《雅羅・/・ 襍囈〝立春の頃〟❖ ’24-37 ❖》

フクジュソウ(福寿草) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Adonis ramosa Franch.
Adonis amurensis auct. non Regel et Radde
別名:元旦草 元日草 正月草 歳旦草
朔日草  長寿菊  長寿草  報春花  土満作、各地で色々な呼び名がある。
《 今どきの花・・立春に似合う響き !! 》
フクジュソウ(福寿草);
「輝きの黄色の花よ福寿草  子等の上にも届けよ福と寿」
以前「辻占福寿草」(金沢・諸江屋)と言うお菓子を頂いた事がある。
菓子の中に説明紙が入っていた。御神籤(おみくじ)の様な菓子!!
「昔から金沢名物「辻占福寿草」は粋で可愛らしい縁起菓子です。
折りたたまれた紙に、かならずおいで  おもいがよい  むねがやすまる
ほれたなか  ねてはもおかる  たよりをまつ」
なんとも遊び心ある和菓子だ。
*能登半島を襲った地震、改めてお見舞い申し上げます。*
 
覗きこむ子のふしぎ顔福寿草--良寛(りょうかん 1758-1831)。
江戸時代の曹洞宗の僧侶、無欲恬淡、生涯寺を持たなかった禅僧。
諸民の信頼厚く、難説法せず、自らも質素な生活を旨とされた。
「子供の純真な心こそが誠の仏の心」として、
子供たちとよく遊んだといわれている。
淡雪の中にたちたる 三千大千世界(みちあふち)
またその中に 沫雪(あわゆき)ぞ降る 良寛。
 
この節、正月用の鉢植えとして園芸店でみる「福寿草」だが、
野の福寿草は旧暦の正月頃に顔を見せる。
雪の下から鮮やかな黄金色の花を咲かせる、そんな風合いが似合う植物。
園芸品種である「福寿海」だが、身近に見てるのは殆どがこの「福寿海」。
「寿」と表現するは、八重咲きである事を意味するのだそうだ。
自生種は、どちらかと云えば寒地性の植物で、関東地方より北に多い。
そして太平洋側には、あまり自生していない。
「福寿草」は、古くは、賀正蘭、側金盞花、雪蓮などとも呼ばれていた。
日本の園芸書として最古の「花壇綱目」(1681年)にも、
「福寿草、花黄色、小輪也,正月より花咲。
元旦草、朔日草(ツイタチクサ)とも、福つく草とも俗に言」とある。
今の正月に飾られる花は室(むろ)での促成栽培で、
各地生地で咲くのは、2月下旬(早春)の頃。
地上部だけが枯れ翌年の早春まで眠ってしまうスプリング・エフェメラル。
野生自生種(日本固有種)は、なかなか見つけられなくなった。
*       *       *
所要で滞在してる先で、スプリング・エフェメラルに出会えた。
納屋裏の温かな所に開花し始めてる。半世紀も前から見られている由。
野生種・・野の花って感じる周り環境。田舎という表現、好きだ。
「令和陸年(皇紀2684年)2月6日、記」
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《雅羅・/・ 襍囈〝備忘録 '24-4〟❖ ’24-36 ❖》

ナガバサンショウソウ(長葉山椒草)イラクサ科(Urticaceae)
学名:Pellionia yosiei H.Hara 
《 早急に見ておきたい花・一寸、おいそれと出掛けられない遠方だが !! 》
湿った林床に生育する。宮崎県と長崎県対馬だけに分布する日本の固有種。
森林破壊などにより自生地が消失しつつある。 
ナガバサンショウソウは,ごく限られた地域に生える珍しい植物。
葉が細長くて斑が入るのと葉縁が鋸歯の先で反りあがるのが顕著な特徴。
ナガバサンショウソウのほかサンショウソウにしか見られない特徴。
雌花の花被片や茎にはには微細な毛が生える。花期は秋から春に及ぶ。
絶滅危惧ⅠB類 (EN) 。
 
「令和陸年(皇紀2684年)2月5日、記」
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《雅羅・/・ 襍画〝備忘録 '24-3〟❖ ’24-35 ❖》

