＜藤井聡太王位＞（１３７）王位初防衛＠第６２期王位戦７番勝負第５局

将棋の＜藤井聡太王位＞（１９・棋聖と二冠）が＜豊島将之竜王＞（３１・叡王と二冠）の挑戦を受ける、第６２期王位戦７番勝負第５局が２４、２５の両日、徳島市「渭水苑」で行われ、先手の藤井が７７手で＜豊島将之二冠＞を破り、シリーズの対戦成績を４勝１敗とし、王位初防衛を果たしています。

棋聖位を防衛で２冠を堅持し、９月１３日の東京・将棋会館で行われる叡王戦５番勝負第５局で最年少３冠を目指します。両者は７月２５日に開幕しました叡王戦５番勝負でも対戦しており、第４局まで終わり、２勝２敗のタイとなっています。＜藤井聡太二冠＞が勝てば、＜羽生善治九段＞（５０）が１９９３年に達成した最年少３冠を大幅に更新し、史上初の「１０代３冠」となります。

今シリーズは＜豊島将之二冠＞が開幕局で完勝しましたが、その後は＜藤井聡太王位＞が３連勝して迎えた第５局。戦型は相掛かり。１日目は、＜藤井聡太王位＞が４１手２時間１分、＜豊島二冠＞は１時間５３分も考える長考があり、序中盤は両者とも長考合戦となるほど、難解で構想力が問われる将棋になりました。

２日目午前に形勢が一気に動きました。５０手目、＜豊島将之二冠＞が角交換を催促した「後手7五銀」と指すと、＜藤井聡太王位＞は４４分、長考し５１手目に「先手9七桂」と桂馬を跳ねています。誤算があったのか、＜豊島将之二冠＞の手が１時間以上、止まりました。＜藤井聡太王位＞は銀1枚を得する「銀得」となり、一気に優位に立ちました。勝機と見るや、一気に踏み込む＜藤井聡太王位＞の真骨頂でした。

その後は手堅く、着実にリードを広げ、押し切りました。スケールの大きな指し回しで、デビューから公式戦６連敗を喫した難敵を倒し、王位を初防衛です。これで対＜豊島＞戦は７勝９敗としています。

見応えありましたね、角交換を避けての指し手は、相当の先読みが出来ているのと、ここを避ければ相手が混乱することを計算しぬいてのやり方。これにより、今後の対局相手は、ますますやりにくくなると考えます。

難敵豊島二冠への研究は相当なものだと思います。長考戦を制し、さすが詰将棋の実力者だと感心しました。この勢いで羽生さんの２２歳の記録を抜いて１９歳での三冠に期待したいです。