No.170 考えるとは問いと向き合うこと
5月
29日
今日は質問のトレーニングとして
トゥールミンの『論証モデル』を頭に置きながら
相手の話を構造的に捉えるというセミナーに参加しました。
論証モデルというのは、
相手の言っている内容を
「事実(Data)」
「理由付け(Warrant)」
「主張(Claim)」
の3つの要素に分解して、それぞれの妥当性や関係性について確認しながら
図式化できるように構造立てることです。
例えば、「今日のランチは何にする?」というテーマについて
「ラーメンが食べたいな」という主張があった時に
「どうしてそう思うの?」と聞きたくなりますよね。
すると理由として
「今日は気温が低くて肌寒いからだよ」という根拠(理由①)と
「寒い日はあたたかいラーメンに限る!」という論拠(理由②)
が語られると、相手にとても伝わりやすいと。
ただし、一度立ち止まって考えてみた時に、例えば理由①の
「気温が低くて肌寒い」ことが
「ラーメン」はどう関係するのか??
焼肉だってグラタンだっていいじゃないか。
そう考えてみると、その人が無意識の前提として持っている
「寒い日はラーメンがベストだろう!」という
その人ならではの理由②を聴かなければわからないよね。という感じ。
似ている価値観同士だったりすると、そこはスルーしてしまいがち。
例えば、「寒い日はキムチ鍋に限る!」なんて
違った価値観の人だからこそ、
「え、なんで寒い日=ラーメンってことになるの??」
と、相手のことを深く知るチャンスに気が付きやすい。
シンプルに言うと、
主張に対して、「どうしてそう思ったの?」と
わかったふりをせずに深掘りしてみる。そんなイメージでした。
私たちコーチも、セッションの中でクライアントの
独自の言葉や表現には注意深くアンテナを張りながら聴いています。
たとえば
「今言っていた、”自然体”とはあなたにとってはどんな意味ですか?」
「具体的に、どんなことがあったからそう思われたのですか?」
「”自分らしさ”と”他者評価”と二つのキーワードが出てきましたが、これらはどんな関係がありますか?」
なんてこと。
たまに勘違いされるのですが、
コーチはなんでもかんでも全肯定で聴いているわけじゃないです。
目の前の人の
理想に向かうためにはどうしたらいいのだろう?
課題を解決に向かうためにどうしたらいいのだろう?
という『問い』に対して、
共に考えるパートナーとして共に向き合っているのです。
論証モデル、なかなか興味深かったです^^
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