ナギイカダ(梛筏) クサスギカズラ科(Asparagaceae)
学名:Ruscus aculeatus L. 
ナギイカダ(梛筏)の若い花??
上記2画像は、借り物。
《 未見の植物、’24・・其の三、ナギイカダ(梛筏)  !!》
常緑の小低木。茎はよく分かれ、高さ10~100cmになる。
葉のように見えるのは枝で、中央に淡緑色の花をつける。
果実も同様の場所で赤く熟す。
普通、人はこの植物の扁平となった茎を葉と思うに違いない。
この木の葉はごく小さくて鱗片状。その形態は、不思議だ。
ナギイカダで葉に見えるのは,仮葉枝(かようし)と呼ばれる器官。
この仮葉枝は、葉なのか茎なのか??研究の結論が出た。
この仮葉枝で、茎で働く遺伝子(STM)と葉で働く遺伝子(YABBY)、
どちらが働くか調べた研究で、どちらの遺伝子も発現している、と解った。
この仮葉枝、葉と茎両方の性質をあわせもつ器官のようだ。
Y. Hirayama et al. (2007) Development Genes and Evolution 217:363-372
(国立博物館・筑波実験植物園、堤千絵 氏の解説) 
和名は、葉の様子がナギに似て、花が花筏の様に葉上に咲く様に見える事から。
古くから栽培されていた。刺がある事で枸橘と同様に生け垣に使われていた。
根茎は匍匐し、太く、仮軸分枝し、茎を多数、直立する。
灌木の茂みは楕円状~ピラミッド状。
茎は多数の縦条線があり、緑色、直立し、多数分枝して、高さ20~80(100)㎝。
葉は三角形の乾膜状の小鱗片、長さ2~4㎜。
代わりに堅い革質の葉状枝(cladode)が葉腋から出る。
葉状枝は長さ1~3.5㎝、幅1~2.5㎝、卵形、全縁、暗緑色、先が刺になる。
ほぼ雌雄異株であり、両性花だけの株や、雄株に雌花がつくこともある。
これは不完全雄花(subandroecious)と分類されている。
雄株と雌株は外観がよく似ている。
花は1~2個、葉状枝の上面の中央にある長さ約2㎜の小さな乾膜質の苞の腋につく。
短い花柄がある。花被は緑白色~白色、長さ1.5~3㎜。
花被片は3個ずつが2輪につき、パピラがある。
雌花は子房の周りに、花糸が融合して杯形になってつく。
子房は上位、単室。柱頭はほぼ無柄、頭状。
雄花は雄蕊3個、花糸は緑色~紫色、退化した子房の周りに、環状に融合する。
果実は鮮やかな赤色、球形、直径8~14㎜、1~4個の大きな種子が入る。
*       *       *
飾磨の緑地(泉の森)には同様の形態の花筏が元気に生育している。自然界の妙。
 
 「令和陸年(皇紀2684年)2月4日、記」
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《雅羅・/・ 襍囈〝節分〟❖ ’24-34 ❖》

《 節分という日 !! 》
節分とは、毎年2月3日頃におこなわれる伝統的な年中行事。
毎年2月3日とは限らない。時節を調べていて知った!!
節分とは、年に4回訪れる立春・立夏・立秋・立冬の前日を指す。
それが、「立春」の前日のみを「節分」と呼ぶようになった。
悪いものを追い出し縁起のよいものを食べ新しい季節を迎える。
健康であるように祈願を込め「邪気」を追い出す行事。
この節分は毎年「2月3日」とは限らない。「立春の前日」故に。
調べると、来年は2月2日(日)が節分。日付的にピンとこない!
更には、節分の「豆まき」だが、昔の“撒き方”をしなくなっている。
病気や災害等の災いは、総て「鬼」の仕業。その鬼を追い出す豆まき。
それ故、鬼は、外。福はうち(家)と大声で豆を撒いたものだ。
撒き終わって我が家では、赤飯とけんちん汁を頂いたのを思い出す。
昨今は、恵方巻きを食べるのも一般的だが、関西の作法と聞いていた。
地方によっては鰯を飾ったり、食べたり。又、そばを食べる所もある由。
古くから伝わる色々な処し方、由来を子供たちにも伝承していきたい。
豆(福豆)にしても炒った豆を用いる(伝説・物語も伝え示さないと)。
我が家では「年取りの日」と節分にひとつ年を取ると云われて来た。
それ故、「節分に年の数だけ豆を食べる」と、毎年食べされていた。
自分の年齢数だけ豆を食べると健康に、病気になりにくくなると云われ来た。
鎌倉という地でもあって“けんちん汁”を食すのが常だった。
もう何十年になるだろうか? こうした風習を処していない。
けんちん汁、頂きたくなった。肌寒い今日の様な陽気だと・・。
 
