤン・クリッの打ち上げの写真でもアップしようかなと思っていましたが、急遽、変更。なかなか良くまとまっています。記者はシンポジウムに参加していたのかな。読めるかな。小さくてごめんなさい...
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