10日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前営業日比35銭円高・ドル安の「1ドル=157円70〜80銭」で取引を終えています。円の高値は「1ドル=157円24銭」でした。
10日に発表されました2024年12月の米雇用統計を受けて米利下げ観測が一段と後退し、米長期金利は上昇でした。一時は「1ドル=158円88銭」と2024年7月以来の円安・ドル高水準を付けています。円売り・ドル買いが一巡すると利益確定や持ち高調整目的で円は買われ、上げに転じています。
雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比25万6000人増と、市場予想(15万5000人増)を大幅に上回りました。失業率は横ばいとの予想に反して(4.2%)から(4.1%)に低下しています。
インフレ懸念が残るなか、雇用統計が労働市場の減速を示さず、米連邦準備理事会(FRB)が当面は利下げを見送るとの観測が強まりました。米長期金利は(4.79%)と2023年11月以来の水準に上昇する場面がありました。
ただ、週末で円売りは続きませんでした。円安・ドル高が一段と進めば、日本の通貨当局が円買い介入に動く可能性が高まります。市場の一部で日銀が23〜24日に開く金融政策決定会合で追加利上げを決めるとの予想があり、円を支えたようです。
米株安も低リスク通貨とされる円の買いを誘いました。