《 雅羅・/・〝里緑地の花 '10-4〟❖ ’24-283 ❖ 》

エゴマ(荏胡麻) シソ科(La... エゴマ(荏胡麻) シソ科(Lamiaceae)
学名:Perilla frutescens (L.)Britton var. frutescens
レモンエゴマ(Perilla ... レモンエゴマ(Perilla citriodora)
山地の林縁に生える一年草。(エ... 山地の林縁に生える一年草。(エゴマは外来種だがレモンエゴマは在来種)
中国、韓国から日本に伝わったとされ、縄文時代の遺跡からも発見されている。
食用・油用に栽培され各地で栽培されてきた。黒種・白種、大きさも異なる。
現在では栽培されていない地域で野生化したものが見られる。
中国のものには葉が紫色のものもある。
種子から採れるエゴマ油(荏油)には必須脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富に含まれ、
これが体内でDHAやEPAにも変換されるため、健康食品として注目されている。
全草に特有の臭いのあるぺリラケトン(perillaketone)などを含み、
これが肺水腫や肺気腫を起こす、と広く知られている。
茎は4稜形、長い下向きの軟毛が密生又はまばらに生える。
葉は対生し、広卵形で、長柄がある。葉質はやや厚い膜質。
葉の基部は広い楔形で鋸歯はなく、鋸歯が丸みを帯びることが多い。
葉裏には黄色い腺点がある。
苞は緑色~紅紫色、卵形~広卵形で、花序下部の苞は横幅が狭い。
花序は枝先につき、2花の仮輪からなり、長い。花冠は白色、まれに淡紅色。
萼は釣鐘形で、先が5分裂し、果期にはやや大きくなり、長さ約8㎜。
萼筒には長毛が密生し、黄色の腺点がある。
果実は4分果で、分果は長さ1.5~1.9㎜(約1.7㎜)のほぼ球形。
初めは紫色を帯び、暗褐色、網目模様がある。
レモンエゴマは在来種であり、強いレモン様の臭いがある。
エゴマ、レモンエゴマ、シソは容易に交雑が起き、中間型など多様形態がある。
*       *       *
高さ100〜250cm、茎には1〜2mmの長軟毛が疎生、または密生する。
葉は卵形〜広卵形で長さ10〜20cm、巾6〜10cm、先は尖り、
鋸歯があるが基部では暖味である。
葉の質は厚く、時に薄く、色は鮮緑色〜濃緑色。
花穂は太く短い円柱形で、その長さは野生種のトラノオジソやセトエゴマに比べてかなり短い。
花冠は白色、時に桃白色、長さ4〜 6mm、雄しべは花冠からほとんど突出しない。
萼は花時の長さ4〜7mm、果期には約1cm、短軟毛と長軟毛が生える 。
苞は卵形〜広卵形で中肋から縁がやや波うつように反り返 り 、
鋭先頭、縁の毛は短くて疎らであり、あまり目立たない。色は緑色で果時宿存性。
分果は約2mmの偏球形で隆起した網紋があり、
色は白色〜淡褐色〜褐色、また灰色〜灰褐色。
各地で栽培され、野生化したものも多い。花期は9〜10月。
(日本産シソ属植物の類縁および化学分類に関する研究より)
伊藤美千穂「日本産シソ属植物の類縁および化学分類に関する研究」によると
「日本産シソ属植物の野生種は形態上3種に分類される。
即ち、レモンエゴマ(Perilla citriodora)、トラノオジソ(Perilla hirtella)、
セトエゴマ(Perilla setoyensis)である。
これらは、いずれも少し奥まった山の谷筋等に生えるが、
トラノオジソは海岸部にも分布がある。
分布域、個体数ともにレモンエゴマが最も広く、かつ多い。
また 3種とも関東以西の太平洋側の地域に分布し 、
それより北や日本海側の地域には分布していない。」とある。
レモンエゴマ
本州中部以南の太平洋側〜九州の山地の林縁などに生える。
茎は軟毛が密生し、高さ20〜70cmになる。
茎には0.2〜0.3mmの下向きに曲がった短軟毛が密生する。
葉は長さ7〜12cmの葉柄があり、卵形〜広卵形で、長さ8〜12cm、幅6〜8cm、
先は尖り、鋸歯があるが基部では曖昧になる。
葉面には 0.1〜0.2mmの短毛があり、 長毛は無い。
葉の裏面や葉脈、 葉柄が赤紫色を帯びることが多い。
脈上に軟毛、裏面に腺点がある。
枝先に長さ10〜18cmの花序に唇形花をつける。花冠は淡紅色、長さ4〜5mm。
雄しべは花冠からほとんど突出しない。葯の色は赤紫色。
萼は花時の長さ4〜6mmで短軟毛が密生し、0.7〜1.2mmの長毛が生える。
果期に少し大きくなる。
苞は横長の楕円形〜平円形で凸頭、 巾3.5〜4.5mm、 長さ4〜5mm、
縁に長毛が疎らにあり、 色は白っぽく、
花穂が伸び出すと大きく反り返り、 果時には殆ど脱落する。
分果は偏球形で網紋があり、直径約1.3mm。
葉を揉むとレモン様の香りのするものがある。
シソ(Perilla frutescens var. crispa)
茎には長軟毛が疎生する。
葉は広卵形で時に縮み、質は薄く、長さ8〜10cm、幅6〜8cm、色は赤紫色、または緑色。
葉の上面が緑色で裏面は赤紫色のものもある。鋸歯があるが基部では曖昧である。
萼は花時の長さ4〜6mmで短軟毛と長軟毛が生える。
苞は卵形〜広卵形で中肋から縁がやや波うつように反り返り、
鋭先頭、縁の毛は短くて疎らであり、あまり目立たない。
色は緑色〜赤紫色で果時宿存性。
分果は偏球形で隆起した網紋があり、色は黒褐色〜褐色。
栽培植物であるが各地に野生化したものがある。
※ 以上、3画像は借り物 ※




