《囈(30)“青春時代に見た高山植物(3)!?!”❖21-248》

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ツクモグサ(九十九草)科(Ra... ツクモグサ(九十九草)科(Ranunculaceae)
学名: Pulsatilla nipponica
稜線の脇でひっそりと咲いている... 稜線の脇でひっそりと咲いている。眼下に見えるは、清里・野辺山高原。
《南八ヶ岳・赤岳周辺の花!?!》
ツクモグサ(九十九草);
八ヶ岳で特筆される高山植物は、ツクモグサだろう。本州では八ヶ岳と白馬岳で自生する。
八ヶ岳の赤岳から硫黄岳間、特に「横岳」周辺の西斜面に集中して 自生している。
学名通り日本固有種。あとは北海道の数山にしか自生していない希少な植物。
八ヶ岳の稜線付近では、6月上旬から咲き始め7月頃まで花を見せてくれる。
北海道の利尻山、ポロヌプリ山、ニセイカウシュッペ山、ニペソツ山、芦別岳、ピパイロ岳、
そこから 東北の山々には存在せず、八ヶ岳・後立山連峰にのみ、不思議だ。
又、ツクモグサは梅雨時に咲くが、雨や曇りだと花は開かない。故に中々お目にかかれない。
草丈15cm。花の直径約3cmでニンジンのように細かく裂けた掌状の葉がある。
葉は3枚輪生、花弁状の萼の外側には軟毛が密生している。
花茎の先端に1個、上向 きに2.5~3cmの淡黄色の6弁花(花弁状の萼片)をみせる。
オキナグサより花は大きく、花茎も葉も咲き初めは長毛 に覆われるが、やがて無毛になる。
漢字名の「九十九草」、この花を八ケ岳で発見した山草愛好家の城数馬(じょう・かずま)が、
敬愛した父の名「九十九」を付けたと言われている。
城 数馬は1864(元治元)年に久留米藩士の家に生まれた。
司法省法学校を経て帝国大学法科大学仏法学科を卒業し弁護士として活躍した人物。
山・野草の愛好家で日本山岳会の創設(1905年)にも参加した山屋でもあった。
東京大学理学系研究科附属植物園日光分園(通称、日光植物園)の開設 にも参加している。
八ヶ岳では、ツクモグサを始めウルップソウ、ミヤマツメクサ、クモマナズナ等の新種を発見。
多くの植物愛好家が”花の山”八ヶ岳を登るき っかけをもたらしたと言われている。

八ヶ岳では、まだ沢筋に雪が残っている時期に稜線でひっそりと咲いている。
だが、麓から稜線(自生地)までは短時間で到達できる(登山自体難しくない)。
そんな利便性で心ない登山者・写真撮影者が増えていると聞く。
安易に登山道を離れ山中を歩きまわることはやめて欲しく希する。
九十九草開花頃は、多くの高山植物はまだ発芽していない。
高山植物は、繊細だ。一寸踏むだけで、成長直前の新芽には大きなダメージ。
登山道においても植物を踏まないように慎重であって欲しい。
「令和参年(皇紀2681年)9月4日、記」
#ブログ #植物

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