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- 今年の読書(6)『星星の火2』福田和代(双葉文庫)
著者<福田和代>(53)は兵庫県神戸市出身の作家ということで、 『TOKYO BLACKOUT』、 『ハイ・アラート』、 『タワーリング』、 『暗号通貨クライシス BUG広域警察極秘捜査班』 など目に留まれば読むことにしています。神戸大学工学部化学工学科卒業という「リケジョ」らしく、2007年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』(青心社)で小説家デビューしています。
本書 『星星の火2』は、『星星の火』(2014年6月 双葉社 / 2017年8月 双葉文庫)のシリーズ2作目になり、2017年9月に単行本が双葉社から刊行、2020年12月13日に文庫本が発売されています。
『星星の火』では、在日中国人の社会の闇の部分を扱い、中国語通訳としての刑事「城正臣」と同じ官舎に住む警視庁保安課「上月千里」刑事たちが主人公の舞台は変わりません。
保安課の「上月」は、中国人の少女売春組織を捜査する過程で、〈赤い虎〉という名を耳にします。かたや中国語通訳捜査官の「城」は、池袋で発生した刺殺事件の捜査を通じて中国の裏社会の組織である〈赤い虎〉に辿りつきます。組織の裏側には中国残留孤児にまつわる暗い陰が横たわり、同法のトラブルに日本の法律や警察対象外の闇の組織が出来上がっていました。
東京の池袋を舞台として、ヤクザでもない半グレ集団の暴走を描くとともに、通訳として捜査に従事する刑事たちの私生活や信条を絡ませた、新感覚の警察小説でした。
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