人生で初めて
「本音で話せ! 全部吐き出せ!」
って言ってくれた人がいたんです
本音なんて言えるわけがなかった
「なんであんたはそうなの」
「そんなんで大丈夫なの」
「どうせあんたのことだから」
母は、私の話にいつもそう返した
そうしているうちに
自分の本音が何か、わからなくなった
言葉にならないモヤモヤを、ずっと奥にしまいこんで
ヘラヘラと何でもないキャラ演じて
「大丈夫です」って何でもないふりして
自分を誤魔化していた
でもある人がそれを見逃さなかった
逃がしてくれなかった
私自身も気が付いていない違和感に、真正面から向かってきた
「放っておいて!」
「関係ないじゃん!」
私は逃げた
抵抗した
ここに向き合ってしまったら
可哀そうな私がそこにはいるから
溢れ出す感情を、そのままその人にぶつけた
必死に抵抗した
腹が立った
乱暴に投げた言葉たちが、全部自分に刺さってきた
何時間経っただろう
その人は黙って聴いてくれた
時々、「おう」って応えてくれただけだった
そして最後にこう言った
「それでいいんだよ」
って
もうその人は亡くなってしまいましたが、
私の一番尊敬するロールモデルになっている人のお話です。
投稿日 2024-02-17 02:14
ワオ!と言っているユーザー