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- 今年の読書(20)『大暴落 ガラ』幸田真音(中公文庫)
本書は、前作 『スケープゴート』 の続編にあたります。前作では、経済の立て直しにと民間人から金融大臣に就任した主人公<美沙希皓子>が、日本初の女性総理として就任するところで終わり、その後の手腕がたのしみでしたが、就任後の活躍が描かれたのが、本書『大暴落 ガラ 内閣総理大臣 三崎皓子』(2020年3月25日・中公文庫刊)です。「ガラ」とは、株価格の大暴落を指す業界用語として用いられています。
総理大臣就任と同時に、娘の「麻由」の所在が不明、同じ明正党の古手議員から組閣に対して横槍が入り任命が遅れる状況の中、関東地方をめがけて台風が2個接近、荒川が氾濫して東京都が水没する状況が迫り、<三崎>は、「災害緊急事態宣言」を発令しますが。好天気の東京ということもあり、危機感が伝わりません。
そんなおり、海外では円売りが進み日本銀行の信用失墜いう情勢の中で、20年利付国債の入札日を迎えようとしていました。
未曾有の水害対策、金融危機を総理の<三崎>の手腕が見どころとなる内容で、元債権ディーラーの経歴が生かされた構成に全507ページ、面白く読み切りました。国の危機管理、現在の新型コロナウイルス対策にも通じるところがありました。
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