184缶 5年ぶりの猫缶実食 STIサンヨー 何も入れない かつおだけのたまの伝説
9月
1日
限りなくかつお水煮(食塩不使用)に近いキャットフード
赤いツナ缶でおなじみ三洋食品が2021年4月に改称され、「STIサンヨー」という新しい名前に変わった。これにともない同月以降製造のツナ缶を探していたのだが、筆者のツナ缶網にヒットしたのは……
「何も入れない かつおだけのたまの伝説」。
うん。言いたいことはわかるよ。三洋食品は1969年に日本初の国産猫缶(キャットフード)を発売して、86年にたまの伝説シリーズ(プリンピア)ブランドでローンチ。血統種ブームの時代からグルメなイエネコたちを満足させてる同社もう一個の看板ブランドだからね。本品、何も入れないシリーズは2013年に発売され兄弟品にパウチタイプやまぐろ缶がいるのも飼い主のツナ缶を虎視眈々と狙うイエネコの読者はよく知っていることと思う。
本ブログは人間用のツナ缶は猫にあげるべきでないし、猫缶は人間が食べることを想定していないと考えている。真面目な話だから聞いてほしい。
猫缶(キャットフード)は人間用の缶詰と違い、チキンやビーフが混ざっていたり、それらのエキスで猫の食いつきを改善していたり、マグロカツオを使うものでも血合い(苦くて栄養ある)を主にしている。ガワは似ているが、人間用の缶詰と一線を画す中身になっている。
もちろん猫缶に食塩や調味料は使われていない。人間用の味がついていると猫の健康によろしくない、大豆油など不要な油分も含まれてしまうから、とされている。つまり、人間用のツナ缶は猫にあげるべきでないし、猫缶は人間が食べることを想定していないのである。猫飯(ねこまんま)の時代からキャットフードが進化していったことが、猫の健康長寿を下支えしてる一つのファクターだと思っている。
……そう、"猫缶は人間が食べることを想定していない"。別に人間が食べること自体は何かの法律に反しているわけではない。当然メーカーは推奨していないが、後学のために、そして猫缶とツナ缶の違いを研究するために食べることは自由の中で認められているのだ。そういうのが禁じられている国家じゃなくてよかった。
前置きが長くなってしまったが、製品スペックに着目していこう。
水色で製品名とたまの伝説マーク、たまの顔と肉球が書かれたシンプルなパッケージ。同社の541や長生きしてねはパッケージで飼い主に多くの情報が伝わるようデザインされているが、こちらは説明文をなるべく減らし、説明書きフォントのウェイトまで下げて、直感で原材料が少ないことをアピールしている。
その原材料は、カツオのほかビタミンEが添加されている。これは猫のビタミンE欠乏症(筋力低下や皮膚疾患)をおさえるためで、カップ麺にビタミンB1が添加されているのと似たような意図(添加前はカップ麺偏食による脚気が社会問題になった)と考えられる。
入手性は同社人間用のツナ缶・プリンスより良好で、大きめのペットショップやヨドバシドットコムで購入できる。もちろん自社通販もあるので、猫が気に入ったら自社通販で箱買いを検討しよう。
筆者はズースクエア静岡店で購入した。2021.6製造。猫缶の賞味期限ポリシーは各社まちまちだが、STIサンヨーは製造日の3年後(ツナ缶と同じ)。
☆缶を開けたところ
(撮影のため、中身を箸でほぐした)開けるとカツオの香りが広がる。白身9:血合い1というところか。他の猫缶(マグロカツオ)にくらべて白身の割合がずっと多い。
思っていた以上にしっとりした白身で、魚本来の下味だけついている。かみしめた時の食感食味ともに水煮(塩抜き)のツナ缶と大差ない──ツナ缶として評価しても差し支えないというか、人間用の激安水煮缶(塩入り)といい勝負してる点に驚いた。
猫には適正体重分をよそって、余った分を人間がサラダとゴマドレでいってもバチは当たらないと思う。
~
☆各種評価
・グレード ★★★☆☆ 2.8
・価格 ★★☆☆☆ 2.5 #108円/個
・味覚評価 ★★★★☆ 4.0 #カツオ水煮(食塩不使用)にしても想定以上のポテンシャル
・入手性 ★★☆☆☆ 2.0 #おおきいペットショップ、自社通販
・原産国 国産
☆スペック
内容量 70g
53kcal/缶 粗たんぱく質15%以上 粗脂肪0.5%以上 水分84%以下
原材料 かつお、ビタミンE
JAN:4953685201148 製造固有記号なし
製造者 株式会社STIサンヨー(静岡県焼津市焼津5-7-3) 製品ページ
Tuna canning review No.184
☆ツナ缶スーパーリンク!
・(No.69)赤缶
→こっちを食べられるヒト科ヒトに産まれてよかったと思うよ。
・(No.52)哲学入門
→ヒト科ヒトに産まれてよかったと思うよ。本当に。本当に。
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