自分の好きなところ、言葉にしてみませんか
7月
1日
ボクたちは日常の中で、自分の欠点や足りない部分には敏感でも
「自分の好きなところ」
を意識的に言葉にする機会は、あまりというかほぼないような気がする。
それだけに
自分の好きなところを言葉にすることは、自己肯定感を高めるためのテクニックではなく、『自分という存在』を丁寧に見つめ、信頼関係を築いていくための静かな対話なんだと思う。
それは、自分を甘やかすことでも、過剰に評価することでもなく、「私は私のこういうところが好きだ」と認めることで、自分の輪郭を優しく確かめていく行為のような気もする。
自己理解というと、多くの場合、短所や課題の分析に偏りがちだが、「自分の好きなところ」を言葉にすることで、自分の中にある『肯定的なリソース』に光を当てることができる。
たとえば
「人の話を最後まで聴いてみようとするところが好き」
「小さなことに気づこうするところが好き」
といった言葉は、自分の価値観や行動の傾向を映し出す鏡になる。
で
ここで大事だと思うのは
できているから好き、ではなくて、『そのことに対してひたむくになっている自分』というだけで十分だと思っている。
完璧な自分だけを好きにならなくてもいい。
不完全で至らなくても、何とかしようとしている自分は、愛おしくさえ思えたりする。
何とかしようとしている自分でも、今はそれで💯なんだと思ってもいいのではないだろうか。
それは、自己分析ではなく、自己へのまなざしの質を変える作業。
好きなところを言葉にすることで、「自分はこういう人間でありたい」という在り方が、より明確に、より温かく浮かび上がってくる。
それを感じてほしい。
人は誰しも、失敗したときや他人と比べたときに、自分を責めたり価値を見失ったりすることがある。
そんなとき
「でも、自分にはこういう好きなところがある」と思い出せる言葉があると、自己否定のスパイラルに巻き込まれにくくなる。
これは、ポジティブ思考とは異なると思う。
自分の中に『信じられる部分』を持っているという感覚。
「うまく話せなかったけど、相手の目を見て誠実に向き合えた自分は好きだ」と言葉にしたとしたら、失敗の中にも自分を肯定できる視点を残してくれる。
好きなところを言葉にしておくことは、心の中に『自分を守る静かな拠点』をつくることなんだ。
そして
自分の好きなところを言葉にできる人は、他者との関係においても、過剰に合わせたり、過度に遠慮したりすることが減る。
なぜなら、「自分にはこういう良さがある」と自覚していることで、他者の評価に依存せず、自分らしい関わり方を選べるようになるからだ。
「私は丁寧に考えるところが好きだから、すぐに答えを出さなくてもいい」と思えたとしたら、焦らずに自分のペースで対話ができるようになる。
これは、自己主張ではなく、自己尊重のように思う。
「自分の好きなところを言葉にする」という行為は、自己肯定感を高めるための表面的なワークではない。
それは、自分という存在に対して敬意を払い、信頼を育てていくための静かな習慣なんだと思う。
その言葉は、困難なときの支えにもなり、他者との関係性の中で自分らしさを保つ軸にもなる。
そして何より、自分の好きなところを言葉にできる人は、他者の好きなところにも敏感になり、世界との関係性をより温かく、健やかで居られるのだと思う。
健やかであれ😊