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- 影絵芝居「ワヤンクリ(Wayang Kulit)」 その3
写真の中央カヨナン(宇宙樹)の左に善側の人形、右に悪側の人形がおります。このように善と悪に分れていますが、必ず善が強くて正義というわけではなく、バリでは二つの立場は対等です。
これは、人間の心には常に良い心と悪い心の両方が共存しているという意味論的世界観に基づいているのでしょう。バリの面白いところは、この意味論的世界観が、まだ、近代科学がもたらした機械論的世界観に根付いているところです。
バリのガムラン音楽が2つの音のピッチの差によって作られる「うなり」を取り入れていることも、この世界観によるような気がします。
おそらく、我々がバリに惹かれる理由は、こ の辺にあるのではないでしょうか。
しかし、今、バリでも近代化は進み、この世界観にもかなり歪が生じているようです。
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