今年の読書(26)『奪還の日』堂場瞬一(中公文庫)
5月
13日
また長年の恋人<深雪>とも結婚しましたが、彼女が1年間のドイツ留学のため、新婚でありながら、別居生活状態です。
新橋で発声した強盗殺人事件緒犯人<島田>が郷里の福島県にて逮捕され、犯人護送の為福島県に出向きますが、駅までの護送中に襲われ、<島田>を逃がしてしまいます。
検問中に強奪犯の外国人が射殺され、<島田>の大学生時代の留学生だと判明、過去に遡って身辺捜査が行われるなか、<島田>は、強盗に入った会社の社長を刺殺する二度目の事件を起こします。
事件の背景が読み取れない中、<一之瀬>たちの必死の捜査が続き、幼馴染として一人の女性<美羽>の名前が浮上してきます。
一人前の刑事としての<一之瀬>の成長が楽しみなシリーズですが、本書では、同期の福島県警の<城田>と妻<由布子>、犯人<島田>と<美羽>、<一之瀬>と<深雪>の関係が底辺に流れ、物語に奥行き感を感じさせる構成でした。