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Forest Aesthetics 森林美学 朽ちる

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               ...                                           © Daisuke Kawai


でん,と根を張っていた
たくましい大木が
いかにもあっけなく斃れると
そこに頼っていた精神は
がっかりする
腹を立てる
そして哀しくなる

されど朽ちていく樹は美しい
樹が大きければ大きいほど美しい
むしろ「神々しい」といった方がよいだろうか
巨樹が倒れ,苔むし,朽ちていくのが
なぜかくも観る者を魅了するのだろうか










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Forest Aesthetics 森林美学 斃れる

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               ...                                           © Daisuke Kawai





しかし立っているものはまた
いつかかならず斃れるのである
それはもう
腹立たしいくらい
確実に








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Forest Aesthetics 森林美学 樹根

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               ...                                           © Daisuke Kawai





立っている
根を張っている
それだけ
ただそれだけのことが
とても凄いことだと感じる
ひしひし感じる









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Forest Aesthetics 森林美学 実もまた花

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               ...                                           © Daisuke Kawai



花が終わって,果実になっていた
それでもちゃんと「花」に見える
植物体の構造それ自体が花なのだ





















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Forest Aesthetics 森林美学 かたつむりの渦

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               ...                                           © Daisuke Kawai




かたつむりは「家」を替えることがないのだろうか
だとしたら、この殻の主はずいぶん前に亡くなっているんだろう
いかにも硬そうな素材なので
いったいこれがいつのものなのか
いったいいつまで森の底で転がっているのか
わからないのだけれど
それでも案外こちらが思う以上の早い段階で
分解されてしまったりするのだろうけれど
うずまきを中央の起点からぐるぐるぐるぐるたどるうち
このうずまきは未来永劫続くんじゃないか
なんてことを,思ったりもする
そういえばケルトの遺蹟のうずまき模様は
輪廻を表したものだったんじゃないかしら










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Forest Aesthetics 森林美学 蜻蛉の翅

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               ...                                           © Daisuke Kawai





むかし蜻蛉の名前を覚えたいと思ったことがあった
図鑑を用意した
大枚はたいて何冊も買った
専門家しか使わないような大部の図鑑も用意した
けれどちっとも覚えられない
それほど興味も続かなかったのだろう
本はそのうち霧散した

それでもいまでも蜻蛉の姿を見かけると
名前を覚えたいと思う気持になる

美しい自由を保障する
四枚の翅のフォルムに見とれるとき
その網目模様の匠に見とれるとき
死んだひとの魂がどこかへ去りゆくように
見つめるこちらなどなにものでもないというふうに
ぷいと空へ飛び立っていくときなどに













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Forest Aesthetics 森林美学 狐鍚杖

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               ...                                           © Daisuke Kawai




光合成をしない
つまり早い話,自分では稼がない
日々の暮らしの糧は他者依存
自身はただ繁殖のことだけ考えている

そういう花がいたっていい
いたっていいが
それが真白で
はかなげで
どこか浮世ばなれしているような
そういうものなら納得もいく

しかしどうだ
このけばけばしいほどの妖しさときたらどうだ

この花と森の底で向かいあっていると
なんだかそわそわと落ち着かない気持になってくる

この圧倒的なあやしさはなんだ

この花もまた菌従属栄養植物といって
養分のすべてを地下で共生する菌に依存している

この妖しい花のあとに垂下する果実が
鮮やかな朱色をした楕円の多肉であるものだから
そいつが縁もゆかりもない木通(アケビ)の実に
なんだかよく似ていているものだから
木通草などという通り名がついているのであるが

にょきりとした全体を
錫杖(しゃくじょう)に見立てたものか
そのあやかしな様子から「狐の錫杖」などという
そんな名前もあるという

ふむ,そちらの方が
花季のこの存在を表すにはぴったりだ

凝視しているとそわそわしてくるのは
狐にタブラカサレルあの感じが湧き起こるからか

森にはいろいろなものが棲んでいる
森はいろいろなものを棲まわせている
森の底にはいろいろなものが蠢いている







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Forest Aesthetics 森林美学 魚鱗草,銀鱗草

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               ...                                           © Daisuke Kawai




銀龍草には
魚鱗草とか銀鱗草という別称もあるらしい

水晶蘭,幽霊茸だけではなかったのだね

魚の鱗
さもありなん
だが

銀の鱗
さもありなん
だが

構造をよく観ている発想だと
感心もするが
だが

全体の雰囲気というものからすると
やはり銀の龍,幽霊の茸,水晶の蘭だろうか

そしてこういう名称にふさわしい生え方というのがある
わさわさ群生しているより
森の底でひとつきり
ひっそりとたたずむ立ち姿がいい

そしてこういう植物は
森の中でふいに出逢うというのがいい

あ、いたの
という感じ

こんなところにも?
という感じ

それがいい

ちょくちょく見かけはするけれど
気に入った写真はなかなか撮れない

そういうところも
よかったりなんかする










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Forest Aesthetics 森林美学 水晶蘭

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               ...                                           © Daisuke Kawai




かたまって
にょきにょき生えれば
おばけチックな銀龍草
別名・幽霊茸もさもありなん

ちらほらと
はじめのうちはういういしい
これならば
水晶蘭という別名もさもありなん

暗い森の底で
白装束はよく目立つ
蟲を呼ぶためといわれるその白は
しかし人の目もまたよく引く

いろいろな名を持つということは
それだけいろいろな人にいろいろなことを
喚起させてきたのだろうな








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Forest Aesthetics 森林美学 銀龍草

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               ...                                           © Daisuke Kawai




うすきみわるい
という表現はしっくりこない
妖しい,とするのが
もっともぴったりなこの花を
私はとてもとても愛している

このキノコみたいな花は
どうしてかくも妖しいのか
なんといっても,その白装束にある
なんとはいえ,その青い一ツ目にある

鎌首をもたげた銀の龍
よくぞそのような名を与えたものと感心するが
下からのぞきこめば
かの蛍袋と同じく妖怪である
ただしこちらの瞳はおおきいので
ぎょろりと睨まれる感がより強い

妖しい白装束の白装束たるゆえんは
彼女たちが「自ら稼ぐ」ということをしないからである

光合成という仕事をハナから放擲するのなら
なにもわざわざ緑の衣服をまとうことはないのである

彼女たちはいうならば森の囲い者
もしくは居候なのであって
働かなくったって決して食べていくには困らない
寛大な大家さえ,ちゃんと永らえてくれさえすれば
足下の菌類とのつきあいさえ,ちゃんとうまくいきさえすれば

わさわさと,こんなにもたくさん株立ちしている
ここの大家は相当の太ッ腹なのか

案外とこの白装束たちの妖しさにまいってしまって
毎夏の登場を心待ちにしているのかもしれない












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