「令和陸年(皇紀2684年)2月3日、記」
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《雅羅・/・ 襍囈〝季節名の花〟❖ ’24-33 ❖》

セツブンソウ(節分草) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Eranthis pinnatifida Maxim.(Shibateranthis pinnatifida)
《 節分という名の花 “節分草”とは!?!  》
2月3日は、節分と云う伝統的行事は知られた所だが、草名にもある。
植物研究者によれば、日本特産で山地の木陰等に群生する小形の多年草。
白い花弁に見えるのは萼であると云われるが・・・!?!
花弁は、糸状で二又に分かれ先端に黄色い雄蕊状の密腺(蜜槽)がそれである。
木の葉が茂る春頃に種子が散布され、地下の塊茎に栄養分を貯める。
地上部は枯れて翌年の2月まで眠ってしまう春植物。 
こんなサイクルを持つ草花を、スプリング・エフェメラルと呼んでいる。
地上部が短命である様子を称して「春のはかない命」といわれている。
属名のEranthis(エランティス)は、ギリシャ語で「春の花」の意。
和名は早春に花を咲かせるを意味するが、節分の頃より少し遅く咲く。
奥秩父、両神村や栃木県星野町(日本の北限)にセツブンソウの群生地がある。
山地の木陰などに群生する姿は、森の妖精達の乱舞に映る、と称した人がいた。
 
「令和陸年(皇紀2684年)2月2日、記」
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《雅羅・/・ 襍囈〝厄年〟❖ ’24-32 ❖》

《  現在では、真摯に語られない表現!?!  》
二月に入ってしまった。早い、あっという間に一月をもった。
今年は、私事的には超多忙・・激務の連日にうんざりしていたが。。。
二月一日に、「明けましておめでとうございます」!?!
寝ぼけてる!!って云われても不思議ではないだろう。。。!
古くからの慣わしでは、毎年二月一日を重ね正月(一夜正月)と呼んだ。
その年の2度目の元日とし、「厄年」を迎えた人のための特別の日。
2月に元日を今一度迎え、歳を一つ多くとったと仮定して、
厄をやり過ごしてしまおう、とする厄年の人のための2度目の正月。
気の持ちようだろうが、人生で3回訪れる厄災が降りかかるとされる厄年。
陰陽道の影響を受けて生まれ、平安時代に公家で広まり武家や庶民に広まる。
古来、「祝う」同様に神に仕える役割、その年齢と考えられていた。
それが、いつしか「役」が「厄」へと転換されたのはなぜだろう??
「厄年」数え年の男性、25、42、61歳。女性、19歳、33歳、37歳。
人生での転機、大きな変化が生じる頃と考えられてきた。
変化に動じず大事な時期こそ平穏に注意深く過ごす、先達の教えか。
「重ね正月」「一夜正月」「歳重ね」とは、上手い風習と捉えたい。
本厄とか、前年の前厄、後年の後厄、、、要は慎重に、との考え方。
「令和陸年(皇紀2684年)2月1日、記」
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《雅羅・/・ 襍画〝1月野花(2)〟❖ ’24-31 ❖》

ヒメウズ(姫烏頭) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Semiaquilegia adoxoides (DC.) Makino
別名: トンボソウ
《  泉の森の野草、2024年初観察  》
ヒメウズ(姫烏頭);
ウズとは鳥の頭と書き、トリカブトのこと。
ヤマトリカブト などの葉と似ているが、 ヤマオダマキと同属。
花は、小さく全体に細い。根茎は長さ約1㎝の塊状。
茎は、紫褐色で軟毛が生える。
根生葉には長い柄があり、3出複葉。
小葉は丸く2~3裂し、裂片は更に浅く2~3裂。
花は下向きに咲き、直径4~5㎜。
花弁は筒状に5個つき、淡黄色。
雄蕊9~14個、内側の雄蕊は仮雄蕊。
雌蕊2~4個。萼片5個、白色~淡紅紫色の花弁状。 
路傍や畑の畦、林縁などに生育する。
どちらかと云うと半日陰の水気のある場所に生育する。
土壌は小さな礫を含む通気性のよい場所であることが多い。
晩秋から目立ち始め、春に花を咲かせる小型の植物。
花も小さくて目立たないが、清楚・・可憐である。
花弁に見えるのは顎片で長さ5-6mm。
中心部の花弁も5枚、雄蕊を取り囲み長さ約2.5mm。
白色であるが、ほんのりと紫色を帯びている。
今年も早くに花咲かせていたが、なんとも小さい花。

