ポルトガル製のオリーブオイルツナ缶 「長井ずみ 夏休みの自由研究」と称して、普段取り上げない海外ツナ缶を前後編あわせて2缶取り上げたい。前編の今回は、しずてつストアで見かけた謎の海外ツナ缶。クラフト紙のスリーブに「ATUM」という切れた文字とマグロが描かれ、いかにも成城石井や百貨店で見かけそうな出で立ちをしている。 家に引き取って調査してみたが、 ・ラゴンドラというポルトガルのオーガニックエキストラバージンオリーブオイルを使い ・ポルトガルのFÁBRICA DE CONSERVAS社が製造し ・静岡県浜松のポルトドポルトが輸入卸している ・静岡県の蔵で熟成させている という点を確かめることができたものの、これ以上の情報を見つけることができなかった。英語表記のない海外ツナ缶は一瞬でちんぷんかんぷんになってしまうが、せっかく手に入れたのだから筆者で分かった分だけでも筆を走らせておきたい。 ところで、ポルト社ブログのオイルサーディンの記事にはツナ缶の工場見学してる記述があるのだけど、もしかして同じ工場なのだろうか。同社インスタを見てもツナ缶の記述があるのはこれしか発見できず。あとTwitterは既に消えていた。 1缶780円と超高級品クラスの価格だが、ポルトガル現地では3ユーロちょっとで販売されているようなのでグレード区分は高級品とした。海外ツナ缶のインポート品はどうしても高くなるため、値段は妥当だろう。近い製品仕様で国産ツナ缶のクレアテーブルが626円(No.70)だし、一番上は1,296円(No.48)だし。一番高いアイツの存在が輸入ツナ缶を相対的に手ごろに見せると、誰が想像しただろうか…… 重ねて真の姿を見せる このように二つ重ねると真のパッケージデザインが見える。一個だけだとなんかしまらないツナ缶蒐集家の心をしっかり読んだデザインとなっている。 ポルトデポルト公式HPの取扱店を見ると、シャレオッツな感じのお店に並べてあるらしい。いちおう自社通販でも購入可能だ。 スペックはこのうえないほどシンプルで、オリーブオイルと塩だけで味付けされている。化学調味料や27品目のアレルゲンは含まれていない。2022.12が賞味期限だが、国産/輸入ツナ缶ではないため製造日は逆算できない。 缶を開けたところ プルタブ立てた瞬間にオリーブオイルが溢れる。油の量多すぎじゃない? 開けきるまでにクッキングペーパーか何かで油で吸い上げることをおすすめする。 中身はほぐし身が1/3程度で、残りは年輪状になった塊を半分にわけている。 オリーブオイルの香りとインパクトが強いのはクレアテーブル(No.70)と同じだが、向こうが果実味一辺倒に対してこちらは葉のような青々しい香りを放っている。これがオリーブオイルの銘柄の差だろうか。身の味は塩気を強く効かせていて(有象無象の海外ツナ缶に比べたら)食べやすい。 海の向こうでも、ツナ缶の高級化という概念が日本同様に存在していることがわかった。 海外ツナ缶ゆえに情報不足はなはだしい部分があるが、大目に見てほしい。こういうのは恐らく間違いなく絶対に山下東子先生のほうが詳しいはずだ…… 各種評価 ・グレード ★★★★★ 4.8 ・価格 ★★★★★【5.5】 #780円/個 定価 ・味覚評価 ★★★★☆ 4.0 ・入手性 ★☆☆☆☆ 1.5 #自社通販ありアフタヌーンティーなど? ・原産国 ポルトガル ☆スペック 固形量78g / 内容総量120g 256kcal/缶 食塩相当量0.8g 原材料 ビンナガマグロ(65%)、BIOエクストラバージンオリーブオイル(34%)、食塩 EAN:5602910000955 製造固有記号なし 輸入者 ポルトデポルト合同会社(静岡県浜松市中区船越町1-6) 製品ページ 製造者 FÁBRICA DE CONSERVAS(Rua D. Marcos da Cruz, Lotes 19/20 4455-482 Perafita Matosinhos PORTUGAL) Tuna canning review No.111 ☆参考資料 ・「サーディンが作られている現場をノゾキミ!」ポルトデポルト公式ブログ 2018.3 http://porto-do-porto.blogspot.com/2018/03/blog-post.html ・(ポルトガルのネット通販サイト)Organic Planet:「Filetes De Atum Em Azeite Virgem Extra Bio」3.10€ https://organicplanet.pt/produto/filetes-de-atum-em-azeite-virgem-extra-bio/
投稿日 2018-08-09 08:51
ワオ!と言っているユーザー