会社にいくらお金があれば「安心だ」と思えますか?
私が会社を始めた頃、本当にこの会社がやっていけるのか、自信がありませんでした。それでも仕事を続ける中で、さまざまな人と知り合い、いくつものビジネスが形になり、少しずつ会社にお金が残るようになってきました。
その時にいつも思っていたのが、
「たとえ仕事がなくなっても3ヶ月ぐらい耐えられる資金があれば安心だ」
ということです。
ただ、ここで重要なのは――その3ヶ月分の資金が「全ての投資や支払いを終えた後」に残っていることです。
3ヶ月分の資金しかなければ、3ヶ月分の事業しかできません。安心できるのは、必要な投資をすべて行ってもなお、その3ヶ月分の運転資金が手元にある状態です。
私がそう言える理由は、会社に借金がなかったからです。
会社を始めたばかりの頃、初めてオフィスを借りるとき、月600ドルの家賃が払えるかすら自信がありませんでした。そこで私は大家さんにこうお願いしました。
「月600ドルは理解しています。でも、1年のリース契約を結ぶ自信がありません。いつ会社が潰れるかわからないからです。今、5000ドルあります。これを1年分の家賃として前払いするので、1年間だけ貸していただけませんか?」
大家さんは快く承諾してくれて、そのビルの小さな一室を1年間借りられることになりました。少なくとも私は借金をしていなかったので、最悪の場合いつでも撤退できるという安心感がありました。
ちなみに、そのビルは今でもマーサーアイランドに残っています。現在は不動産会社のビルですが、もし空いたらまた入ってみたいですね。結局、私はそのオフィスに5年ほどいました。最後の頃には、そのビルの2階の半分が私の会社のスペースになっていました。
今でも私は、会社で借金をすることはできる限り避けています。借金がなければ、たとえ明日会社を辞めても大丈夫という安心感があります。
だから、もし「会社にいくらあれば安心ですか?」と聞かれたら、私はこう答えます。
「必要な投資をすべて行った上で、借金ゼロで3ヶ月分の資金が残っていること」