２０１６年５月２８日（土曜日）の
１３時３０分より１６時３０分頃まで、
第１３回「青クリの会」を開催しました。
約５０名の方が参加されました。
講演では、最近話題の
移植前の卵のすべての染色体検査、
寄生虫感染やインフルエンザワクチン接種と
妊娠維持の正の関係の機序、
心の持ち方の重要性等についても
お話ししました。
「運命」と「心の状態」と「体の異常」
についてもお話ししました。
講演後の質疑応答では、
特に精神薬の胎児への影響、
夫側からの影響、
ヘパリン・アスピリン治療の実際、
流産内容物の染色体検査の意義
について、ご質問をいただき、
お答えしました。
その後の個別相談も１０件近く受けました。
当院の保健師、助産師への相談も
多く受けました。
毎回、この会には熱気があります。
きっと少しはお役にたてたことと、
スタッフ一同、自負しています。
次回の「青クリの会」は、
９月か１０月に予定します。
「 妊娠中に
インフルエンザワクチン予防接種
を受けた約５千人の妊婦さんは、
受けなかった妊婦さんに比べて、
死産率が約５０％低下していた。 」
という研究報告が
オーストラリアから２０１６年３月にありました。
（Clin Infect Dis. 62: 1221-1227, 2016）
この結果より、
１）妊娠中のインフルエンザ予防接種の
安全性が支持されました。
２）無毒化したインフルエンザウイルス
を妊娠中に接種する（打つ）ことは、
妊娠の維持を助ける効果を持つ
ことが示唆されました。
と、結論づけられています。
この研究は大流行時の調査ではなく、
平時の調査ですので非常に重要です。
母体から見て、
胎児は半分が旦那さん由来の異物ですから、
「免疫学的な調和」 により、守られています。
何らかの原因で
「免疫学的な調和」 が乱れると、
自己抗体（抗リン脂質抗体）が発生して
胎盤内に血栓ができたり、
アレルギー的な異物反応に変化して
胎児・胎盤系を攻撃したりして、
流産・死産を引き起こしているのです。
妊娠中のインフルエンザ予防接種が、
弱っている 「免疫学的な調和」 を
補正している可能性が考えられます。
当院の 「ピシバニール免疫療法」
の理論的背景を裏づけしている論文です。
ピシバニールとは、
ストレプトコックス・ピオゲネスSu株を
ペニシリンと熱処理後に凍結乾燥した
病原性のない菌体製剤です。
つらいとき、
気が休まらないとき、
花粉症がひどくなったり、
蕁麻疹がでてきたりしませんか。
それは、
あなたの免疫系が
異物の侵入からあなたを守るため、
異常に強く反応するからです。
免疫系はあなたを守るため、
ときどき暴走してしまうのです。
流産、着床不成功の原因のひとつとしても、
あなたの免疫系が
あなたを守るため、
過剰に反応して
胎児（卵）を攻撃しているかもしれません。
「気」
を休めることが、
免疫系の暴走を止める
一つの方法ですよ。
振り返ってみると、
良いことも 悪いことも ありました。
これからも・・・・・。
悪いこと と思っていたことが、
あとから考えると、
良いこと につながったこともありました。
良いこと も 悪いこと も、
受け入れるしかないし、
自分から進んで
受け入れてしまえば、
こころが落ち着いてきます。
５月の晴れた休日、
締め切った部屋の窓を開け、
日だまりに身を置くと、
時間がゆっくり流れてゆく。
自分の身体はまあまあ健康。
日差しが心地よい。
風が甘い。
ご飯もおいしい。
自分のこころは
今、
お空の白い雲のよう。
なぜ多くの病院で不育症と着床障害の診察が
敬遠されているのか？
それは その原因と検査と治療
すべてが、
はっきりしていないから 難しいのです。
なぜ はっきりしていないか というと、
まず、原因についてだけでも、
偶然の運命的な原因（卵の問題、染色体異常）と、
メンタルからの原因と、
そして、子宮内の環境からの原因が
絡み合っているのです。
検査についても、保険内だけでは、
「異常なし」 と判定される場合が多いのです。
自費の検査内容も、
一般的ではない項目が多いのです。
肝心の治療に関しては、
ヒトの妊娠初期への治療になりますから、
胎児を守るための治療効果と、
胎児への副作用という危険性の両面から
判断する必要があります。
その効果と危険性についての根拠となる
ヒト妊娠初期治療の研究は、
倫理的な問題により、
信頼性の高い結果が得られ難いのです。
ですから、はっきりしないのです。
ややこしいので、敬遠されやすいのです。
「スエーデンにて、
６年間で、２万人強の
体外受精・胚移植を受けた女性のなかで、
移植前に、
不安、抑うつと診断された方は、
通常より有意に、妊娠率も出産率も低く、
適切な精神薬物治療を受けなかった方は、
さらに低い妊娠率と出産率であった。」
という研究結果が、
２０１６年２月、
アメリカ生殖医学会の公式機関誌に
報告されました。
（Fertil Steril, 2016 Feb 23）
不育症と同じく、
着床障害の隠れた原因として、
「精神的な原因」 があるということが
強く証明されたものと考えられます。
妊娠（移植）すると、
いつもお腹が熱い、冷える、痛い。
この原因の多くは、「気のせい」です。
原因が 「気のせい」 ならば、
それも 無視してはダメです。
心配で不安が強いから、
メンタルがピリピリして、
腹膜刺激症状のひとつとして、
そのように感じるのです。
そんな状況のときは、
子宮の中の胎児（卵）への栄養血管が
反射的に細くなっている可能性が高いのです。
なぜ、そんな風に感じるのかを考えて、
不安になる自分の性格と、
不安にさせる周りの環境を
がんばって
少しでも変えていってください。
赤ちゃんを抱きしめるためなのです。
昨日、白内障の手術を受けてきました。
局所麻酔下で眼を開けたまま、
強烈な光を受けて、
約１５分間の手術です。
強烈な光の世界のなかで、
手術の操作により、
画面が変化していきました。
私の場合、
何か子豚さんのような顔が見えました。
この世からあの世に行くときも、
こんな感じ
なのかもしれません。
大切な命を何回も亡くし、
それでもがんばっている方へ。
心の奥底の苦しみを一人で抱え、
つぶれそうな自分にムチを打ち、
まだ見ぬわが子のため、
周りの無意識な仕打ちにも耐えている方へ。
家の事、あるいはお仕事の事は
がんばった分だけ
結果がついてきていると思います。
そして、
多くの方は、いつか、きっと、
赤ちゃんを授かることができます。
きっと。
でも、
自然の摂理、あるいは運命により、
がんばったのに、
いっぱい、がんばったのに、
産めない人もいらっしゃるのです。
そんな人を見送るとき、
運命の残酷さを感じます。
子どもを授かれなくても、
あなたはあなたです。
あなたの旦那さん、
あなたの大事な人、
あなたのペット、
あなたの周りの幸せを
これからも、
あなたが守っていってください。
あなたが亡くなるとき、
もうひとりのあなたが
精一杯
ほめてくれますよ。
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