《襍草・/・古往今来159》藪煙草

《襍草・/・古往今来159》藪...

ヤブタバコ(藪煙草)   キク科(Asteraceae)
学名:Carpesium abrotanoides

各地の野原・里山の林縁などに見られる。
茎は太く0.5~1mの背丈があり上部から数本の長い横枝を放射状にのばす。
横に枝分かれをした葉の脇に黄色い花(頭花)が下向きにずらりと並んでつく。
根生葉と茎の下部につく葉は広めの楕円形で皺があり縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
下部の葉長30cm位、幅15cm位の広楕円形~長楕円形、両面とも短毛が生えている。
ヤブタバコの実。3mmほどの小さな種の先には粘液が付く。所謂「ひっつき虫」。
和名の由来は、藪に生え、根際から生える大きな葉が煙草の葉に似ているから。
この「ひっつき虫」、衣服につくと結構取るのが面倒だったことを覚えている。

9月7日誌「大和市・泉の森」

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《襍草・/・古往今来158》石見川

面白い葉と総状花序だが、小さく... 面白い葉と総状花序だが、小さくて見過ごしてしまう。それに地味な色合いなので尚更気づかないかもしれない。
色は、地味だけれどしっかりと花... 色は、地味だけれどしっかりと花の形を見せてくれる。
綺麗な色。 綺麗な色。

イシミカワ(石見川、石膠、石実皮) タデ科(Polygonaceae)
学名:Persicaria perfoliata

淡緑白色の花は、蕾なのか種なのか、地味で目立たないほどに小さい。
茎は長さ1~2mにのび下向きの鋭い刺で他の草や木にからみつく。
葉は互生、長さ2~4cmの三角形、葉柄は葉身の基部近くに楯状につく。
托葉鞘は鞘状の部分は短く、上部は葉状に広がって円形になる。
茎の先や葉腋に短い総状花序を出し淡緑色の花が10~20個かたまってつく。
花序の基部に丸い葉状の苞があってこれはよくよく目立つ。
花被は長さ3~4mmで5中裂。
花のあと花被は多肉質になってそう果を包み、直径約3mmの球形になる。
花被の色は緑白色から紅紫色、青紫色へと変化する。
そう果は黒色で光沢がある。
ダテ科の植物、変わった護身用の棘を持っているが特徴的。
眺めていると、花を守っている盾のような葉も微笑ましい。

毎度ながら、花名の付け方って???


9月6日誌「大和市・泉の森」

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《襍草・/・古往今来157》蘿藦

ガガイモ・・小さな花と葉の形、... ガガイモ・・小さな花と葉の形、絶妙に似合っている。
なんとも言えぬ風合い なんとも言えぬ風合い

ガガイモ(蘿藦・蘿芋)   キョウチクトウ科(Apocynaceae)
別名:ゴガミ, クサパヤン
学名:Metaplexis japonica (Thunb. ex Murray) Makino

日当たりのよい野原にはえ、長く伸びるつる性の多年草。
地下茎で繁殖し、茎は切ると白色の乳液が出る。
葉は長さ5-10cm位で長卵状心形で対生する。
葉腋に総状花序をつけ星型で内部が淡紫色の花(1cm位)を十数花つける。
袋果は長さ6-10cm位、熟すと片側で裂け褐色の種子を出す。根は有害。


花名は、ガガミイモの転訛、葉が亀の甲羅に似ている為、スッポンの意味であるゴガミ??
かがまなくちゃ見れない場所に生えているからカガミイモ、略してガガイモ、とか??
諸説紛々。毛が多い星形の花は面白い。芳香もある。若芽は食べられる。
種子の絹糸状の毛は綿の代用として針山や朱肉などに用いられた。
種子を乾燥させたものを蘿摩子(らまし)といい、血止め・強壮薬に用いられた。
花冠が白色のものをシロバナガガイモという。

9月5日誌「大和市・ふれあいの森」

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《襍草・/・古往今来156》黄蓮華升麻

下向きに咲くことが多いが、横向... 下向きに咲くことが多いが、横向きに咲く姿、誇らしげ!!
是非にも訪ねたい・・・剣山。 是非にも訪ねたい・・・剣山。

キレンゲショウマ(黄蓮華升麻) アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Kirengeshoma palmata Yatabe

