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Forest Aesthetics 森林美学 頭骨

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               ...                                           © Daisuke Kawai




森の底で羚羊の骸を見つけた
白蝋のような骨だけになっていた

四肢は既に見当たらず
森のけものたちが
思い思いに持ち去ったものと思われる

頭骨だけが,まるでお供えのように
ぽつんと残されていた

遺されたわずかな毛が
うすぎたない老婆の髪のようにも見える
窪んだ眼窩が
なにやら恨みがましいものに思えてくる
居並んだ歯が
生への執着を引き摺っているようで忌々しい
体液のなごりをしきりと舐め取っている
蠅の姿が鬱陶しい

骸は不快だ
おぞましい
もはや腐臭こそ薄らいではいるが
見ているとどうしてか,次第に腹が立ってくる
しかし不快なる聖というものもあるのだ

なにゆえに古人は
頭骨を神前に供えたのか

土に還る
森に還る

そんな上澄みの言葉だけでは決して御しきれない
この猛烈な腹立たしさはなんだ

体液のなごりをしきりと舐め取っている
蠅の姿が鬱陶しい
しかし不快なる聖というものも
やはり明らかにあるのだ









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