「令和陸年(皇紀2684年)1月31日、記」
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《雅羅・/・ 襍画〝1月野花(1)〟❖ ’24-30 ❖》

ヒメリュウキンカ(姫立金花)キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Ranunculus ficaria L.
別名: オウシュウキンポウゲ(欧州金鳳花)
《  泉の森の野草、2024年初見  》
ヒメリュウキンカ(姫立金花);
今年も以前と同じ場所、同じ季節に花を見せた。
ヒメリュウキンカは、イギリス原産と言われている帰化植物。
葉は、心形で艶がある。春を感じさせる明るい黄色い花。
スプリングエフェメラルとも言われている。
次々と咲く黄色の6~8枚の萼花弁、キラキラと輝く。園芸種も多様。

「令和陸年(皇紀2684年)1月30日、記」
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《雅羅・/・ 襍囈〝雑草と呼ばれる草〟❖ ’24-29 ❖》

アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)   マメ科《Fabaceae》
学名:Desmodium paniculatum (L.) DC.
(荒地盗人萩の種子)
《  泉の森・民家園の野草  》
アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)の種子;
シモバシラを見たく訪れた泉の森・民家園だが、願いは叶わなかった。
庭の手入れをしていた職員にシモバシラの近況をお聞きした。
ロウバイやミツマタは、例年通り楚々と咲いていた。
霜柱は、斜面の所に見えるが少し離れた所に荒地ヌスビトハギの種子が見えた。
北米原産で比較的近年入ってきた帰化植物。葉は3小葉で両面に伏毛が密生する。
花は帯青紫色で、ヌスビトハギよりやや大きい。豆果は節果で5〜6個の小節果。
小節果のくびれは浅く曲がった毛がありマジックテープの様に衣服にくっつく。
厄介な種子だが、見る分にはかわいい姿である。
 
「令和陸年(皇紀2684年)1月29日、記」 
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《雅羅・/・ 襍囈〝枯れ茎に綿菓子〟  ❖ ’24-28 ❖》

2021/01/09泉の森民家園。
シモバシラ(霜柱)  シソ科《Lamiaceae (Labiatae) 》
学名:Keiskea japonica Miq.synonym Collinsonia japonica (Miq.) Harley
2021/01/09泉の森民家園。
2018/01/12泉の森民家園。
2024/01/14泉の森民家園。
気温も高め、地表も乾いている。
 
《 恒例・民家園での捜し物?? 》
シモバシラ;
我が同年代人の幼少・・青年期頃、首都圏・住まい居た神奈川東部三浦半島。
比較的暖かな地域だが、其の地でも今の時期には朝方は0℃以下になったものである。
今、住まい居る厚木飛行場近くでもここ数日の朝には薄氷が張っているのだが。。。
しかし、地表から少し地下では土中気温が余り下がらない。おまけに雨量が極端に少ない。
こんな気象条件に困っている植物(野草)がみえる。シモバシラと云う野草だ。
泉の森内の林床では、ここ民家園でしか見れない(知らないだけだが)。
和名の由来が、初冬の時期に枯草の茎に霜がつき霜柱が出来ることに由。
茎は断面が四角形、下向きに曲がった毛があり花序軸には毛が多く腺点もある。
葉は、長卵形~長楕円形、鋸歯縁。葉裏には腺点が密生し、茎頂に花穂を伸ばす。
花は、花序の片側にそろってつく。花冠は、白色~淡紅色の唇形、上唇2浅裂、下唇3浅裂。
下唇内側に白毛があり雄蕊4個。葯は紫紅色。萼には、白毛と黄色の腺点がある。
萼の内面に長い白毛があり花冠との間に毛先が見え、萼は果時にも果実を包んで残る。
花冠の淡紅色の品種をウスベニシモバシラと云う。初秋に白い花を穂状に沢山つける。
ここ数年、気候・気温が高く、零度以下が続かず、雨量も少ない。従って夢霜状態。
 
「令和陸年(皇紀2684年)1月28日、記」
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