花が、下向きに咲く、お辞儀をしているようで蕊の状態を見るに憚る。
キレンゲショウマは、キンポウゲ科のレンゲショウマとは別の種属。
アジサイ科キレンゲショウマ属である。
葉の脇に疎らな円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、
全体をみると円錐形になる)を出し筒状の黄色い花を斜め下向きに数輪つける。
花弁は5枚で肉厚、平開せず、雄蕊15本、雌蕊花柱は3本。
葉に特徴があり、大形の円心形で手のひら状の切れ込みがあり、向い合って(対生)いる。
茎の下部の葉には柄があり、上部の葉には柄がない。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)。
環境省のレッドリスト(2007)では、絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
属名の Kirengeshoma は日本語の「黄蓮華升麻(キレンゲショウマ)」からきている。
種小名の palmata は「手のひら状の」という意味。開花時期 7~9月中旬。
分布:紀伊半島、四国山地、九州山地など、ごく限られた地域。
ブナ林の中や湿った石灰岩地に見える希少な花。
この花は学名で分かるように日本の植物学史上で記念すべき花でもある。
1890年、東京帝国大学教授、谷田部良吉がこの属を日本人として初めて発表したものである。
1種だけで1属をなしている特殊な植物。レンゲショウマも同様だ。
我々関東人は、植物園でしか見れない。最も園芸店にはあるが。。。!?!
四国・徳島・剣山の野種群落は、有名だがまだ訪れたことがない。


9月4日誌「東京大学附属・日光植物園」

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《襍木・/・古往今来155》玉紫陽花

花開く前の姿。玉・・・・!! 花開く前の姿。玉・・・・!!
花が開花すると紫陽花って分かる... 花が開花すると紫陽花って分かる。真ん中辺に覆っていた殻が少し見えるが、開花すると殻は落ちてしまう。
タイミングよく出くわさないと、、、。
開花すると、遠目に見ると花全体... 開花すると、遠目に見ると花全体が「フワァっと」した感じで優しい。

タマアジサイ玉紫陽花    アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea involucrata Sieb. var. involucrata

ツボミが開き、中の花びらやガクが顔をだした時が最もわかりやすい。
季節外れ、遅れて咲いたアジサイではない。
高さは約2m。葉の形は長卵楕円形・倒卵状楕円形・倒卵形。花序は白色または紫がかる。
福島県~岐阜県の太平洋側の山地で見られる。
名前の由来、最初花序が総苞に包まれて球形であることから。
紫陽花行脚の〆に拝む花。


9月3日誌「大和市・泉の森」

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《襍草・/・古往今来154》奄美草紫陽花

画像は、借り物です。 画像は、借り物です。
かわいいですね、ほんと。。。!... かわいいですね、ほんと。。。!(画像は、借り物です)

アマミクサアジサイ(奄美草紫陽花)    アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名: Cardiandra amamiohsimensis Koidz.

両性花のみ・・コアジサイやジョウザンアジサイと同様に装飾花なる萼がない。
奄美大島と西表島にだけに見える固有稀少種。
個体数が減り「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い」
絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
自生する姿、未だ拝したことがない。今時分に見れるらしい。
南国にあって、季節的に最後に拝せる紫陽花。一見の価値ありそうだ。
天星した若者を偲んで来年は、訪ねたい。
慎ましく・・楚々と咲く姿、魅せてくれますねぇ。

9月2日誌「奄美大島」

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《襍憾・/・古往今来番外》言葉を失う。

シャボン玉!?! シャボン玉!?!

