今までの妊娠中、
毎日毎日、生きた心地がしないほど、
不安であった方。
これから授かる赤ちゃんにとって
その心の状態は危険です。
自分だけで抱えないで、
これからの赤ちゃんのために、
今の心の状態を
診てもらっても良いと思います。
当院では、
心の状態も診ることができますが、
近医の心療内科か、メンタルクリニックを
受診されても良いと思います。
これからの赤ちゃんのために、
勇気を出して、
前に進んでください。
妊娠6~7週
(予定生理日の第1日目より2~3週間過ぎ)
には、
心臓が動いている赤ちゃんが見えます。
旦那さんにも一緒に見てもらいますが、
ある旦那さんは
元気な赤ちゃんの、その形(姿)に
びっくりされました。
頭と体と手と足が見えずに、
ただ楕円形の姿に
びっくりされたのです。
赤ちゃんは心臓も動いており
元気なのですが。
赤ちゃんは数ミリの大きさの最初の時から、
人間の姿をしていると
思われていたようです。
5回以上も体外受精・胚移植して、
ほとんどが着床不成功で、
その中の2回は妊娠5週以上(胎嚢も見えた)
育っていれば、
それは 不育症 です。
この場合、
移植を繰り返しても なかなかうまくいきません。
子宮内環境に問題がある可能性が高いからです。
不育症として心身両面から検査して、
原因を見つけ、
子宮内環境を整えること
が必要と考えられます。
赤ちゃんのお部屋(胎のう)が
まだ小さいときの流産は、
自然に流れてくれることがあります。
子宮の中だけのほんの短い命でしたが
自分の力だけで、
外の世界に出てこようとしているのです。
それは小さなお産のようです。
胎のうが、
産道(約4cmの子宮の頚管部)を
広げて通るとき、
普通のお産ほどではないですが、
やっぱり痛いです。
でもその多くは、
我慢できないほどの痛みでは
ありません。
2日目生理の2~3倍ぐらいの出血
があることもよくあります。
妊娠5~6週ぐらい
(予定生理日より2週間ぐらいの期間)
の出血は、あわてずに、
自然に様子をみて。
「小さなお産」 かもしれませんが、
その多くは、
「生理的な範囲の出血」 ですから。
「生理的な範囲の出血」 であるのに、
出血でパニックになると、
子宮の中のラセン動脈が細くなり、
赤ちゃんへの血液の供給が
不足してしまいますよ。
あわてない、あわてない。。。
内科的には問題にならない程度の、
一般的には正常範囲の、
わずかな甲状腺ホルモン不足でも
妊娠に悪影響がある可能性があります。
胎児の脳の発達にも影響がある
という報告もあります。
TSH値が2.5から5の間の
軽度の潜在性甲状腺機能低下症
であっても、
流産率が69%増加したという
前方視的研究報告もあります。
(J Clin Endocrinol Metab 95:E44, 2010)
2012年の妊娠時の甲状腺疾患管理の
アメリカ内分泌学会ガイドラインでは、
TSH値が2.5以上にならないように
妊娠前から治療しておく
ことが推薦されています。
ブログNo.374のチラージン(甲状腺の薬)
の飲み方も参考にしてください。
早く授かるためのタイミング治療のため、
基礎体温を記録されている方は
多いと思います。
排卵の確認(二相性)と
排卵時期の推測には有用だからです。
しかし、
妊娠がわかった後の
基礎体温の記録には害のほうが多い
と思います。
20年以上前の医療現場では、
妊娠検査薬が市販で手に入らなく、
その感度と精度も悪かったため、
基礎体温の記録が頼りだったのです。
今では、排卵(受精)後14日過ぎれば、
市販の妊娠薬により
朝一番の尿検査で、ほぼ判明します。
その後の経過も、朝一番尿の検査の
濃度の変化で、よくわかります。
基礎体温の記録は、
妊娠経過の判定として
ほとんど有益ではなく、
反対に、
その体温の微妙な高低を
意識しすぎることによって、
ストレスになることが多いのです。
それが、ひとつの流産の原因
になっている可能性もあるのです。
妊娠したら、
精神活動は控え目に、
身体の活動はほぼいつものように。
水分だけは 1日1.5リットルぐらい
こまめに補給を。
命は神様からの授かりもの。
わずかしか生きられない命もあるのです。
異常に小さく、異常にゆっくりな心拍。
今、
限りある命を生き抜いているのです。
愛おしく思ってあげて。
「 来てくれてありがとう 」と。
あなたの今の時間を大切に、
いつものように、
いつもの生活を。
苦しまないで。
その子が亡くなっても、
あなたの愛おしく思う心があれば、
その子が子宮の環境を良くしてくれて、
次の命が育つよう
応援してくれますよ。
あなたの人生を応援してくれますよ。
子宮内の小さすぎる子、
ゆっくりながらも心拍あり、
でも、今にも止まりそう。
様子をみるしかない日々のなか、
お腹の子になんて声をかけてあげたら
いいのでしょうか?
「がんばれ」とも、
「もうがんばらなくてもいいよ」
とも言えません。
2016年2月13日(土曜日)の14時より17時頃まで、
第12回の「青クリの会」を開催しました。
本当に多くの方が参加されました。
講演の後の質疑応答では
治療薬の胎児への副作用について、
妊娠中の出血の対応について、
妊娠中の生活の仕方について、
不安なときの対処法について、
インターネット情報の見方について、
等につき、実際的なご質問をいただきました。
不育症、着床障害を理解するため、
発生学的に全体像をご説明し、
精神的な因子と、
免疫学的なゆがみによる原因、
その治療法等をご説明しました。
少しでも、参加して良かったと
思っていただけたならば幸いです。
次回の 「青クリの会」 は、
5月か6月に予定しています。
医学の進歩により
ヒトの身体の異常の多くのものが
目に見えてきました。
画像検査、血液検査等による客観的なデータ
として示されてきます。
細胞の詳細な遺伝情報までもが
わかる時代です。
最先端の生殖医療においても、
卵子、精子、そして受精卵のわずかな
DNA (遺伝子の本体) の
過不足 (染色体の微細な異常)
まで判定できるのです。
客観性が重要視される医学研究の賜物です。
しかし、
目に見えない異常は
まだ、
ブラックホールのごとく際限なくあるのです。
心臓や脳は見えますが、
こころ は見えません。
体外受精・胚移植医療が進歩しても、
小さな卵は
ヒトの子宮でしか育てられません。
子宮内への栄養や酸素の供給は、
その人の こころ の状態の影響を受けますので、
見えない異常の検討も必要なのです。
不育症や着床障害の治療のためには、
数値化した身体の異常を見るだけではなく、
見えない こころ の状態も
診る必要があるのです。
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