<トランプ米大統領>が「One Big Beautiful Bill法案(ひとつの大きくて美しい法案)」(One Big Beautiful Bill Act)と名付けた大型税制改正法案は、トランプ政権が掲げる減税恒久化と歳出削減を一体化した超大型予算調整法案です。
7月1日未明、上院をわずか1票差で通過し、米国の財政・市場・外交に大きな波紋を広げています。
<トランプ米大統領>が掲げた「One Big Beautiful Bill」は、約4兆ドル(約600兆円)という桁外れの減税規模を誇りますが、その財源のうち3兆ドル(450兆円)を赤字国債でまかなう構造となっています。そのため、共和党内の財政保守派からの強い反発を受け、一度は否決されていますが、<トランプ米大統領>が強く反発し、議員に圧力をかけた結果、再提出後に可決されました
今回の改正は、2017年の「Tax Cuts and Jobs Act」の時限措置を延長しつつ、新たな減税も加えられています。
税制面では、たとえば、SALT(州税・地方税)控除の上限は現行の1万ドル(約150万円)から4万ドル(約600万円)に引き上げられます。また、チップ収入や残業手当は非課税となり、自動車ローンの利息も所得控除の対象になります。
社会保障制度においては、「メディケイド」と「Supplemental Nutrition Assistance Program (SNAP) 」への大規模な削減が提案されており、これにより数百万人が健康保険を失い、食料支援の対象から外れると予測されています。
科学予算の分野では、国立科学財団(NSF)が(57%減)、国立衛生研究所(NIH)が(約40%減)、NASAが(24.3%減)など、主要な連邦科学機関に対する大幅な削減が提案されています。