9月8日は十五夜。
今月の表紙と思って画像を作っていた。


今年の夏は、全国各地で大災害があり、亡くなられた方も・・・。
謹んで哀悼の意を表したい。被災された方々、お見舞い申し上げます。

この8月は、個人的だが天星された友・知人を幾人も見送った。
各地を訪れ感慨に胸苦しめられ辛い1ヶ月間だった。

気持ちを新たにして、ブログに向かっていると・・・。
親しい友から電話が入った。
【「豪太郎」が、不慮の死で・・・!10月5日にお別れ会を!?!】
長男の悪友の兄が・・・!言葉を失う。


*  *  *
8月の後半、昔を思ってか、高山植物を思い出していた。
今、こうしていられるのは・・・山での事故があったから・・・と。
ヒマラヤを目指し、偵察登山で見たマチャプチャーレ(山名)に感激し・翌年の本番に向かって。
その本番の年の初夏、黒部の丸山東壁で事故を引き起こした。
脊髄等を痛めて、登攀を諦めたは、断腸の思いだった。だが・・・それ故、今がある。
登攀仲間・友、沢山の仲間、ほとんどの仲間は山で天星してしまった。
山でだ。。。
僕にしても高校を卒業した時、お祝い山行、春の穂高奥又白で雪崩に遭遇。
4年後、ヨーロッパへと。。。だがその実は、悲惨な結果だった。
22歳の夏、アルプスの壁を・・と出かけた・・・。
快適さを誇る“Aiguille du Midi South-East Pillar(Rebuffa)”
7ピッチ程度の短い登攀、天気予報も装備も慎重に対処せず登攀開始。
核心の3ピッチ目を終わった所で天候急変、2日間ツエルトを被ったままで!!
よくぞ生きていたものだ、と今にして思う(その時のパートナーは、谷川岳で2年後、亡くなった)。
結果、3日目の晴れた朝、ヘリに救助されて。そのまま病院へ直行。
危うく3本の足指を切断するところだった。運良く五体満足で退院出来た。
そして、3年後の上記事故で登攀をやめた。
だが10数年後に子供達とモンブラン・マッターホルンを登ることができた。

傷心の思いを抱えて退院したのが、1968年9月1日であった。
そんな思い出の日に・・・。
我が子年代の親しき子が、、、3人目だ。天星なんて、なんとも忍びない。

*  *  *
長男が、小学校で初めて得た友達「雷太(名前)」。
奴の長兄「豪太郎」、中々の心意気ある子だった。
長兄の彼は、感覚がおじいちゃんに似ていると聞いていた。
テレビの創成期番組で「日真名氏飛び出す」というのがあった。
その日真名氏を演じていた方(久松保夫さん)の孫だ。
久松保夫さんの名前・顔は存じ上げていたが、お会いしたことはなかった。。。
久松さんの奥様(我々は、オバアチャマと言っていた)も往年の名ダンサー。
今は無いが、東京数寄屋橋に「日劇」と云う大きなホールがあった。
オバアチャマは、そこのトップダンサーだった由。
娘(紅)さんは、保護者友達。以来、家族ぐるみでお付き合いしてる唯一の家族。
「豪太郎」君とは、この春、彼のお子さんともども会っていた。
不慮の事故、とは申せ、只々、ご冥福を祈るばかりだ。
いたたまれないって、今の我が心境。。。辛い。


9月1日誌「友よりの知らせ」
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《襍崋・/・古往今来153》細葉雛薄雪草

《襍崋・/・古往今来153》細...

ホソバヒナウスユキソウ (細葉雛薄雪草)  キク科(Asteraceae)
学名:Leontopodium fauriei var.angustifolium

上信越地方の至仏山(尾瀬)・谷川岳周辺にしか見れない固有稀少種。
「ヒナウスユキソウ」の変種で、二千メートル級の蛇紋岩地帯に生える。
背丈10~20センチ位、葉は広線形または長楕円形で表面には綿毛が密生する。
茎の先に黄色い花を咲かせ、総苞が星形につく。
「ホソバヒナウスユキソウ」どことなく日本的な花名に映るのは主観的すぎるか?
国内の薄雪草仲間は、5種類。本州・四国、九州の低山帯に分布するウスユキソウ。
北海道東部と礼文島には、レブンウスユキソウ、早池峰山にはハヤチネウスユキソウ、
中央アルプス木曽駒ケ岳にはコマウスユキソウ、
本州北部、秋田駒ヶ岳、鳥海山、月山、朝日連峰、飯豊連峰にはヒナウスユキソウ、
(一般的には、ミヤマウスユキソウの方が通じるかも知れない)が、分布している。
みな全草に綿毛があり新雪を頂いたようなふわふわの総苞葉が美しい。名の由来でもある。
蛇紋岩の岩場に点々と咲くホソバヒナウスユキソウ、朝露を浴び陽の光にきらめく。

