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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(38)『ぬけまいる』朝井まかて(講談社文庫)

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タイトルの『ぬけまいる』は、江戸時代に伊勢神宮に雇い人や家族に断りもなく参拝しても、お咎めが無かった「抜け詣り」(御蔭詣り)から付けられています。

登場するは、若い頃に「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれた28歳の、<お以乃>、<お志花>、<お蝶>という江戸娘三人組です。
それぞれに個人の悩みを持ち鬱積した日々を重ねていた三人は、突然仕事も家庭も掘り出して「お伊勢参り」に繰り出し、その珍道中が描かれています。

女性の江戸時代を背景とした道中記は珍しく、読みながら<田辺聖子>の 『姥ざかり花の』 を思い浮かべていました。

道中の背景は、当時(1845年:弘化2年)の史実に基づき綿密ですし、植木職人の世界を描いた 『ちゃんちゃら』 や、植物学者<シーボルト>を描いた 『先生のお庭番』 など植物の世界にも造詣が深い著者で、江戸時代に流行した「変化朝顔」などの話題も登場、なかなか楽しめました。
#本 #読書

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