《 色々あって面白い〝荏胡麻〟 ❖泉の森にも居る!!❖ 》
**神奈川県植物誌**

神奈川県内自生・分布図。 神奈川県内自生・分布図。
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '...
20.シソ属 Perilla ... 20.シソ属 Perilla L.(支倉千賀子,図:支倉千賀子)
1 年草.茎は直立する.葉は対生.花は 2 花の仮輪を重ねた細長い花穂を枝先に形成する.
萼は釣鐘形で 5 裂し唇形,果時には大きくなる.分果は球形で網目模様がある.
東アジアからインドにかけて数種または 1 種が分布する.
日本には,野生種 3 種のほか,栽培種が野化する.
県内には野生種が 2 種,逸出種が 1 種ある.
文献: 伊藤美千穂・本多義昭 ,
1996. 日本産シソ属野生種の分類学的再検討 . 地分 , 44: 43-52.
A.葉身の基部には鋸歯がある
(1)トラノオジソ
A.葉身の基部には鋸歯がない
B.茎の中下部には下向きの短毛が密生する.苞は白色.
花序の下部の苞は横に広い楕円形となる
(2)レモンエゴマ
B.茎の中下部には短毛,縮れた長毛が疎生する.苞は緑色か紅紫色.
苞は卵形~広卵形で横に広い楕円形のものが出ることはない
C.植物体にエゴマの匂いがある.葉身はやや厚い膜質で平ら,ふつう緑色.
萼は果時に長さ 8~9mm.分果は長さ 1.5~2mm
(3a)エゴマ
C.植物体にシソの匂いがある.葉身は膜質で縮れるか平ら,紅紫色か緑色.
萼は果時に長さ 5~6mm.分果は長さ 0.7~1.5mm
(3b)シソ
(1)トラノオジソ Perilla hirtella Nakai;
P. frutescens (L.) Britton var. hirtella (Nakai) Makino
高さ 50~90cm.茎の中下部には,やや縮れた短毛が密生する.
葉は葉身基部まで明らかに鋸歯があり,ほかのシソ属からは,はっきり区別できる.
通常葉柄は紅紫色を帯びる.花は 9~10 月に咲き,若い花序は円柱状で先が細まり,
苞がしっかり鱗状に重なって花はあまり見えない.
苞は長さ約 5mm で卵円形~丸い偏菱形,先は尖り,縁に軟毛が多い.
花冠は赤紅色.本州,四国,九州に分布する.
県内では山地~丘陵地の林縁などの半陰地に生育し,やや稀であったが,
ニホンジカの不嗜好植物で,丹沢山地や小仏山地では増えている.
伊藤・本多(1996)はトラノオジソとレモンエゴマを 2n=20 の野生種,
エゴマとシソを 2n=40 の栽培種とし,
トラノオジソとレモンエゴマを独立種とする見解を支持している.
県内産のトラノオジソの葉形についても中間形はなく,
はっきり区別できることから独立種として扱った.
(2)レモンエゴマ Perilla citriodora (Makino) Nakai; P. frutescens (L.) Britton var. citriodora (Makino) Ohwi
高さ 50~90cm.生植物か新しい標本では,
植物体の一部をもむと強いレモン様の匂いがする.
この匂いはレモンエゴマに特有である.
エゴマやシソでレモンエゴマに近い匂いのものを誤同定することがあるが,
茎の毛と苞の色や形でほぼ区別できる.
葉の鋸歯は丸みを帯びることがなく,やや鋭い.
葉身基部には鋸歯がなく,広いくさび形である.
葉柄や葉の下面は紫色を帯びることが多い.
花は 9~10 月に咲き,若い花序は円柱状で鈍頭.
苞は長さ4~5mm で縁にまばらに軟毛があり,早落性である.
花冠は淡紅紫色~紅紫色.
本州(関東地方以西の太平洋側),四国,九州に分布する.
県内では県央~県西部の山地に分布が偏り,やや少ない.
丘陵地や三浦半島では稀である.
おもにシイ・カシ帯上部~ブナ帯下部の林縁に生育する.
→(3a)エゴマ Perilla frutescens (L.) Britton var. frutescens
茎は高さ 60~150cm と大きくなり,長軟毛が密生またはまばらに生える.
葉身はふつう緑色であるが,やや紫色を帯びることもある.
花冠は白色で,稀に淡紅紫色.
外部形態はシソの一部の栽培品種と非常によく似ているが,
全草にペリラケトンというエゴマ特有の芳香物質が含まれ,
人によって不快な匂いと感じる.
伊藤・本多(1996)はエゴマとシソは容易に交雑が起きて
さまざまな形態のものが存在するため,厳密な定義は難しいとしている.
県内産の標本も上記の検索表にあてはまらないものが多く見られ,
エゴマとシソおよびそれらの雑種の境界は十分に認識できなかった.
匂いもエゴマとシソの中間的な匂いのものやほとんど匂わないもの,
レモンエゴマに近いがやや青臭い匂いのものなどがある.
東南アジア原産とされる逸出種.
日本では種子を食用または搾油用,葉を食用として利用.
やや冷涼な気候を好み,乾燥に弱いため日陰で湿り気のある場所で栽培されるが,
近年では栽培しているところが少ない.
また,芽ジソ用にアオチリメンジソの代用として栽培されることもある.
県内では山地~丘陵地の麓の林道,農道脇などに逸出し,典型的なエゴマは少ない.
近年,丹沢ではニホンジカの採食の影響が大きい
山地斜面にニホンジカの忌避植物のエゴマを播種しているところが見られる.
→(3b)シソ Perilla frutescens (L.) Britton var. crispa (Benth.) W.Deaneさまざまな品種があり,
代表的なものとしては葉が深い鋸歯と皺をもち赤紫色のチリメンジソと,
その葉が緑色のアオチリメンジソ,葉が浅い鋸歯をもち皺がなく赤紫色のシソ(狭義)
とその葉が緑色のアオジソ,下面だけが赤紫色のカタメンジソが知られる.
呼び方もさまざまで,それぞれアカチリメン,アオチリメン,アカジソ,
アオジソ,ウラアカともいう.
また,茎の毛,葉形,葉色,萼の毛の量,萼の大きさ,花冠の色にはさまざまなものが
ある.
全草にペリルアルデヒド,リモネン,ピネンなどの精油を含む.
中国中南部原産の逸出種.
日本では芽ジソ,穂ジソ,葉ジソ,シソ実用に古くから広く栽培される.
県内の農耕地周辺や山麓,丘陵地の道端や林縁などの半陰地に野化している.
分布図ではさまざまな品種をまとめて広義のシソとして表示した.

