コロナ・豪雨、今年は二重苦の梅雨期である(早く解消してほしい)。
紫陽花探訪、通う伊豆半島”ジオパーク“そのものって感じた。
伊豆から戻って“おたくさ”を再認識。日本固有種の紫陽花と。
改めて『シーボルトのOtakusa』の歴史を想うのである。
ライデン腊葉館(さくようかん)のシーボルト標本が一箇所に纏った由。
以前は、シーボルトの標本を総て見るのは、かなりの時間を要した。
それが一箇所でみれるように成ったらしい、訪ねてみたく思う。
半世紀も前の頃、手毬紫陽花=西洋紫陽花と言われていた(僕の記憶)。
梅雨になると僕を連れ両親は北鎌倉の「明月院」に必ず連れて行ってくれた。
目の前の紫陽花は、日本固有の原種「姫紫陽花」だと、繰返し言っていた。!
ヒメアジサイ(姫紫陽花);マキノヒメアジサイ(牧野姫紫陽花)ロゼア
今やアジサイ寺で有名になった鎌倉明月院のアジサイは、殆どがヒメアジサイ。
牧野富太郎博士が昭和4年に ホンアジサイに比べて「女性的で優美」と発表。
ホンアジサイより花の房が小さく、花色が上品な青一色。他処では見られない。
ヒメアジサイは、ホンアジサイとエゾアジサイとの交雑種と考えられている。
野生は、未だ確認されていない幻の種。日毎に青さを増す等々、魅せてくれる。
明月院では、毎年300鉢のさし木をして、新旧の植え替えが行われている由。
さし木は、1年間は鉢で育て、その後、山中の畑で4~5年の成長期間を経て移植。
同属に四季咲きヒメアジサイというのもある。
(Hydrangea serrata ssp.yezoensis f.cuspidata‘Shikizakihime’)
6月から咲き始めて12月頃までの半年間咲いているようだ。
古くから植木が盛んな安行(川口市)では、「安行四季咲き」と呼んでいる。
ヒメアジサイは、花形が特徴で5個の花房に分かれ花形がゴツゴツしてる。
葉に光沢が無く、質が薄く、花がやや早咲きといった特徴もある。
樹高は2m前後。葉の形状は卵形もしくは広楕円形で、対生する。
葉質は、幾分薄く、葉の縁には整った鋸歯があり、先端は鋭頭となる。
6月頃、ほぼ球状で青色装飾花と両性花の混じった花序をつける。
姫紫陽花は明治12年(1879)にイギリスに渡っている。
イギリス人植物学者(プラントハンター)チャールズ・マリーズ(Charles Maries)
が持ち帰った。独特な青色であるが、ヨーロッパ各地では酸性土壌地が多い。
そのために赤色に開花するので、西欧では姫紫陽花を「ロゼア」と命名した由。
その後、西洋アジサイの育種親として多用されこんにちに至っている。
又、単に小形のアジサイを「ヒメアジサイ」と呼ぶことがあることから、
区別し「マキノヒメアジサイ(牧野姫紫陽花)」と呼ぶことがある。
固有種として昔から人々の目に触れ、全国で栽培されてきたはずなのに、
古典詩歌に詠まれたのは極端に少ない。人気が出たのは戦後と言われている。
この節、梅雨どきの花、と云えば真っ先に紫陽花が出てくる。
全国各地に紫陽花の名所、と言われる場所(自生ではなく植栽)はとても増えた。
だが、自生(野性的)地と言われる場所は減少して、寂しい。
流行り的に植栽されてる場所と違い、明月院は、歴史がある。
今や、自生地と言っても良いか。半世紀以上も同種を育てている故。
願わくば、明月院は「姫紫陽花」のみで魅せてほしく思う。
「2016/06/17鎌倉市山ノ内(撮影)」
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