我が若き頃の谷川岳一ノ倉沢岸壁群は、其々のルート、順番待ちの盛況を誇る登攀の聖地だった。
学生には時間があり、わざわざ山頂近くにビバークして翌朝この美しい花に見入った覚えがある。
後にスイスアルプスで見たレオンボディウム・アルピヌム(エーデルワイス)も神秘的だったが、
スイスでは乱獲等で自生地は減少の一途。山岳放牧を減少原因に挙げられているがこれは???
長い間、放牧は続いている。15年ほど前には、スイスの登山基地周辺では、ごく普通に見れた。
“自生野種の花々”もっと大切にすべきだ。国内に置いても同様と思える。
稀少・・・絶滅危惧種の植物を個々の生活地(下界)で育てることは極力避けたい。
植物も動物も同じと心得たい。

流れる霧にみえかくれ、朝露に陽が差した瞬間、ここでしか感じることが出来ない崇高な気分。
背丈15cmほどの可憐さだが、なんとふくよかに見えることか!!
余りにも美しい、貴重な花。来年は、訪ねてみたい。思い出した魅惑の花。
2014年、晩夏

8月31日誌「谷川岳」

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《襍崋・/・古往今来152》投薬竜胆

《襍崋・/・古往今来152》投...

トウヤクリンドウ(投薬竜胆) リンドウ科(Gentianaceae)
学名:Gentiana algida Pall

トウヤクリンドウは夏の終わりごろ高山帯の岩場で見かけるリンドウの仲間。
花は日が当たらないと開かない。しかし風衝草原や礫地を好む不可思議さ。
空に向かって咲く姿は、濃い緑の葉とその上に咲く淡い色合いの花が互いを引き立てている。
晩夏を飾る稜線の華なる趣き。淡黄色の花冠は緑色の斑点があり,筒形で長さ4~5cm。
リンドウの仲間には根に猛烈な苦さがあり、竜の胆と書く。
これは「竜胆(りゅうたん)」の音読みが「りんどう」に変じたものらしい。
「竜胆」名は、葉が龍葵(イヌホウヅキ)に似ていることに由来するとか。。。!
根は熊胆(ゆうたん=いわゆるクマノイ)のように苦いことから、「龍葵+熊胆=竜胆」に由。
又、トウヤク(当薬)とは薬草になるセンブリのこと。
「当薬」または「唐薬」の別名を持つセンブリと同様に胃の薬として珍重され、乱獲もされた。
この花の淡いクリーム色、地に暗色の砂子模様が入る渋い色調。
逆光にかざすと向こう側が透けて見え、ボンボリをもイメージする。
花冠の口がほとんど開かない。晩夏の高所、気温も下がる。が晴れ間の花の中はかなり暖かい。
トウヤクリンドウの花が温室的はたらきをするなれば、
花を訪れた昆虫の活動は、活発になり確実に花粉を運ぶ事になる!?!自然界の妙と映る。

8月30日誌「北アルプス・槍ヶ岳稜線」

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《襍崋・/・古往今来151》紫錦唐松

《襍崋・/・古往今来151》紫...

シキンカラマツ(紫錦唐松) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名: Thalictrum rochebrunianum Franch. & Savat.

マツカゼソウ、カラマツソウと同属。
山地の林内の湿った草地に自生する。
花名の由来は、ガクが紫色、ヤク(葯)が金色(黄色)の対比が美しい、で「紫錦」。
茎先に円錐花序をだし、1cm程の淡紫色の花をつけ、淡紫色の花弁状の萼は4-5枚。
同属の多くは開花と同時にガクが落ちるがシキンカラマツはガクが落ちない。
草丈は70-150cm位、全体に毛がない。茎葉は数個あり、3-4回の3出腹葉である。
そう果は20個ほどで、果体の側面には翼状の3稜がある。
観賞用として栽培されているが、自生地に見る風情は格別であった。

8月29日誌「蓼科高原北山地区」
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