§       §       §
 
 
山地の林縁に生える一年草。(エゴマは外来種だがレモンエゴマは在来種)
東南アジア原産という一年草で、元は人が栽培してきた農作物。
古い時代に日本へ入ってきたため在来種の扱いになったりもする。
葉が食用になり、種子からは油が採れる。
エゴマは、全体的姿はアオジソ(青紫蘇)に似ている。両者の交雑種もある。
葉は対生。葉身の基部側四分の一に鋸歯(きょし)がない。
葉柄付近までびっしり鋸歯があったら希少種トラノオジソ(虎の尾紫蘇)か?
葉を揉むとレモンの香りがするレモンエゴマ(檸檬荏胡麻)がある。
だが、エゴマにもレモン臭がするものもあって判別が難しい。
エゴマは栽培種で色々とあり、レモン臭だけでの判別は無理。
茎に短毛と縮れ気味の長毛が疎生し、苞が幅狭で緑色なのがエゴマ。
茎に下向きの短毛が密生、花序下方の苞が幅広で白っぽいのがレモンエゴマ。
花序は葉脈にも付くが茎先端に突き出たものが印象的。シソに似ている。
花色はふつう白。生育環境により花期は少しずれるが、泉の森では9月下旬~。
完熟した実の種子からは食用油の「えごま油」が採れる。
α-リノレン酸を多く含んでおり、動脈硬化や心疾患を予防する。
あるいは老化防止、認知症を予防、ダイエットにも効果がある。
えごま油は酸化しやすいため、加熱してはいけない。
えごま油にはエゴマ特有の臭みは一切なく味はまろやか。
ーー色々と掲載されている。参考引用させていただいた。ーー
 
 
 
「令和陸年(皇紀2684年)10月9日
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