3月
15日,
2022年
「予実管理」の目的は、「当事者意識」の醸成と「PDCA」の実践である!
今日は、とあるところで話題になった
「予実管理」
について、少しお話をしたいと思います。
企業で「経理部門」や「経営企画部門」に属している方々にとっては、当たり前のように実施されている「予実管理」。
しかし、これを実施されていない会社も少なからず存在します。
長年、経理・経営企画の仕事をしてきた私にとっては、「え、無しでいいの?」という感覚ではあります。
ではそもそも、なぜ「予実管理」をするのか? その目的とその効用について、原点に立ち返りたいと思います。
1.前提
(1)改めて予実管理とは、「予算」と「実績」との差異を分析して、その理由を解明した上で、次の「行動」を見極めることです。従って実績と対比させる「予算」があることが前提です。
(2)ここで言う予算とは、通常は年度予算、つまり12ヶ月の単年度予算を指します。
(3)そしてその単年度予算は、通常は3~5年間の「中長期経営計画」に基づいた、当年の年度予算、であることが望ましいです。
2.目的
目的は実は色々あります。
(1)年初の計画、つまり単年度予算を達成することは、中長期経営計画を達成することの第一歩なので、会社としては先ずは年度予算を達成することが求められます。
業務として経理・経営企画部門が所管していますが実は、予算というものは社内の全ての部門・社員のものなのです。
つまり予算達成とは、所管部門や経営層だけではなく、会社を構成している全員に課されているタスクなのです。
(2)「数字や金額の話は経理の仕事だろう?」とおっしゃる方がたまにいらっしゃいます。むしろ予算は経理のものではなく、社員皆様のもの。予算は現場も含めた社員一人一人の「羅針盤」のようなものです。
現状の事業活動がこの「羅針盤」の示す通りに進んでいるかどうか?これを確認する作業が「予実管理」なのです。
(3)つまり「予実管理」という手続きを通じて、自分たちの仕事の「PDCA」を回すこと。PDCAを回した上で必要な軌道修正を行いながら、事業活動を行っていくこと。これが「予実管理」の目指しているところです。
(4)従って予実管理の「予算」も「実績」も、両方ともオーナーは社員一人一人です。自分事としてその数字を捉えて、自分たちの事業活動をモニターする一つの道具として「予実管理」というものを捉えて頂きたいと思います。
3.効用
効用、もしくは副次的効果としては以下のものが考えられます。
(1)予算というと「数字」で作られ、語られることが多いです。しかし前述のように単年度予算は中長期経営計画に基づいていることから、計画が全て数字(定量的)である必要はありません。定性的な目標・計画もあってしかるべきです。
(2)ということは、単年度予算においても「定性的」なものがあっても全くおかしくありません。数字や金額は分かりやすく、扱いやすいので定量的な面だけを見てしまいがちですが、ぜひ事業活動による定性的な成果にも目を向けて欲しいとです。
(3)例えば、昨今話題の「働き方改革」。コロナ下でぐっと進んだ感はありますが、「働きやすい職場を目指す」という目標を中長期経営計画でうたっている企業は少なく無いと思います。その時「働きやすい」という目標をどう「予算化」して、かつ「予実管理」を進めて行くのか?
「予実管理」は経営の舵取りの道具というだけではなく、社員一人一人の事業活動をPDCAという視点で回していくためのツールと理解して頂くと、ぐっと「当事者意識」を持って頂けるようになると感じます。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお